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わいず

止捜索、裏話

さて、このままコンビニ経営の事を話すのも良いけれど、このまま話しても、くだぐだになぅて行くだけなこで、少し時間を遡ってあの人はどうしていたか、説明しようと思う。

その人物とは……霜月 七瀬の事である。



「やはり、この時間には来ていない……まだゲームセンターにいる可能性があるわね」

私は七瀬、しっかりと暖かい服を着て、長門の命令でハンバーガー屋さんに来ているわ。
それは、止を捕まえる為、うふふ……可愛い可愛いあの娘を捕まえたら、どうしてあげようかしら? 後ろから抱き付いて、たっぷりと撫で回してやろうかしら?

それとも、たっぷりと匂いを嗅ぐ? ふふふ……どちらと捨てがたいわね。

「……くひひ」

不気味に笑った私は、はっ! となり、ニヤける顔を引き締め、眼鏡を指で上げる。

いけない、妄想をする時は周りに気を付けないと……そうしないと、周りに悟られるわ。

そこそこ客がいる店内を見回しながら、歩いていく。
……冬だから、ロングスカートを履いて来たのだけど……やはり歩き辛いわね、ジーパンにすれば良かったわ。

……と、私の事は置いといて止の事を気にしないとダメね。

「ここにいないのなら、胡桃が向かったゲームセンターに向かうべきかしら?」

もしかしなくとも、その方が効果的かもしれないわ。
ゲームセンターなら、止がいる可能性が高いもの、彼女は極度のゲーム好き。

だったら、私も行くべきね。
そう思った私は、カツカツッと靴を鳴らして店を出る。

「……寒い、取り合えず、見付けたら抱きつくのは確定で良いようね」

商店街を歩く私は微笑む。
午前中だけれど、商店街を歩く人はいるものね……皆が皆、寒そうに歩いてるわ。

……あら?
あの黒くて格好良い服を着た緑色の髪の娘、癖っ毛があるわね。
それに、目付きが胡桃と同じ位キツいわ……。

でも、胡桃と違ってキツそうなイメージは無いわ。
なんと言うか……物凄く大人しい雰囲気を持っている。

言わば、人畜無害って感じ?

……なんかタイプだわ。
長門の頼まれ事がなければ、ナンパしてたくらいよ。

そう思って、その娘をチラチラ見ていると、突然その娘はポケットからスマホを取り出す。

そして……。

「うへへぇ、先輩……格好良いッス。今、何処にいるんすかねぇ」

柔らかく優しい声で呟いて恍惚な笑みをし始めた。
……あまり見ない方がいいかもしれないわ。

だって、スマホの画面を見て急に笑いだしたもの。
……きっと妄想をしている筈、そっとしておいた方が良いわ。

そう思った私は先を急いだ。

……その時、緑色の髪の娘を横切ったのだけど。
ちらっとスマホの画面が見えてしまった。

そこに写ってたのは、胡桃? チラっとだから分からないのだけど、そんな感じがした。

……凝視する訳にもいかないから、そのまま通り過ぎる私。
あの娘……何か気になるわね、私の中のあるセンサーに引っ掛かっているわ。


そんな事が気になりつつも私は、ゲームセンターに辿り着いた。
店の側に近付けば、店の外なのにも関わらず、少し音漏れしてる。

とてと賑やかな音……どこのゲームセンターもそう言う物か。
そう思いながら店に入っていく。

さて、まずは何処を探そうかしら?
……まぁ、適当に歩き回ってれば見付かるかもしれないわね。

私は、人に注目しながら探し回る。
ここのゲームセンターは少し大きい、だから探すのは少しキツそうね。

でも必ず見つけてあげる。
そして抱き付いてあげるわ、だから楽しみにしていてね? うふふふふ……。

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