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わいず

番外編 長門さんの1日

やぁ皆、元気にしているだろうか? 私は天塚長門だ。
現在27歳の今をときめく乙女だ。

そんな私は、会社の社長で、店の店長で、街の町長でもある。
だから割りと忙しいのだ。

それ故に、店にいない事がある。
その時、我が社員を適当に店の店員として回してるから問題は無い。

……と、私の事は今はどうでも良い。
今日は1月中旬、この話は私の1日を話していこうと思う。
そんなに長くはならないから、軽い気持ちで聞いて欲しい。


1月のとある日の朝5時、女社長の朝は早い。

「さて、早速着替えてご飯を食べて、今日も会議だ!」

パジャマを着た私は、自室のベットから起き上がり、大きく背伸び。
それからカーテンの方へ歩き、ちょっとだけ開いてみる。

「ふむっ、まだ暗いか……」

まぁ冬だからな、5時だとまだ外は暗いよな。
……と、当たり前の事は置いといて、さっさと着替えてしまおう。

しかしあれだな。
寒いなぁ……部屋にある空調の設定間違えたか? あっ、そう言えば寝る前にタイマーを設定したんだったな。

眠ってしまえば、暑さ寒さは感じない、だから1時間後に切れる様に設定していたんだった。
あっ、その事で突然思い出したんだが、この前、空調のタイマー設定をし忘れて寝てしまったんだ。

で、空調付けっぱなしで朝を向かえてしまう。
そしたら、なんか罪悪感に包まれてしまったんだよな。
あぁ、電気代無駄にした……今度は忘れてなるものか。
って、思った物だなぁ。

そんな事を染々と思いながら、しゅるしゅるっとパジャマを脱いで行く。

……ふむ、服を脱ぐ度に思うんだが、このブラジャー、白いのは好きなんだが、少し派手じゃないか? まぁつけ心地は良いんだが、なんか気になるんだ。

そう言えばこのブラ、この前七瀬と買い物に行った時に選んで貰ったブラだな。
その時、なんか知らんが七瀬に熱弁されてこのブラを買った。

たしか「女社長と言えば黒の下着だけど、長門は白が似合うわ」って言われて買うのを決めたんだよな。
言わばこれは勝負下着、と言っても、勝負する場面なんか出会してないんだけどな、はっはっはっ。

「……よしっ、今日もピシッと決めようか」

過去を思い出している内に脱いだから次はスーツに着替えだ。
顔をペチンッと叩いて気合いを入れた後、クローデットからスーツを引っ張り出す。

後はそれを、しゅるしゅるって感じで着替えて……着替え完了だ! 我ながら今日もバッチリ決まってるな。
これなら、恋愛漫画的出会いに出会す可能性が高まると言うものだ。
ふっ、完璧な考え過ぎて自分が恐ろしいな、わっはっはっはっ。


ガチャッ……バタンッ、カチャンッーー
「よしっ、鍵閉め完了、忘れ物は無しっ、さぁっ行くぞ!」

戸締まりやその他もろもろを確認した後、スーツのポケットからスマホを取り出す。

それを、ぽちっぺちっぱちっとタップする。
そうした後は、直ぐに耳に当てる。
私は今、電話をしようとしているのだ!

プルルル……プルルル……。
呼び出し音が鳴る、それを聞きながら廊下を歩く。
歩きスマホはいけないが、私は忙しい、だからと言っては何だが見逃して欲しい。

ガチャッ……。
あっ、繋がった様だな。

「もしもし私だ、起きてるか?」
『起きてます、何かご用で?』

ふむ、このいつ聞いても極道の親方を彷彿させる野太い声、ちゃんと起きていたみたいだな。
流石私の選んだボディーガードだ。

「今、屋上へ向かってるんだが……準備は出来ているか?」
『へい、出来ていやす』
「そうか、こんな朝早くに悪いな」
『いえ、気にせんでくだせぇ、社長』

話している間、私はスタスタと歩き続ける。
ここは最上階、向かう場所は屋上のヘリポート、ここからだと歩いて行く事になる、なので歩いている。

「そうか」
『はい』

……。
あぁ、暫く黙ってしまったな。
ふむ、まぁ……ここで電話を切っても良いかもしれない。

「じゃ、もう少し待ってくれ、直ぐに行く」
『へい、気を付けて来てかだせぇ』
「うむ、気を付けよう」

そう言った後、通話を止める。
その後、スマホをポケットに戻す。
さて……待たせるのは悪いからね、早く行こうか。


「……よし、着いた」

あれから少しだけ経った後、私は屋上への扉の前にいた。
外は寒いからな……さっさとヘリに乗るとしよう。

「よしっ!」

気合いを入れて扉を開ける。
まず初めき眼に写ったのは自家用のヘリだ。
あれは、ネットで買った奴だ、胡桃をここまで送ってきたヘリでもある。

まじまじとそれを目視した数秒後の事だった。

びゅぉっ! と冷たい風が私に向かって吹いてきた。

っ、いっ痛い寒い痛い痛い寒い!! うぅぅぅっ、コート着とくんだったぁっ。
今は冬なんだから分かってた事だろう!

「ぁぁぁぁっ」

小さな悲鳴を上げながら、少し遠くにある、ヘリに向かって走っていく。
ぅぅぅっ、ここは高いからな、風が強いっ、着てるスーツがなびくっ、故に歩き辛いっ! そして寒い! そんでもって、その寒い風が顔に当たって痛い!

ひぃひぃ、と小声で言いながら走っていると……黒サングラス、黒いスーツを着たガタイの良い男がこっちに向かって走ってきた。

あぁ、さっき電話をした相手だ。
因みに、胡桃をここに連れて来る時に担いだ男がこいつだ。

と言うか、本当に待っててくれたんだな、こんな寒い中待たせて悪るいな。

「大丈夫ですかい社長」
「あっあまり、だっだだっ大丈夫じゃ……なひ」

ぅっ、寒さで口が震えて上手く喋れない。
寒さで手を擦っていると……パサッと背中に暖かいコートを掛けてくれる。

「寒いんでこれを羽織ってくだせぇ」
「おっおぉ、相変わらず見せてくれるなぁ」

ふふ、本当にこの男は私を楽しませてくれる。
会って直ぐに少女漫画定番の「寒いだら? これ着ろよ」をしてくるなんて……私の心は早速高ぶって来たぞ!

「では行こうか」
「了解です」

そのコートを羽織った私はヘリに乗る、続けてその男も乗り込む。

さぁて、わっくわくのどっきどきの社長のお勤めの始まりだぁっ!

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