愛山雄町の酔いどれ酒エッセイ
クリスマス特別短編小説「聖なる夜の不思議な話」(2015年12月25日投稿)
今回はエッセイではなく、短編小説です。
いつも通り酔っぱらっていますので、小説として投稿せず、活動報告として投稿します。
(多分酷い出来でしょうから)
◆ ◆ ◆
今日は聖なる日、クリスマスだ。
そんな日に何が悲しくて会社の忘年会なのだろうか。
俺にはあまり関係ないが、家族持ち、特に子供がいる連中はさっさと帰った方がいいんじゃないかと思いながら、大阪北新地の鉄板焼き屋で肉を突いていた。
八時半過ぎ、ようやく一次会がお開きになる。
今日の料理は珍しくうまかったから不満は無いのだが、やはりうまい酒が飲みたくなる。
いつも通り二次会には行かず、行きつけのバーに直行する。
今日はジンが飲みたい気分だから、“J”に向かう。さすがに聖なる日、カップルが多い、いや、一人で飲んでいるのは俺だけだ。
いつも通り、一杯目はギムレット。それもタンカレー10をベースに、ハードシェイクで。
二杯目は変わったジンをストレートで。
“Cotswolds”というジュニパーベリーが強めで、コリアンダーの香りが爽やかなジンをハーフショットで軽くあおる。
ボタニカルの香りに包まれながら、家がある神戸に戻っていく。
三ノ宮の駅を降りると、サンタやトナカイのコスチュームの若者たちが騒いでいる。
あんな時代もあったなと思っていると、もう一杯欲しくなった。
今日はいつもいくバーではなく、ふらりと知らないバーに入りたくなった。特に意味はなかったが、無性にそんな気持ちになったのだ。
北野坂から生田新道を西に歩いていく。
呼び込みの若い女性から何度も声が掛かるが、いつも通り無視して更に西へ。
何十回、何百回と歩いている道なのに、なぜかいつもとは違う感じがした。
酔った頭で“何故なんだろう”と思うが、深く考えることなく、いつもとは違う路地に入っていく。
ほんとに小さな路地。
軽トラックがギリギリ通れるかというくらいで、通り抜けはできず、L字型に曲がっている。
こんなところがあったけ?と思いながら入っていくと、目の前に重厚な木製の扉が現れた。
こんなところにもバーがあるのだなと思いながら、緑青が浮かぶ銅の取っ手を引く。
カランカランという音とともにドアを開けると、外の喧騒とは違う賑やかさがあった。
ウィスキーの香りと熱気、更には陽気な歌声に包みこまれる。二十人ほどの髭面の小柄な男たちがカウンターに座り、木製のジョッキを揺らしながら歌を唄っていた。
若い白人のバーテンダーが「すみません。満席なんです」と流ちょうな日本語で申し訳なさそうに頭を下げる。後ろから「ザック! 酒をくれ!」という声が聞こえ、その若者はもう一度頭を下げてから、「また、お願いします」と言って奥に戻っていった。
俺は酔った頭で“残念だな。面白そうなバーだったのに”と思いながら、家路についた。
翌日、バーの名前を見ていなかったことに気付き、その場所に向かった。だが、そこには重厚な木の扉は無かった。
酔っぱらって幻を見たのかと思った。だが、昨日はそこまで酔っておらず、幻覚にしては鮮明すぎる記憶だった。
もしかしたら、本当にあったのかもしれない。
ただ俺にはあの連中の仲間に入る資格がまだ無かったのかもしれない。
そんなことを思いながら、年末の神戸の街を歩き始めた。
◆ ◆ ◆
多分、見付からないと思いますが、もし、私の見たバーについて情報があれば教えて下さい。
でも、そのバーに入ったら、元の世界に戻れない。そんな気がします。
■ ■ ■
もちろん実話ではありません(笑)。
酔った電車の中での妄想に過ぎないのです。(前半部分は実話です)
でも、いつか見つかりそうな気がする、そんな満月の夜でした。
―――
完全に酔っぱらっています。
酔ってファンタジックな短編を書いたので、明日には絶対に後悔すると思っています(笑)。
