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わいず

お酒のお付き合いの話し 5

ふぅ……。
長門さんをベットに乗せて、一息つく私。
さて、電気を消しましょうか……私も寝たいですしね、あっ、その前に着替えないとですね。

はっ! 七瀬さんも部屋に届けないといけません。
ぅぅぅ、なんか忙しいですね。

「はぁ……まぁこれも、社会勉強の一貫として受け入れるしかないですね」

自分を納得させる事を言っちゃう私、でも……納得はいってませんよ?
身体がふらふらになるまで酔う位なら、最初から飲むな! とか思っちゃってます。

「……うだうだ思ってても仕方無いですね、そろそろ行きましょう」

うんうん、ここで色々考えても解決しません。
明日、2人には嫌味ったらしく、グチグチ不満をぶつけましょう、はいっ、今決めました!

「という事で、行きますね長門さん、寝ててくださいね」

長門さんにそう言った後、私は部屋の電気を切ります、そのまま廊下の電気を付けてそのまま玄関へ行きます。

「まさか、長門さんを私の部屋に寝かせるとは思いませんでした……」

苦笑しながら、長門さんの靴を見ます。
女社長を部屋にお持ち帰り、なんかスキャンダルな事態になってますが、気にしないでおきましょう。

……ん? 私の部屋に長門さん? ベットには長門さん…………はぁっ!?

ある事に気が付いた私は、ドタドタと部屋に戻ります!

戻った後、部屋の電気を付けて長門さんを見て……。

「わっ私が寝る時の事、考えてませんでしたぁぁっ 」

気付いた事を高らかに叫んじゃいました……。
どっどうしよう、不味い不味い不味い、本当にその考えが抜け落ちてましたぁ。

こっこれは七瀬さんを部屋に送り届ける前に、長門さんの事をどうにかしないとダメです!

「とっ取り合えず、きっ着替えを……って! 長門さんの着替えなんて持ってないですよぉぉっ」

うぅぅっ、一体どうすればいいんです?
このまま寝かせますか? いえいえ、それだと、折角の高い服にシワがついちゃいます。

ですから着替えた方が良いんです、と言うか、寝る時は寝巻きに着替えるのは常識ですっ。

「……でも、長門さんの着替えがない!」

顔が真っ青になる私、そんな事も知らないで、長門さんは寝息を立てるばかり……。

手詰まりですっ、もうどうしようも……いや、待ってください。
どうしようも無い事も無いんじゃないですか?

良く良く考えたら、着替えならあるじゃないですか、私の着替えですけど……。
安物で申し訳ないですけど、私の服を長門さんに着せて、一夜を過ごして貰えばなんら問題は無いんじゃないですか?

「そうっ、そうです、問題なんてありません! やった、問題解決ですねっ」

喜ぶ私、いやぁ……、こんな簡単な事なのに、中々気付かないものですね。
やはり人間、1度慌てると冷静に考えれなくなっちゃいます。

慌てた時こそ冷静に、改めてそれを感じましたね。

「さぁて、そうと決まれば服を物色しましょうか」

思い立ったが即行動、直ぐ様、服を片付けてるタンスに移動します、そこの引き出しを開けて、服を見る私。

「えぇと、寝易そうな服装は……あっ、これなんか良いんじゃないですか?」

そこから取り出したのはグレーの冬物のパジャマです。
これと同じのを私はもう一着持ってます。
冬場のパジャマは、これを着回して寝ています。

ふふ、同じのを持ってて助かりました。
さぁ、さっそくこれを長門さんに…………はぁぅぁぁっ!?

「たったたっ、大変な事に気が付いちゃいましたぁ!」

迸る閃光の如く、私の脳裏に過った、ある事が私を焦らせました。
それは、もっと早くに気付くべき事でした。

私はそれに気付かずに、服を探して、今やっと気付きました。
さぁ、その気付いた事とはなんなのでしょう? その答えは……。

「これ、どうやって長門さんに着せるんですか?」

それは、深夜アニメに出て来る様なシュチエーション。
寝ている人に対してのお着替え、ドキドキで、かなりハードなその行為……。
1度だけ、友達の家で見たそのシーン、当時の私は「こんなの、実際にあるわけないですよ」とか言ってた気がします。

過去にいる私、よぉく聞いてください。
ありましたよ、こう言う場面、あのアニメの主人公みたいに私はドキドキしてますよ。

「ふっふふふ、先輩の服を脱がせるなんて……出来る訳無いじゃないですか」

天をあおいで語る私は、どこか切なく、何かを諦めたかの様な感情を持っていて、なんと言うか……今すぐにでも逃げ出したい、そう強く思っていました。

あははは、ほんと勘弁して欲しいですね……。
どうやら、私が苦悩する状況は、まだ始まったばかりの様です。

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