住み込み就職 お仕事時々お遊び

わいず

これも一種の目覚ましドッキリの一種なんだ

……んっ、んー……ん? なんだろう。

なんか、さっきまで意識を失ってた感じがする。
何でだろうか? そんな事そうそうある筈がないんだがなぁ。

と、そんな事は置いといてだ。
なんか身体が重い、そしてダルい……。
だがしかしだ、何か柔らかいものに抱き付いてる感じがする。
暖かくて、柔らかくて、良い匂いがして、抱き心地が良い、だからそれほど不快には感じていない。

そう感じる私の名は天塚 長門だ、よろしくな。

「んっ……んんっ」

うっすらと目を開けてみる。
本棚、テーブル、台所、etcetc……。
可愛らしい家具が置いてあるのが見えた。

そこで私は察した。
……あれ? 私、部屋にいる? そしてベットで寝ている?

確か私はバーで酒を呑んで酔っぱらった筈なんだが……くっ、覚えていない。

だがまぁ、今はそんな事はどうでも良い。
この、絶妙に抱き心地の良い何かを抱いていよう。
今は凄く眠たい、ならばその気持ちに身を委ねようじゃないか。

……と、その前にだ。
気になる事が1つ、さっきから妙に身体が敏感に感じるんだが何故だろうか? それに、少し寒くもある。
布団はちゃんと掛けているのに……不思議な物だな。

まるで何も身に着けていなくて、素肌のまま何かに触れているかの様な感覚だ……。

いや、そんなのは気のせいだろう。
そう感じるのは疲れているからだ、だったら尚更寝なきゃダメだ、疲れた時は何も考えずに寝るのが一番だ、私は考えるのを止めるぞ!
と言う訳でお休みなさい。

と、微睡む私はを眠ろうとした……その時であった。

「うっへへぇ……しょんな甘い物食べたりゃ、ふとっちゃいましゅぅ……」

ハスキーで蕩けきった声が聞こえた。
……その声を聞いた瞬間、眠気が少しだけ飛んだ。

「……いっ今の声は……くるみ?」

おもったるい身体をもぞもぞ動かす。
……そしたら、何かに触れた。

むにっ……むにゅっ。
やっ柔らかい、それが鮮明に感じた。
なっなんだこれ、凄く触り心地良いぞ。

眠たくて目をうっすらとしか開けられないから、それが何なのかは分からない。

だが、そんな事はどうでも良いかも知れない……だってこんなに触り心地が良いんだ、気にする事は無いだろう。

と言う訳で、私が寝付くまで触り続けよう。

そう決意した後、平たくて肌色の所に触れてみる。
そこにはなんか、ちっちゃい穴が見える……ふむ、訳が分からないが、そこら辺も触ろう。

さわさわさわっ……。
まるで、羽で撫でるかの様に触る。
ふふふぅ、あぁ……触ってると気持ちが良いなぁ。
ちょうど良い弾力で……尚且つ、触ってると癒される。

こっこれは寝れる……即寝れる。

「調度良い……抱き枕も……あった物だなぁ……ふぁぁ……」

大あくびしながら触り続ける。
そしたらだ、その何かがもぞもぞと動きだした。

「っ……なっなんだ?」

驚いた私は、また眠気が少し吹き飛んだ。
それに続くかの様に、私の目の前にあるそれは……更に動きを見せた。

「ぁぁぁ……ぅぅぅ、くしゅぐったい……れしゅ……」

こつんっ……。
目の前のそれは、私のすね軽く蹴った。
うっ動く抱き枕か……だろうか、あっ足でもあるのか? 

とっと言うか……この声、さっき同じ声、これは間違いなく胡桃の声だ。
……いやいや、そんな事ある筈がない。
胡桃がこんな所にいる訳がない。

もしこの場にいたら、驚きで声を失う自信があるぞ。

「…………」

いや、しかしだ……。
焦りからかだんだんと意識がハッキリして目も大分開けれる様になってきて気付いたんだが……。

「私の目の前にいるのって……胡桃じゃないか?」

幸せそうな寝顔を私に見せてる。
私の知ってる中で、赤い髪の毛をしている者は胡桃以外にいないからな……。
目の前にいるのは胡桃で間違いないだろう。

……うっうん、ここで何で胡桃が私と一緒に寝てるんだ? と疑問に思うんだが……そっそれよりもだ。

今まさに、重要な事に気が付いた。

「……胡桃はなんで服着ていないのだ? あっあと私も」

そう、服を着てないのだ。
つまり私と胡桃は、素っ裸で1つのベットに寝ていると言う訳だ。
で、さっきから気持ちいいからといって触りまくってたのが胡桃だったと言う事に今気が付いた。

あらゆる謎が一気に押し掛け私は、取り敢えず1度目を瞑った。
きっきっと夢だ……はっははっ、私も愉快な夢を見るものだな。

これも少女漫画を読み耽っているからなのか? そっそうだとしたら……読む時間を減らすべきなんだろう。

と言う事を考えた後、勢い良く目を開けた。
そこには、裸の胡桃がいた。
もう、全てが見えに見えまっくってる……だって、何も着ていないからな。

その、事実を突き付けられた後、私はぼそっ……と呟いた。

「やばい……私、酔っ払ってやらかしたかもしれない」

横になったまま青い顔をして冷や汗を垂らす。
ふっふふ、不味い、不味いぞ……これは洒落にならん事をしてしまったかもしれない。

どっどうやら私は……胡桃をお持ち帰りして、一晩よろしくやってしまったのかも知れない……。

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