現世(うつしよ)と幻(うつつ)の世界で……
第54話、祐也も紅ちゃんもドレスアップです。そして。
車から下り、3人は屋敷に入る。
『凄いなぁ~‼うわぁ、今、夜にやりよる、お母さんのはまっとるテレビのお屋敷みたいや~‼』
『おい。はじめての家で、ちゃんとせんかや~‼』
祐也は、キョロキョロする紅をたしなめるが、
『アッ!』
『何で?』
『武器発見や‼うわぁぁ~これはファルシオンやんかぁぁ‼刃の幅が太いし、おもそうやけど、飾りが豪華やぁぁ。しかも、ちゃんと手入れが行き届いとるぅぅ‼すてきや‼うち、こんなん好きやわぁ‼もってエエかなぁ?あ、他にも、ロングソードにレイピアをぉぉ‼これは、これはぁぁ、槍やぁぁ‼……』
『やめんかぁぁ‼』
駆け寄ろうとするのをひっつかみ、コンコンと、
『おのぼりさんなんはわかるけど、人様のお家に来て、挨拶もなくってのは行くまいが?』
『はーい、ゆうにいちゃん』
先に、執事と話をしていたウェインは、
『祐也。着替え準備できてるって。紅ちゃんも彼女と行ってくれる?』
「解った。その前に、突然押し掛けてしまいまして、申し訳ありません。はじめまして。私は安部祐也、妹の紅ともうします。私は、穐斗の親友で、ウェインの友人です。どうぞよろしくお願いいたします」
祐也とそれにならって紅は頭を下げる。
「私たちに頭など……」
執事が告げると、
「いえ、礼儀というものがあります。いくらここで働いている人と言っても、初めて会った人には挨拶を、これがマナーだと思いますし、両親に怒られます」
「トツゼンスミマセン。ヨロシクオネガイシマス」
流暢な兄とは違い、たどたどしくでも礼儀正しく頭を下げる少女の腕にはパディントンベア。
それに、外国人には特に日本の少女は幼く見えるため、
「まぁ‼キュート‼pretty‼」
になる。
執事も微笑み、
「祐也さま、紅さま。どうぞ。こちらに」
「ありがとうございます」
祐也は歩き出す。
『ゆうにいちゃん。どこ行くん?』
『これから、出ていくんよ。紅も着替えさせてもらい?ほんじゃな?』
『えぇぇぇ?』
この屋敷には二人の息子しかおらず、奥方も定期的にいるのだが、女の子に餓えており、メイドのお姉さまがたは、本当は英語が苦手な体力勝負師を日本人の見た目の童顔で大きな垂れた瞳の黒髪の少女としか思わず、思う存分可愛い格好をさせることを堪能したのだった。
しばらくして、ぐったりとした紅は、パディントンベアとその絵本だけは何とか死守し、そして、片腕にベアをだっこ、セカンドバッグには本をちらっと見せるバッグを用意してもらい現れる。
ドレスは、はっきりいってグラマーなメイドさんとも違う、細身の体型であり、パディントンベアをだっこしているため、淡いピンク色のナチュラルなドレスとヒールは逆にない靴にして、髪型を整え、化粧を施す。
健康的な笑顔の少女のため、ピンクのルージュにオレンジの入ったグロス、メイクは少女らしくピンクを基調に可愛らしいラメをいれた。
「いかがでしょうか?若君?祐也さま」
紅を見た祐也は、
「お前、可愛いじゃないか。似合ってるぞ。なぁ?ウェイン?家族の贔屓目かもしれないけど……どうかな?」
「あ、う、うん‼キュート‼pretty‼えっと、えっと、beautiful‼」
『……ウェインさんも、モルドレッドと一緒ですか?』
半目になり、本気で嫌そうな顔になった紅に、
『ち、違うよ‼本当に、本当に、素敵だって言いたかったんだよ‼お世辞とかじゃないよ‼』
『外国の人は、日本人が童顔だから、皆prettyって言ってたら良いって思ってるって……』
『そんなことないよ‼ほんとにそう思ったんだよ‼』
必死なウェインに、祐也も、
『紅?ちゃんと誉めてもろたんやけん。ありがとうで良いと思わんのか?困っとるやろ?』
『うーん。だって、ウェインさん。うちに嫌われても、世界中の綺麗なお姉さまがたにちやほやされるやん。かまんとおもう』
『噛まんじゃないやろが‼ウェインは俺の友人‼俺の妹がウェインに喧嘩売るな‼それに、ウェインはモルドレッドみたいな問題俳優やないし、ちゃんとしとるんで‼謝り。で、誉めてくれてありがとう、おいいな』
兄の言葉に、紅は、
『ありがとう。ウェインさん。それと勘違いしてごめんなさい。それに、忘れとったけど、迎えに来てくれてありがとう』
と丁寧に頭を下げた少女に、ウェインは頬を赤くしたのだった。
『あ、うん。いいよ。僕もごめんね。仲良くしてほしいな』
『それはゆうにいちゃんと。うちは、この本と、あの武器、見たいです‼』
ガウェインの初恋は前途多難のようである。
