住み込み就職 お仕事時々お遊び
その者、気持ちに正直 6
「ねぇ、くるちゃん。今度おごったげるから……見逃して?」
「ダメです。見逃せません」
「けちぃっ!」
現在、止さんの手を引いてお店に帰っている所です。
手を離したら、止さんは直ぐに何処かへ行ってしまうので手は繋いだままです。
実はさっきまで、抱っこしたままだったんですけど……人の目に気付いて、直ぐに降ろして手を繋ぐ事にしたんです。
「あぁ……くそぅ。もっとゲームしたかったなぁ」
あれからずっと、こんな事ばかり言ってます。
と言うか、こうやって止さんの手を引いてると……自分が母親になった気分になりますね。
「止さんって、ゲームが好きなんですね」
前を向いたまま、聞いてみると、斜め後ろにいた止さんは隣にやって来て「当たり前じゃん」って答えました。
「なっちゃんとの約束あるのに、それを破ってでもゲームをしたいくらいゲームが好きだぜ!」
「あ、それ……自分で言っちゃうんですね」
随分前から約束破るなんてダメですねぇとか思ってたんですが……自覚はあるんですね。
「でも、おれは悪くないぜ? 悪いのは誘惑してくるゲームの方が悪いんだ!」
でも、反省はしてないと……なんですか、その物言いは。
呆れつつ話を聞く私はずんずん歩いていきます。
あ、そう言えば……長門さんと七瀬さんはどうしてるんでしょう?
2人も探してる途中だと思うんですが……気になりますね。
そう言えば、長門さんから止さんが見付かったら電話してくれと言ってましたね。
……まだ電話してませんから、やりましょうか。
そう思って、スマホを取り出します。
「ん、どっか電話すんのか? それなら両手で操作した方がやり易いぜ?」
「いえ、片手で出来ます」
言葉巧みに手を離す様に仕向けたんでしょうが、その手には乗りません。
止さんの言葉を無視して、長門さんに電話をします。
「ちっ」
あ、舌打ちしましたね。
今の上手くいくとでも思ったんですかね? そんなのに騙される人なんていませんよ。
そう思いながら、長門さんが電話に出るのを待ちます。
…………カチャ。
あっ、出ましたね。
「あ、長門さん? 私です。胡桃です」
『どうした? 止は見つかったのか?』
若干息を切らしながら長門さんは電話に出ました。
相当辺りを走ってた見たいですね……。
「はい、見付かりました。今、お店に連れて帰ってる所です」
『なっなにぃっ! 見つかったのか! よっよし分かった。私も直ぐに戻る! おぉいお前ら! 捜索は終わりだっ、解散!』
……プツッ。
「え、長門さん? 長門さーん!」
えっえと……いっいきなり電話を切っちゃいました。
いきなり切るのはマナーが悪いですよ。
って、長門さん気になる事を言ってましたね。
それは、おぉいお前ら……って奴です。
もしかして、大勢で止さんを探してたんですか?
長門さんの事だろうから、100人で探してたりして……なぁんて、そんな事ある筈無いですよね。
「電話終わったのか?」
「えぇ、長門さんとの電話は終わりました。次は七瀬さんに掛けます」
私が言い終わると、止さんは「あぁ、ななちゃんにか……」と言って辺りを見渡します。
さて……次は言った通り七瀬さんに掛けましょう。
そう思って、タップとスワイプで操作していきます。
さて……七瀬さんは何処にいるんですかね?
通話ボタンをタップし電話が繋がるのを待ちます。
…………ガチャッ。
あ、出ましたね。
「あ、七瀬さんですか? 胡桃です」
『なにかしら?』
……ん?
やけに声が近くで聞こえる様な気がします。
気のせいですかね?
「えと、止さんを見付けました」
『えぇ、知ってるわ』
「え?」
しっ知ってる? なっなんで?
私……まだ七瀬さんには、止さんを捕まえた事を伝えてませんよ?
