住み込み就職 お仕事時々お遊び
その者、気持ちに正直 4
「ふぅ……お腹一杯ぃ」
背もたれに深く腰掛けてお腹を押さえる止さん、私はその様子を見ながら、お茶を飲みます。
「いやぁ食べたなぁ。初めてのバーガーも食べたし、俺は満足だぜ」
「そうですか、良かったですね」
私がそう言うと、止さんは「うん」って言いながら頷きます。
ふぅ……久々にハンバーガーを食べましたが、やはりボリュームありますねぇ。
ましてや、何時もと違うバーガーも食べましたから、余計に満足感がありますよ。
まぁ……それを食べたのは二口だけですけどね、それでも満足感が違うんです。
だって、止さんから頂いた肉三昧バーガーは本当にボリュームが凄かったんです。
溢れる肉汁と味の濃いベーコン、そしてチーズの酸味が口の中一杯に広がって……身体が野菜を欲しましたよ。
あれは、二口食べただけでも、暫くお肉は良いやって思いますね。
「くるちゃん、食べたからどっか行くか? それとも暫く喋ってる?」
「え? あぁ……そうですね、あっ」
満足げに目を細めて話してくる止さん、まだソースがついたままですね。
お店に連れて帰る話をしたい所ですが……一旦保留です。
「止さん、そのまま動かないで」
「ふぇ? なっなんだ? って、ふわっ……」
紙ナプキンを取って、優しく止さんの口元を拭いてあげます。
さっきからついてたんですけど、取れる気配がしませんでしたし、取っちゃいました。
こっこう言うのって自分でした方が良いんですけど、ついやっちゃいましたね。
だっだって……その、何故だか分かりませんが、取ってあげたかったんだもの。
「はい、取れましたよ」
「おっおぅ……あっあんがと」
顔を真っ赤にして、うつ向き気味に言ってくる止さん。
照れてますね……もしかして、迷惑でしたかね?
なんて思ってると、止さんは立ち上がりました。
「どうしました?」
そう訪ねると、熱のこもった視線を私に向けてきました。
えっえと……ほんと、どうしたんですか? さっきの嫌でしたか?
きっきっとそうですよね……だったら、謝らないと。
そう、思って私も立ち上がろうとした時です。
止さんはテーブルに手をつき、私の口元に顔を近付けて来ました。
「え、とっとま……ひゃんっ」
そして……ぺろんっ、と小さな舌で舐めてきました。
その感触はとても暖かくて柔らかでした……。
「きししっ、お返しに取ってやったぜ。感謝しろよな」
すっ、と離れて座る止さん。
私は、ぼぉっと止さんを見つめます。
そして、ハッ! となりました。
「とっ! ととととっ、止さん!? なっなななっ何をっ!」
「何って……口元についてたソース、取ってあげたんだぜ? 何か問題あったか?」
あっあぁぁ……うぅぅぅっ。
すっ凄まじくヤバイ事をされてしまいました!
とっ止さんが、わっ私の口元を……なっなめ……なめて……。
顔を真っ赤にさせて、顔を押さえる私、うぅぅ……一気に身体が熱くなってきました。
しっしかも、さっきの止さんの行動……おっ思い返しちゃいましたぁっ。
なっ何の躊躇もなく、親猫が子猫の顔を舐めるが如く、ぺろんっとやられちゃいました。
「え、何? あの小さな娘、赤髪の娘の口元舐めなかった?」
「舐めてた! ハッキリと見た!」
「え、なに? もしかしてキマシ? キマシな関係なの?」
「絶対そうだよ! うぅぅぅっ、ごちそうさまです!」 
わぁぁぁぁっ、見られたぁぁぁ! 
さっきの一連の状況を見られちゃってますぅぅ。
両手で頭をカリカリかいて焦る私。
まっ周りがざわついてる、ざわついてるのに……その空気を察しない止さんは、問い掛けに答えない私を、ただじぃっと見つめてきます。
うっうぅ……言ってやる、思いの丈を言ってやります!
「もっ問題ありまくりですよ! ふっ普通に取ってくださいよ!」
「えぇぇ、普通はつまらないじゃんっ、それに、ナナちゃんも言ってたぞ! 口元に着いたソースは、舐めて取ってあげた方が喜ばれるって」
恥ずかしさを吐き出す様に言ったのですが、止さんは不満げに返してきました。
ナナちゃんが誰かは知りませんが、なんて事教えてるんですか! 間違った事を教えないでくださいよ!
「とっ兎に角! 他人の口元を舐めるなんて……その、ダメです」
目を潤ませ、止さんから視線を外す。
そしたら、私の方を覗き込んでくる止さん。
「いやだったのか?」
うっ……なんて潤んだ目なんでしょう。
なんかこっちが悪い見たいになってくるじゃありませんか!
その思いとは裏腹に私は。
「いっいえ……嫌と言う訳じゃないです。はっ恥ずかしかっただけ……です」
「なんだ、恥ずかしかったのか! なんだよぉ、ただの照れ隠しかよぉ」
ぱぁっと暗い顔から明るい顔になって、きししっ、と笑いながら答えてくる止さん。
違います、照れ隠しじゃありません……貴女が可愛くて、そう言わざるを得ませんでした。
くっ、甘党な私は人にも甘甘だと言うんですか!
