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わいず

甦る記憶、胡桃の闇

さぁて、中身はなんでしょうか。そう思いながら紙袋の中を見てみると……ノートが三冊と……写真が入ってました。
あれ? なんでしょうか、このノート、中身を見てもないのに、なにか嫌ぁな予感がプンプンします。それと、この写真にもです。

なっなんです? この胸騒ぎは!! たかがただのノートと写真にこんなにビビるなんて……。

「胡桃、どうかした?」
「っ!? なっ、なんでもないですよ。とっとりあえず、中を見てみましょうか」
「え、私も見ても良いの?」
「あぁ……はい、大丈夫です。多分、見られて恥ずかしい物じゃないと思うので」
「そう」

見られて恥ずかしい物なら流石に覚えてますよ。覚えてないと言う事はそうじゃないと言う事です。

でも、それにしたって胸騒ぎが止まりませんけどね……むしろ激しくなってます。なんででしょうね? なぜ私はこんなにも焦ってるんでしょう。

まぁ、気のせいでしょう。という訳でさっさと開けてしまいましょうか。何が書いてるのか気になりますからねぇ……。
私のノートなんでしょうが、書いた事はまるっきり忘れましたよ、あははははははは。

そんな気持ちで、紙袋を床に置いてノートを手に取る。すると……ノートの表紙に何か書いていました。えぇと、一体なんて書いてあるんでしょう…………こっこ!れはっ!? あっ、あぁぁっ!! あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!

「胡桃? どうして急にノートをしまうのかしら?」
「あ、あはは。どっどうしてでしょうねぇ」

ノートに書かれてある文字を見た瞬間、私は頭に強い電気の様な物がバチっと走り、"あの記憶"を思い出しました。そして過去の詳しい記憶が沸々と湯水の様に沸いて来ました。

その後、ノートを紙袋にしまい、ガシッと!! その紙袋を抱き抱えます。その行動が不振がられましたが笑って誤魔化します!! 誤魔化せてない気もしますが、誤魔化せてるって事にしましょう!!

だって、こっこれのノートはいけないです!!誰にも見せちゃいけないんですぅぅっ!

くっくそぅ。あっあまりにも"あれ"な記憶過ぎて忘れてました……くっ、うぅぅぅぅぅぅっ、あぁぁぁぁっ、だっだめですっ。今もあの時の記憶が、あの頃に言った台詞、格好、そしてノートに書き記した数々のアレな内容……次々と思い出してきますぅぅぅぅぅっ、わっ忘れろ、忘れろ私ぃぃぃぃっ、あっあれは若気の至りなんですぅぅぅぅぅぅっ!!

「きっ気にしないで下さい。のっののっ、のっ、ノートなんて知りません」
「知らないって、今手に持っているじゃない」
「これは違います!! ノートの形をした……何かです!! そう、これは……ノートに見えますが現実には存在しない何かなんです!! 所謂いわゆるダークマターなんですよ!!」

なっ、何言ってるんですか私はぁっ!! アホですか? なんですかダークマターって! 

ほっほら、訳のわからない事を言ったから七瀬さん固まってまっちゃってますぅっ。

くっ……ううぅぅぅぅぅっ、お母さんめぇ、自分でも記憶から消し去りたい暗い、この記憶が書き記されたノート、なんで持ってきやがるんですかぁっ!! 私にとってはこれは超弩級の威力をもった爆弾と同じなんですからねぇ!!。

「良くわからないけど……。それ、見られたくないって言うのはわかったわ」
「う゛っ」

くっ、流石七瀬さん……察しが良い。こっこれで言い逃れが出来なくなりましたぁ。

うっうぅぅぅぅぅ、お母さんの性で大変な事になりましたぁ。
とっとにかく、今は……このノートを見られない様にしないといけません!!

がっがんばれ私! 上手くやり過ごすんですよ? やり過ごした後は……。このノートは燃やしましょう。そう、闇に葬るんです。

あの時の記憶は私にとっては、闇そのものなんですから……。

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