『……じゃぁ、お店に戻っているわ、気を付けて帰って来るのよ』
「あ、はい……分かりました」
なっなんだかよく分からない内に、七瀬さんにも電話を切ってしまいました。
「……さて、止さん。帰りましょうか」
「やだ!」
「わがまま言っちゃダメですよ」
嫌がる止さんを無視して歩みを進めていく私。
止さんは、ぎゃいぎゃい「離せ」だの「見逃せ」だの言ってますが……スルーします。
さて……電話してる時も歩いてましたからあと少しでお店に着きますね。
「うぅぅ、ゲームが……おれの至高の時間がぁ」
泣き声が聞こえますね。
ゲームが出来なくてそんなに残念ですか。
まぁ、本人の言った通り……約束を破ってまでゲームをしたいくらいのゲーム好きですからね。
そう思えば……店長と同じく、自分の思った事に正直に行動する人って事になります。
……なっなんか、今思ったんですけど。
止さんも長門さんのお店で働いてるんですよね? だとしたら、私とも一緒に働く事もある筈です。
……一緒に働いたら、好き勝手行動して、盛大に迷惑掛けそうな人ですね。
凄く失礼な事を考えつつ、私と止さんは商店街を抜けました。
近くにある横断歩道を渡れば、長門さんのお店があります。
さぁ……中に入って、長門さんと七瀬さんを待ちますか。
「ダメです。見逃せません」
「けちぃっ!」
現在、止さんの手を引いてお店に帰っている所です。
手を離したら、止さんは直ぐに何処かへ行ってしまうので手は繋いだままです。
実はさっきまで、抱っこしたままだったんですけど……人の目に気付いて、直ぐに降ろして手を繋ぐ事にしたんです。
「あぁ……くそぅ。もっとゲームしたかったなぁ」
あれからずっと、こんな事ばかり言ってます。
と言うか、こうやって止さんの手を引いてると……自分が母親になった気分になりますね。
「止さんって、ゲームが好きなんですね」
前を向いたまま、聞いてみると、斜め後ろにいた止さんは隣にやって来て「当たり前じゃん」って答えました。
「なっちゃんとの約束あるのに、それを破ってでもゲームをしたいくらいゲームが好きだぜ!」
「あ、それ……自分で言っちゃうんですね」
随分前から約束破るなんてダメですねぇとか思ってたんですが……自覚はあるんですね。
「でも、おれは悪くないぜ? 悪いのは誘惑してくるゲームの方が悪いんだ!」
でも、反省はしてないと……なんですか、その物言いは。
呆れつつ話を聞く私はずんずん歩いていきます。
あ、そう言えば……長門さんと七瀬さんはどうしてるんでしょう?
2人も探してる途中だと思うんですが……気になりますね。
そう言えば、長門さんから止さんが見付かったら電話してくれと言ってましたね。
……まだ電話してませんから、やりましょうか。
そう思って、スマホを取り出します。
「ん、どっか電話すんのか? それなら両手で操作した方がやり易いぜ?」
「いえ、片手で出来ます」
言葉巧みに手を離す様に仕向けたんでしょうが、その手には乗りません。
止さんの言葉を無視して、長門さんに電話をします。
「ちっ」
あ、舌打ちしましたね。
今の上手くいくとでも思ったんですかね? そんなのに騙される人なんていませんよ。
そう思いながら、長門さんが電話に出るのを待ちます。
…………カチャ。
あっ、出ましたね。
「あ、長門さん? 私です。胡桃です」
『どうした? 止は見つかったのか?』
若干息を切らしながら長門さんは電話に出ました。
相当辺りを走ってた見たいですね……。
「はい、見付かりました。今、お店に連れて帰ってる所です」
『なっなにぃっ! 見つかったのか! よっよし分かった。私も直ぐに戻る! おぉいお前ら! 捜索は終わりだっ、解散!』
……プツッ。
「え、長門さん? 長門さーん!」
えっえと……いっいきなり電話を切っちゃいました。
いきなり切るのはマナーが悪いですよ。
って、長門さん気になる事を言ってましたね。
それは、おぉいお前ら……って奴です。
もしかして、大勢で止さんを探してたんですか?
長門さんの事だろうから、100人で探してたりして……なぁんて、そんな事ある筈無いですよね。
「電話終わったのか?」
「えぇ、長門さんとの電話は終わりました。次は七瀬さんに掛けます」
私が言い終わると、止さんは「あぁ、ななちゃんにか……」と言って辺りを見渡します。
さて……次は言った通り七瀬さんに掛けましょう。
そう思って、タップとスワイプで操作していきます。
さて……七瀬さんは何処にいるんですかね?
通話ボタンをタップし電話が繋がるのを待ちます。
…………ガチャッ。
あ、出ましたね。
「あ、七瀬さんですか? 胡桃です」
『なにかしら?』
……ん?
やけに声が近くで聞こえる様な気がします。
気のせいですかね?
「えと、止さんを見付けました」
『えぇ、知ってるわ』
「え?」
しっ知ってる? なっなんで?
私……まだ七瀬さんには、止さんを捕まえた事を伝えてませんよ?
『……じゃぁ、お店に戻っているわ、気を付けて帰って来るのよ』
「あ、はい……分かりました」
なっなんだかよく分からない内に、七瀬さんにも電話を切ってしまいました。
「……さて、止さん。帰りましょうか」
「やだ!」
「わがまま言っちゃダメですよ」
嫌がる止さんを無視して歩みを進めていく私。
止さんは、ぎゃいぎゃい「離せ」だの「見逃せ」だの言ってますが……スルーします。
さて……電話してる時も歩いてましたからあと少しでお店に着きますね。
「うぅぅ、ゲームが……おれの至高の時間がぁ」
泣き声が聞こえますね。
ゲームが出来なくてそんなに残念ですか。
まぁ、本人の言った通り……約束を破ってまでゲームをしたいくらいのゲーム好きですからね。
そう思えば……店長と同じく、自分の思った事に正直に行動する人って事になります。
……なっなんか、今思ったんですけど。
止さんも長門さんのお店で働いてるんですよね? だとしたら、私とも一緒に働く事もある筈です。
……一緒に働いたら、好き勝手行動して、盛大に迷惑掛けそうな人ですね。
凄く失礼な事を考えつつ、私と止さんは商店街を抜けました。
近くにある横断歩道を渡れば、長門さんのお店があります。
さぁ……中に入って、長門さんと七瀬さんを待ちますか。
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