東方魔人黙示録

怠惰のあるま

《矛盾の意思を持つ男》


妖夢が戻ってくるまでの間、白玉楼の外を見て回ることにする。しかし、散歩するのはいいが何もない。
屋敷を出たところで目に入るのは蕾ができ始めたばかりの桜の大木ぐらいか.......それ以外行くところも面白そうなところもなさそうだ、近くまで行くことにしよう。
門を出てすぐの長い階段を駆け下りるのが面倒なので、ここから飛び降りることとしよう。ものすごく怖いけどこのぐらいの高さなら十分耐えれるさ。


アルマがバカな行動をとっている頃、階段の下では弾幕勝負がはじまっていた。
戦いあっているのは普通の魔法使いである霧雨魔理沙と白玉楼で庭師として働いている半人半霊の魂魄妖夢であった。
幽々子様のご命令で冥界の入り口を守っていると人間の魔法使いが入り込んできた。てっきり博麗の巫女が出向いてくると思いましたが人間の彼女曰く神社でだらけているとか......巫女とは皆そうなのでしょうか?

「それよりも......こっちはお前達のせいで困ってるんだ!春を返してもらうぜ!」
「返すと思いますか?」
「なら力づくで奪うだけだぜ!」

ミニ八卦炉を取り出し、臨戦態勢にはいる魔理沙に余裕の面持ちで妖夢は言った。

「勝てればの話でしょう?」

先に攻撃をしかけたのは妖夢、自分の刀を抜き敵を定め斬りかかるがすばしっこく魔理沙は灯篭の上を飛び回り、斬撃をかわしていた。
だんだん苛立ちが出てきた彼女は冷静さが少し欠けてしまい、石畳の隙間に足を引っ掛けバランスを崩してしまった。

「しまっ....!!」
「くらえ!マスタースパーク!!」

ミニ八卦路から放たれたマスタースパークはかわせるようなものではなく、妖夢は負けを認めるように目を瞑ろうとした。しかし、それはどこからともなく聞こえてくる悲鳴によって止められたのだった。
その声は上から聞こえたことに気づき、見上げると人間のようなシルエットの物体が落ちてくるのが見えた。その物体は妖夢の目の前に無事着地し、スペルカードを使用した。

「防御【矛盾点】!」

眼前に迫るマスタースパークを遮るように強大な矛の壁が積み上がり、魔理沙の攻撃を防いだ。そして、それを防いだのは階段の頂上付近から飛び降りたアルマであった。

「アルマ......さん?」
「ア、アルマ!なんで犯人を庇うんだぜ!?」
「は?いや、かばうと言うか......着地したらお前がマスタースパーク撃ったから反射てきに......」

なんなんだよ突然......飛び降りて着地してみれば妖夢が地面に倒れてるは、魔理沙のマスタースパークを喰らいそうになるは、なにがどうなってるんだよ。

「とにかく、そこの妖夢って奴が今回の異変を起こした一人なんだぜ!」
「例えそうだとしても知らん!魔理沙には悪いが俺は妖夢を守るからな」
「な、なんで!?」

驚く魔理沙に一言で返した。

「恩返し」
「あぁ!もう!じゃあ、攻撃しないから、春を返してもらえるように説得してくれだぜ!!」

めんどくさいこと言うなぁ......妖夢だって好きでやったわけじゃないだろうし、絶対に幽々子の命令だろ.........しかたない嫌だけどやるか。
俺はおもむろに妖夢の霊体を鷲掴みにした。すると、彼女はちょっと危ない声をあげて地面にヘナヘナと座り込んだ。

「悪いけど幽々子の場所教えて?さもないと......」
「わ、わかりました!言いますからやめてください!!」

そう懇願されたので離してあげた。息がすごく荒くなってたのが、何と言うか色々危ない映写であった。

「幽々子様はあの桜の大木にいます......」
「そうか、だってよ魔理沙」

あれぇ?なんでこの世のゴミでも見るような目で俺を見るの〜?あと、なんで八卦路を構えてるの?

「ありがとうと言いたいところだけど、マスパの刑だぜ」
「いやだぁぁぁぁ!!」

聞き出したのに仕打ちが酷すぎやしないですか。僕は悪いこと一切してませんよ。


コメント

コメントを書く

「コメディー」の人気作品

書籍化作品