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わいず

胡桃またの名を甘神

「ふっふっふっ。クラスの奴、ビビってやがりますねぇ」

はい、どうもです。教室の椅子に座って、無駄にほくそ笑み、訳のわからない事を言ってるのが……私です。

周りの生徒は、そんな私を見てクスクス笑ったり、なにやら言ってます。まぁ、そんな事……当時の私はなんとも思ってませんがね。今になって思いますよ……超恥ずかしいとね。

「胡桃ちゃんおはよお」
「おはようっ」

はい、来ました。こんな私に話し掛けてくれる有難いお友達。普通ならこんな人、話し掛けるのためらいますよ? それなのに話し掛けてくれる……あぁ、本当に感謝感謝です。

「もぉ、まだそんな格好してるの? 似合わないから止めなよぉ。先生に怒られるよ?」
「ふっふっふ。誰も私を止められる奴なんていないんですよ」

なぁにをいってんだか……。私の友達さん、ここは優しく言わないで「は? 何いってんの? 現実見たら?」って感じの厳しい言葉を言えば良いのに……。このお友達、優しいんですよねぇ。

「まぁたそんな事言って……。昨日先生に怒られて泣きべそかいたばっかりなのに。そのくわえてるお菓子ぐらいとりなよ」
「違うよっ、これは煙草ですよぉ! あっあと泣いてないもん!!」
「はいはい、普通の煙草はそんなに白くないよ。それ何味? ラムネ? 先生来る前にあたしにも頂戴」
「ちっちが!! たっ煙草だもんっ! 煙草……なんですよっ、バニラ味の」

あははは。そうですそうです、この時こんな会話しましたねぇ。思い出しました。えと、確かこの後……。

「こっこれ、煙草だから……先生にバレちゃダメですよ」
「はぁい、ありがとね胡桃ちゃん」

素直に渡したんですよね。で、その後……。

「くっ胡桃ちゃんって言うんじゃねぇですよ! 私の事は……天神と言うです!」

こんな事言っちゃったんですよね。なぁにが天神ですか。ずかしい……こんな事、なんの恥ずかしげもなく言ったんですよねぇ、私って。

「うん。胡桃ちゃんっ」
「だっだぁかぁらぁ……胡桃ちゃんって言うんじゃねぇですよぉ! あっ! まっ! がっ! みっ!! って言うです!!」
「えぇ。私、胡桃ちゃんって呼びたいなぁ」
「え、あ……うぅ」

不良を自称してた割には押しに弱かった私。こんな事言われちゃったら躊躇ちゅうちょしてしまって……。

「わっわかりましたよ……。でっでも、せめてちゃん付けは止めるです!!」
「うふふぅ、分かったぁ。じゃ、胡桃ちゃんっ」
「だっだからちゃん付けは……って、うひゃぁぁぁっ、ほっへたふにふにしゅるなぁぁぁ、です!!」
「あはははぁ。胡桃ちゃんのほっぺやらかぁい」

ほっぺた、むにむにされてポコポコ友達を叩くんですが、このお友達止めてくれません。
友達さん、この時思いっきりひっぱたいても良かったのに……うざくありませんでした? この時の私。


と、こんな感じにメチャメチャだった私は……他にも色々やらかしたんです。えぇ、それはもう色々と……これ以上は精神的にキツいので、話しません。だってもう辛いんですもの。だから勘弁して下さい。

はぁ…………。過去をやり直せるなら、やり直したいですねぇ。

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