いつも通り酔っぱらっていますので、小説として投稿せず、活動報告として投稿します。
(多分酷い出来でしょうから)
◆ ◆ ◆
今日は聖なる日、クリスマスだ。
そんな日に何が悲しくて会社の忘年会なのだろうか。
俺にはあまり関係ないが、家族持ち、特に子供がいる連中はさっさと帰った方がいいんじゃないかと思いながら、大阪北新地の鉄板焼き屋で肉を突いていた。
八時半過ぎ、ようやく一次会がお開きになる。
今日の料理は珍しくうまかったから不満は無いのだが、やはりうまい酒が飲みたくなる。
いつも通り二次会には行かず、行きつけのバーに直行する。
今日はジンが飲みたい気分だから、“J”に向かう。さすがに聖なる日、カップルが多い、いや、一人で飲んでいるのは俺だけだ。
いつも通り、一杯目はギムレット。それもタンカレー10をベースに、ハードシェイクで。
二杯目は変わったジンをストレートで。
“Cotswolds”というジュニパーベリーが強めで、コリアンダーの香りが爽やかなジンをハーフショットで軽くあおる。
ボタニカルの香りに包まれながら、家がある神戸に戻っていく。
三ノ宮の駅を降りると、サンタやトナカイのコスチュームの若者たちが騒いでいる。
あんな時代もあったなと思っていると、もう一杯欲しくなった。
今日はいつもいくバーではなく、ふらりと知らないバーに入りたくなった。特に意味はなかったが、無性にそんな気持ちになったのだ。
北野坂から生田新道を西に歩いていく。
呼び込みの若い女性から何度も声が掛かるが、いつも通り無視して更に西へ。
何十回、何百回と歩いている道なのに、なぜかいつもとは違う感じがした。
酔った頭で“何故なんだろう”と思うが、深く考えることなく、いつもとは違う路地に入っていく。
ほんとに小さな路地。
軽トラックがギリギリ通れるかというくらいで、通り抜けはできず、L字型に曲がっている。
こんなところがあったけ?と思いながら入っていくと、目の前に重厚な木製の扉が現れた。
こんなところにもバーがあるのだなと思いながら、緑青が浮かぶ銅の取っ手を引く。
カランカランという音とともにドアを開けると、外の喧騒とは違う賑やかさがあった。
ウィスキーの香りと熱気、更には陽気な歌声に包みこまれる。二十人ほどの髭面の小柄な男たちがカウンターに座り、木製のジョッキを揺らしながら歌を唄っていた。
若い白人のバーテンダーが「すみません。満席なんです」と流ちょうな日本語で申し訳なさそうに頭を下げる。後ろから「ザック! 酒をくれ!」という声が聞こえ、その若者はもう一度頭を下げてから、「また、お願いします」と言って奥に戻っていった。
俺は酔った頭で“残念だな。面白そうなバーだったのに”と思いながら、家路についた。
翌日、バーの名前を見ていなかったことに気付き、その場所に向かった。だが、そこには重厚な木の扉は無かった。
酔っぱらって幻を見たのかと思った。だが、昨日はそこまで酔っておらず、幻覚にしては鮮明すぎる記憶だった。
もしかしたら、本当にあったのかもしれない。
ただ俺にはあの連中の仲間に入る資格がまだ無かったのかもしれない。
そんなことを思いながら、年末の神戸の街を歩き始めた。
◆ ◆ ◆
多分、見付からないと思いますが、もし、私の見たバーについて情報があれば教えて下さい。
でも、そのバーに入ったら、元の世界に戻れない。そんな気がします。
■ ■ ■
もちろん実話ではありません(笑)。
酔った電車の中での妄想に過ぎないのです。(前半部分は実話です)
でも、いつか見つかりそうな気がする、そんな満月の夜でした。
―――
完全に酔っぱらっています。
酔ってファンタジックな短編を書いたので、明日には絶対に後悔すると思っています(笑)。
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