こんな感じで自分で自分を責めるなか……周りの人達が、勝手に私と止さんの仲を話していた事は、この時私の耳には入っていませんでした。
そして、この騒動が収まるまで時間を要したのは言うまでもありません。
背もたれに深く腰掛けてお腹を押さえる止さん、私はその様子を見ながら、お茶を飲みます。
「いやぁ食べたなぁ。初めてのバーガーも食べたし、俺は満足だぜ」
「そうですか、良かったですね」
私がそう言うと、止さんは「うん」って言いながら頷きます。
ふぅ……久々にハンバーガーを食べましたが、やはりボリュームありますねぇ。
ましてや、何時もと違うバーガーも食べましたから、余計に満足感がありますよ。
まぁ……それを食べたのは二口だけですけどね、それでも満足感が違うんです。
だって、止さんから頂いた肉三昧バーガーは本当にボリュームが凄かったんです。
溢れる肉汁と味の濃いベーコン、そしてチーズの酸味が口の中一杯に広がって……身体が野菜を欲しましたよ。
あれは、二口食べただけでも、暫くお肉は良いやって思いますね。
「くるちゃん、食べたからどっか行くか? それとも暫く喋ってる?」
「え? あぁ……そうですね、あっ」
満足げに目を細めて話してくる止さん、まだソースがついたままですね。
お店に連れて帰る話をしたい所ですが……一旦保留です。
「止さん、そのまま動かないで」
「ふぇ? なっなんだ? って、ふわっ……」
紙ナプキンを取って、優しく止さんの口元を拭いてあげます。
さっきからついてたんですけど、取れる気配がしませんでしたし、取っちゃいました。
こっこう言うのって自分でした方が良いんですけど、ついやっちゃいましたね。
だっだって……その、何故だか分かりませんが、取ってあげたかったんだもの。
「はい、取れましたよ」
「おっおぅ……あっあんがと」
顔を真っ赤にして、うつ向き気味に言ってくる止さん。
照れてますね……もしかして、迷惑でしたかね?
なんて思ってると、止さんは立ち上がりました。
「どうしました?」
そう訪ねると、熱のこもった視線を私に向けてきました。
えっえと……ほんと、どうしたんですか? さっきの嫌でしたか?
きっきっとそうですよね……だったら、謝らないと。
そう、思って私も立ち上がろうとした時です。
止さんはテーブルに手をつき、私の口元に顔を近付けて来ました。
「え、とっとま……ひゃんっ」
そして……ぺろんっ、と小さな舌で舐めてきました。
その感触はとても暖かくて柔らかでした……。
「きししっ、お返しに取ってやったぜ。感謝しろよな」
すっ、と離れて座る止さん。
私は、ぼぉっと止さんを見つめます。
そして、ハッ! となりました。
「とっ! ととととっ、止さん!? なっなななっ何をっ!」
「何って……口元についてたソース、取ってあげたんだぜ? 何か問題あったか?」
あっあぁぁ……うぅぅぅっ。
すっ凄まじくヤバイ事をされてしまいました!
とっ止さんが、わっ私の口元を……なっなめ……なめて……。
顔を真っ赤にさせて、顔を押さえる私、うぅぅ……一気に身体が熱くなってきました。
しっしかも、さっきの止さんの行動……おっ思い返しちゃいましたぁっ。
なっ何の躊躇もなく、親猫が子猫の顔を舐めるが如く、ぺろんっとやられちゃいました。
「え、何? あの小さな娘、赤髪の娘の口元舐めなかった?」
「舐めてた! ハッキリと見た!」
「え、なに? もしかしてキマシ? キマシな関係なの?」
「絶対そうだよ! うぅぅぅっ、ごちそうさまです!」 
わぁぁぁぁっ、見られたぁぁぁ! 
さっきの一連の状況を見られちゃってますぅぅ。
両手で頭をカリカリかいて焦る私。
まっ周りがざわついてる、ざわついてるのに……その空気を察しない止さんは、問い掛けに答えない私を、ただじぃっと見つめてきます。
うっうぅ……言ってやる、思いの丈を言ってやります!
「もっ問題ありまくりですよ! ふっ普通に取ってくださいよ!」
「えぇぇ、普通はつまらないじゃんっ、それに、ナナちゃんも言ってたぞ! 口元に着いたソースは、舐めて取ってあげた方が喜ばれるって」
恥ずかしさを吐き出す様に言ったのですが、止さんは不満げに返してきました。
ナナちゃんが誰かは知りませんが、なんて事教えてるんですか! 間違った事を教えないでくださいよ!
「とっ兎に角! 他人の口元を舐めるなんて……その、ダメです」
目を潤ませ、止さんから視線を外す。
そしたら、私の方を覗き込んでくる止さん。
「いやだったのか?」
うっ……なんて潤んだ目なんでしょう。
なんかこっちが悪い見たいになってくるじゃありませんか!
その思いとは裏腹に私は。
「いっいえ……嫌と言う訳じゃないです。はっ恥ずかしかっただけ……です」
「なんだ、恥ずかしかったのか! なんだよぉ、ただの照れ隠しかよぉ」
ぱぁっと暗い顔から明るい顔になって、きししっ、と笑いながら答えてくる止さん。
違います、照れ隠しじゃありません……貴女が可愛くて、そう言わざるを得ませんでした。
くっ、甘党な私は人にも甘甘だと言うんですか!
こんな感じで自分で自分を責めるなか……周りの人達が、勝手に私と止さんの仲を話していた事は、この時私の耳には入っていませんでした。
そして、この騒動が収まるまで時間を要したのは言うまでもありません。
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