史上最強オークさんの楽しい種付けハーレムづくり

月夜涙

プロローグ:俺が強くなると決めた理由 (2)

 その巨体は岩のように硬くふくれ上がった筋肉に覆われ、全身に無数の傷跡が走っていた。それでいてどんじゆうさは一切感じさせない。

 数多あまたの戦場を駆け抜けたものだけに許されるオーラをまとい、見る者をしゆくさせる。

 父さんを見る度に思う、……どうせなら父さん似で生まれたかった。

「モドッタナ、キョウハタクサン、キャククル。オルク、オマエハ、ゾクチョウシュウカイ、ハジメテ、ヨクミテ、マナベ」

「わかったよ父さん」

 今日は十年に一度の族長集会。八つの種族の族長が集まる。

 目的は、友好関係を結んでいる八つの種族の親交を深めるため。

 会場はそれぞれの種族が持ち回りで負担し、今年はオークの村が請け負う。

 この族長集会には、族長とその妻と子が参加するのが習わしだ。

 俺は今回が初参加となる。

 あまり気乗りはしない。

 オークは昔の風習のせいで嫌われ者だ。

 そして、父さんはその風習に従い、外のめす……つまりは母さんをさらって俺を産ませた。もっとも母さんの場合、半分押しかけたみたいな状況だったらしいが。

 いったい、集会に訪れる他の種族の子たちから、どんな目で見られるのかと考えると胃が痛くなる。

 俺の家は族長というだけあって無駄に広く、パーティが開けるような大部屋もあり、そこには豪華な料理が並んでいた。

 昼のうちに母さんと一緒に作った料理だ。

 あまりにもオークの村には似つかわしくない。

 実際、オークの村は母さんが来るまで、丸焼きか生で食べるかしかなかったが、母さんのおかげで食生活がずいぶん豊かになった。

 その評判は他種族にまで響き、母さんはたまに友好種族に料理を教えるために村を留守にするぐらいだ。

 そして、俺はその母さんに教えを受けているし、前世の知識を思いつきと言って母さんに伝えて懐かしい食事を再現したりしている。

 料理の腕だけは家族どころか、友達からも認められている。

 だから、こうして今も料理の仕上げを手伝っている。

「オルクは料理ぐらい真剣に修業をすればすぐに強くなるのに……」

しい物を食べたいから料理は頑張るけど、修業はちょっと」

「強くなりたいんじゃないんですか」

「きつすぎるんだよ!」

 そんなこんなで、追加の料理を親子二人で仕上げていく。

 集会まで、そう時間はない。急がないと。



 料理を終えたのは、集会の開始時間ぎりぎりだった。

 主催者用の一段高い椅子に両親と座っていると、次々と来客が現れ始めた。

 オーク族と友好関係を築いている種族たち。

 エルフ族、火狐族、水精族、黒翼族、狼王族、ドワーフ族、竜人族。ここにオークを加えて八種族となる。

 村に引きこもりの俺が初めて見る種族たち。

 会う前は不安しかなかった。

 怖がられたらどうしよう、気持ち悪いと思われたらどうしよう。

 だけど、彼女たちを見て、そんな不安は消えていた。それどころじゃない……世界が変わった。灰色の世界が色づき始めた。

可愛かわいい」

 自然と声がれる。

 今回は族長の子たちも連れてこられている。

 俺の目は、女の子たちに引き寄せられた。

 エルフ族の女の子は金色のさらさらの髪に透き通るすいの目、その長い耳にしゃぶりつきたくなる。

 火狐族の女の子はピンとしたキツネ耳が可愛らしく、もふもふのしつはどこまでも愛くるしく顔をうずめて、くんかくんかしたい。

 水精族の女の子は青いシルクのような髪が美しく、はかない存在感ゆえに今すぐ抱きしめたくなった。

 黒翼族の女の子は神秘的な黒い翼を尊く思い、白いうなじから目が離せなくなった。

 あとの種族の子たちはおすだからどうでもいい。

 これが、女の子!