『凄いなぁ~‼うわぁ、今、夜にやりよる、お母さんのはまっとるテレビのお屋敷みたいや~‼』
『おい。はじめての家で、ちゃんとせんかや~‼』
祐也は、キョロキョロする紅をたしなめるが、
『アッ!』
『何で?』
『武器発見や‼うわぁぁ~これはファルシオンやんかぁぁ‼刃の幅が太いし、おもそうやけど、飾りが豪華やぁぁ。しかも、ちゃんと手入れが行き届いとるぅぅ‼すてきや‼うち、こんなん好きやわぁ‼もってエエかなぁ?あ、他にも、ロングソードにレイピアをぉぉ‼これは、これはぁぁ、槍やぁぁ‼……』
『やめんかぁぁ‼』
駆け寄ろうとするのをひっつかみ、コンコンと、
『おのぼりさんなんはわかるけど、人様のお家に来て、挨拶もなくってのは行くまいが?』
『はーい、ゆうにいちゃん』
先に、執事と話をしていたウェインは、
『祐也。着替え準備できてるって。紅ちゃんも彼女と行ってくれる?』
「解った。その前に、突然押し掛けてしまいまして、申し訳ありません。はじめまして。私は安部祐也、妹の紅ともうします。私は、穐斗の親友で、ウェインの友人です。どうぞよろしくお願いいたします」
祐也とそれにならって紅は頭を下げる。
「私たちに頭など……」
執事が告げると、
「いえ、礼儀というものがあります。いくらここで働いている人と言っても、初めて会った人には挨拶を、これがマナーだと思いますし、両親に怒られます」
「トツゼンスミマセン。ヨロシクオネガイシマス」
流暢な兄とは違い、たどたどしくでも礼儀正しく頭を下げる少女の腕にはパディントンベア。
それに、外国人には特に日本の少女は幼く見えるため、
「まぁ‼キュート‼pretty‼」
になる。
執事も微笑み、
「祐也さま、紅さま。どうぞ。こちらに」
「ありがとうございます」
祐也は歩き出す。
『ゆうにいちゃん。どこ行くん?』
『これから、出ていくんよ。紅も着替えさせてもらい?ほんじゃな?』
『えぇぇぇ?』
この屋敷には二人の息子しかおらず、奥方も定期的にいるのだが、女の子に餓えており、メイドのお姉さまがたは、本当は英語が苦手な体力勝負師を日本人の見た目の童顔で大きな垂れた瞳の黒髪の少女としか思わず、思う存分可愛い格好をさせることを堪能したのだった。
しばらくして、ぐったりとした紅は、パディントンベアとその絵本だけは何とか死守し、そして、片腕にベアをだっこ、セカンドバッグには本をちらっと見せるバッグを用意してもらい現れる。
ドレスは、はっきりいってグラマーなメイドさんとも違う、細身の体型であり、パディントンベアをだっこしているため、淡いピンク色のナチュラルなドレスとヒールは逆にない靴にして、髪型を整え、化粧を施す。
健康的な笑顔の少女のため、ピンクのルージュにオレンジの入ったグロス、メイクは少女らしくピンクを基調に可愛らしいラメをいれた。
「いかがでしょうか?若君?祐也さま」
紅を見た祐也は、
「お前、可愛いじゃないか。似合ってるぞ。なぁ?ウェイン?家族の贔屓目かもしれないけど……どうかな?」
「あ、う、うん‼キュート‼pretty‼えっと、えっと、beautiful‼」
『……ウェインさんも、モルドレッドと一緒ですか?』
半目になり、本気で嫌そうな顔になった紅に、
『ち、違うよ‼本当に、本当に、素敵だって言いたかったんだよ‼お世辞とかじゃないよ‼』
『外国の人は、日本人が童顔だから、皆prettyって言ってたら良いって思ってるって……』
『そんなことないよ‼ほんとにそう思ったんだよ‼』
必死なウェインに、祐也も、
『紅?ちゃんと誉めてもろたんやけん。ありがとうで良いと思わんのか?困っとるやろ?』
『うーん。だって、ウェインさん。うちに嫌われても、世界中の綺麗なお姉さまがたにちやほやされるやん。かまんとおもう』
『噛まんじゃないやろが‼ウェインは俺の友人‼俺の妹がウェインに喧嘩売るな‼それに、ウェインはモルドレッドみたいな問題俳優やないし、ちゃんとしとるんで‼謝り。で、誉めてくれてありがとう、おいいな』
兄の言葉に、紅は、
『ありがとう。ウェインさん。それと勘違いしてごめんなさい。それに、忘れとったけど、迎えに来てくれてありがとう』
と丁寧に頭を下げた少女に、ウェインは頬を赤くしたのだった。
『あ、うん。いいよ。僕もごめんね。仲良くしてほしいな』
『それはゆうにいちゃんと。うちは、この本と、あの武器、見たいです‼』
ガウェインの初恋は前途多難のようである。
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