東方魔人黙示録

怠惰のあるま

後日談 その四


前回、理不尽な暴力に見舞われた俺は悲しみとともに完全復活しました。
だってひどくない? 次のお話では完全復活しているとはいえ完膚なきまでにボコボコにしますか? もう理不尽の極みだね。まあ、俺ちゃんは寛大な心の持ち主だから許してあげよう。戦うノリになるのは嫌だし。
さてさて、今日は何が起こるのかな?
と、思っていたが幻真達が気になるから様子を見に行くとしよう。








△▼△








『やあ元気か! 馬鹿ども!』
「ぶっ飛ばすぞ!?」

地霊殿の幻真達の休んでいる部屋にパルスィと一緒に元気に挨拶をして入ると磔に脅されました。おぉ...怖い怖い...え? お前が悪いだろって? 百歩譲って俺は悪くてもパルスィは悪くない。悪くないからな。
それと磔の他にも何人かは起きていた。磔を宥めつつ幻真は答えた。

「アルマとパルスィか。まあ、だいぶ動けるようにはなったよ」
「え? 完全回復してないの?」
「お前と一緒にすんじゃねぇ!!」

またもや怒鳴る磔さん。パルスィと顔を合わせて首を傾げているとそれが気に食わなかったらしく拳を振り上げていたが幻真に止められる。そんな彼らを見て呆れた様子の火御利が言った。

「全く...それよりもアルマ。時龍を見てない?」
「知らないな。幻真は?」
「いや、見てない。そういえば絢斗もいねぇな〜」

うん。すっごく嫌な予感がするのは俺だけかな?

「あの二人がいないってことは...そうゆうことだよなぁ...?」
「そうね。追加すると終作もいないわ」

遠くから話を聞いていた桜が不機嫌そうに情報をくれた。
うん。絶対に悪いこと起きる。あの変態どもが揃うとロクでもない事態になる。早々に止めねば。

「あ〜悪いが君ら手伝ってくれ」
「私は構わないわ。変態を成敗できるなら」
「まあ...何をするか分かったもんじゃねぇからな〜」
「自分達の世界の住人だ。迷惑をかけるわけにはいかないな」

よし。変態駆逐し隊を結成した所で滅殺しに行くか。

「セクハラをする前提なのね」
『それ以外考えられない』
「ああ...うん...そう」

どこか諦めた様子の祭を無視して俺たち四人は変態共を探し始めた。







△▼△







「隊長! 今回は良いものが手に入りましたか?」

絢斗が終作に向けて言うと彼は残念そうに答えた。

「残念ながら今回はシリアスすぎてそれどころじゃなかった...! だがしか〜し! 今から手に入れようじゃないか同士らよ!!」
『はい! 隊長!』

無駄な結束力を見せる三人は自分たちの私利私欲のために女の子達のあられもない写真を撮るために行動を始めた。だが、そんな彼らの前に大きな壁とも言える人物が現れた。

「おや、何か楽しそうな事をしてますね」
「そりゃあもう! 男としては楽し...い....」
「ええ、伝わりますよ。心の内が」
「さ、さとりちゃ〜ん...なんでここに居るの? 一応ここ次元の狭間だよ?」
「それは私もコメディの住人ですから」
「コメディって言えば何でも許されるわけじゃないよ〜?」

規格外なさとりに何処か恐怖を覚える三人だが、ここで終作はある交渉に出る。

「さとりちゃん。今、俺たちを見逃してくれればイラ君とリティアちゃんの写真をあげるよ?」

そう。在ろう事かアルマ達の子供の写真を餌に見逃して貰おうと考えたのだ。イラとリティアが大好きなさとりに対しては有効とも言える作戦であろう。
だが、さとりの返答は意外であった。

「いりません」
「え!? 嘘だろ!! あの双子ちゃん達の可愛い可愛い写真だよ!?」
「写真よりも現物の方が数千倍...いや数万倍可愛いです!!」

さとりは既に二人への愛ゆえに写真を見るだけでは我慢できない程、溺愛していた。これには終作も誤算であった。そんな彼に助け舟を出すかのように時龍がさとりにある事を説いた。

「さとりちゃん。確かに写真と言うのは現物よりも劣るかもしれない。だが! 写真はある一瞬を一生残しておける最高のものなんだよ!!」
「そうだよ〜! さとりちゃんだってずっと残しておきたい光景あるだろ? それを写真に残せば一生忘れずにいられるんだよ!!」

二人の謎の熱い解説と心からの熱い本音がさとりに伝わったのか。彼女は地面に座り込んだ。

「あ、あなた達の言う通りです...私は間違っていました...! 写真とは何と素晴らしいものなのかを理解していなかったのですね...」
「分かってくれればいいんだ。じゃあ、二人の写真を上げるから見逃してくれるかい?」
「ダメです」
『あれ〜?』
「アルマとパルスィの写真もください」
「あ、はい」

そう言ってさとりは三人に自分が欲しい写真を数十分掛けて注文した。
そして、彼らは思った。彼女も相当な変態なのではないか、と。心を読んださとりはニッコリと答えた。

「ただの傍観者です」

と、答えその場を去っていった。
安堵の息を漏らす三人はやっと行動を開始する事とした。とりあえず、彼らは次元の狭間から出ると目の前には何故か完全武装をしているアルマ、幻真、磔、桜の四人がそこにいた。

「あ、あっれれ〜? 何でここから出るってわかったの〜?」
「ここからやましい感情を感じたからな。待機していたら案の定出てきやがったって話」
「あの〜...まだ何もしてないから見逃して欲しいな〜なぁんて」
『ダメ』
『ですよね〜!!』

こうして、アルマ達の集中砲火を食らった変態達はその日一日、動く事ができなかったそうな。














『おまけ』

さとりはニコニコと何枚かの写真を見ていた。そこにはアルマとパルスィ、それとイラ、リティアの四人が写っていた。
そのほとんどが家族の仲の良さが伺える写真ばかりであった。

「はぁぁ...写真と言うにはいいものですね...今度カメラというものを地上の河童に作って貰いましょうか」

完全に写真の虜となったさとりであった。


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