 村の緑豚とは違う。いいにおいがする。可愛かわいい。抱きしめたい。押し倒したい。それから、それから。

 気が付けば、ズボンの中が限界までふくらんでいた。

 あのめすたちがどうしても欲しい。

「オルク、これが女の子ですよ……今日のパーティで仲良くなれればいいですね」

 母さんの言葉にこくこくとうなずく。

 大人たちの難しい話が終われば、パーティだ。いっぱい話をしよう。今日の料理を作ったのは俺だ。

 もし、料理を気に入ってくれたらそこから会話を広げて、仲良くなって、パーティを抜け出して、それから……。



 族長集会と、その後のパーティは終わった。

 族長集会そのものは平穏に終わり、八種族は今後も仲良くしようと誓い合った。

 だけど……、俺は落ち込んでいた。

 どの女の子とも仲良くなれなかった。

 徹底的に避けられた。

 ろくに話もできないまま、彼女たちが帰るのを見送るしかなかった。

 俺は家の屋根に上り、星を見る。

 つらいときはいつもこうしていた。

 しばらくそうしていると母さんが隣に座った。

「落ち込んでいるようですね」

「女の子たちと仲良くなれなかった」

 相手にもされていない。

 仲良くなりたいのに、それ以前の問題。

「なんでだと思います?」

「俺がオークだからだ。オークは他種族の女の子に嫌われる。今まで、たくさんのオークが雌をさらったせいだ」

 そう、オークというだけで敵意を向けられる。

 あんな可愛かわいくて柔らかそうで、いいにおいがする女の子たちがいるとわかったのに、俺は彼女たちを手に入れることができない。

 こんな思いをするなら、あんな子たちがいると知りたくなかった。

「それは違いますよ。あなたが弱いからです。たしかにオークは嫌われ者です。でも、不思議な力があるんです。女の子の本能に訴える力が」

「どういうこと?」

「オルクは母さんが変態だと思っているのでしょうが、どんなめすも強い遺伝子を取り入れて、強い子を産みたいって願望はあります。そして、オークはその願望を増幅させられます。つまり、強ければ女の子にまたを開かせることができます。今日、オルクが振られたのは、オルクがオークだからじゃなく、弱いからです。オルクが強ければ、壁ドン一発で、あの子たちにオルクの子供を産みたいって思わせられました。一発ベッドインです」

 な……ん、だ……と……。

 オークすごい。オークに生まれて良かった。

 強いオークになれば、あんな可愛い子たちに子供を産ませられる。

 エルフ族の耳にしゃぶりつき、火狐族のしつに顔をうずめてくんかくんかして、水精族を抱きしめて冷たい体温を楽しみ、黒翼族の翼に包まれてうなじをめる……。

 そして、みんなをはらませる。

 オークすごい。

「俺、強くなりたい。誰よりも、どんなめすでも子供を産みたいって思わせるぐらい強いおすになりたい!」

「やっとそう言ってくれましたね。でも、いいんですか? 楽に平和に暮らして、適当に村の女の子とくっつくって言ってたじゃないですか」

「あんな綺麗で可愛かわいい女の子を知ったら、村の緑豚で妥協できない! 俺は強くなる! いい雌が欲しい。母さん、俺を強くしてくれ!」

「任せてください。この、【そうらいの勇者】が全力で最強の雄にします。成人までの四年あれば十分ですね。ふふふ、腕がなります。昔のコネを使って……」

 母さんの力は本物。

 あのごうもんじみた修業を乗り越えれば最強になれる気がする。

 かつては逃げた。

 それは、その拷問に耐えてまで強くなりたいと思えなかったからだ。

 ……しかし、こうして俺は強くなることを決意した。

 成人の日までの四年で誰よりも強くなる。

 そして、旅に出て、たくさんのいい雌を手に入れて、それから押し倒して孕ませるのだ。

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