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たけのこ

第一章 チュートリアルおじさん殺人事件 (2)

「な、なんだ?!

「兄貴がぁ!」

「きゃぁああ!!

「どうした?! なにがどうなってる?!!」

「知らねぇよ!」

「だ、誰か!!

 やっと我に返った時にはもう遅いです。そのまま一人に足を掛けて正面から引き倒し……きる前に空中で喉を貫き、未だ残ってる死体の足首を掴み投擲し、それを隠れみのに他プレイヤーの首を狩っていき、PKプレイヤーキルを続けながら駆け抜けさらに混乱を広めていきます。

「あ、アイツだ!」

「あの野郎!」

「ぶっ殺せ!!

「捕まえろ!」

 混乱するプレイヤーが大半の中で、ちらほらと対応し始めた方が出てきましたね。ベータ版からの人達でしょうか? まぁなにはともあれる事は変わりありません。既に二桁はPKしています。

「お前ら落ち着け! 場所を開けろ!」

「そのまま囲い込め!」

 冷静になった人達が周囲を落ち着かせ統率しようとしますが、焼け石に水ですね。そのままUターンし突っ込みます。

「っ! このやろ──」

 直前に気付かれましたが首を落とす事は出来ました。しかしながらその代償として二組のパーティーに囲まれてしまいましたね。

「てめぇよくも兄貴を!」

「少しおイタが過ぎるんじゃないかしら?」

「少なくとも十一人に囲まれてるんだ、大人しく死んどけ」

 前衛に剣士が三人に槍使いと斧使いが一人ずつ、後衛におそらく魔術職が四人に弓使いが二人と……動かずにいれば後衛に集中砲火を喰らい、突っ込めば前衛に数の暴力で袋叩き。時間を掛ければどんどん我に返ったプレイヤーが参戦してくるでしょう。であるならば……。

「逃走一択ですね」

「あっ! 待てこの野郎!」

 私は野郎ではないのですが、まぁ言ってもせんき事でしょう。そのまま噴水広場を走り抜け、ついでに未だに混乱してるプレイヤーと屋台を出していたNPCを殺します。

「っ! あの子まだ!」

 おっと、チラッと見たら後衛のお姉さんがすごい形相ぎょうそうしてますね、くわばらくわばら。

「シっ!!

 後衛の弓使いが放った矢を、近くにいたNPCの子供を盾にして防ぎます。

「人間か?!

 人間か?! はないでしょう。まぁ私も自分でどうだなとは思いますが。それよりもそのままその子供を背後に投げ飛ばします。

「危なっ!」

「っ! 早く回復しないとその子死んじゃう!」

 見事に前衛の剣士の一人がキャッチしました──が、子供を盾に視界をふさぎ、引き返した勢いのまま子供ごと剣士の心臓を貫き、子供を助けるために駆け寄っていたおそらく神官の女の子の首を落とします。

「ライン! チェリー!」

 ラインさんとチェリーさんというのですね。まぁ興味ないですが……そのまま叫んで私から目を離した槍使いの背後に周り込み、首を絞め上げ膝裏に蹴りを入れてじ折ります。『パギャ』という湿った音と共に槍使いのHPヒットポイントが全損するのを確認します。

 これもリアル準拠にしたからか、白目をいて口から血の泡を吹いていますね。まぁそれは置いておいて、そのまま槍使いの腹を蹴飛ばして槍を奪い後衛に投擲します。

 リスポーンする槍使いを尻目に、槍を弾くために後衛に駆け寄った二人目の剣士に突っ込みますが、目の前に大きな斧が迫ります。そのまま宙返りの要領で避け、手にしていた短刀を斧使いに投擲、見事ヘッドショットです。気持ちいいですね。

「残りは前衛の剣士二人に魔術職三人、弓使い二人ですか……」

 だんだんと街の衛兵であるNPCと混乱から立ち直ったプレイヤーが集まってきています。時間はもうそんなにありませんね……。

「ここで決めましょう……」

「っ!」

「後衛はまとまれ! 手が足らん!」

 二人しか居ない前衛など無視し、そのまま後衛に再突撃します。慌てて剣士二人が後衛に駆け寄り、後衛達も守られやすいように身を寄せたところ──で再度Uターンです。律儀に最後まで付き合う必要はありません。

「「あっ!」」

 そのまま逃げ惑う一般モブNPCに突っ込み首を飛ばしながら、街の外に向けて駆け出します。路地裏なんかは土地勘がありませんし、人混みに紛れる事も出来ないので、そのまま大通りを駆け抜け、まだなにも知らないNPCやプレイヤーを混乱に巻き込みます。

 屋台の荷台を引き倒し、通りすがりから奪った武器を投擲、運が悪いプレイヤーはヘッドショットでそのまま神殿行きです。

 たまに追いつかれそうになりますが、その度に急ブレーキから後ろにジャンプし、背を相手の腹につけ背負い投げをします。その際にプレイヤーから武器を拝借しては背後に投擲、投げ飛ばしたプレイヤーはそのまま喉を踏み潰して殺し、屋台から商品をかすめ盗っては逃亡を続けます。

 余裕がありそうなら、今後利用する人が増えるだろうポーション等必需品を販売している屋台の店主を重点的に狩っていきます。そうこうしている内にもうすぐ街の外に出れますね。

「そこの君! 止まりなさい!」

 外門が見えてきた所で門番に静止を呼び掛けられますが、無視して跳躍、頭上を跳び越え『始まりの街』から脱出成功です。


《レベルが上がりました》

《スキルポイントを獲得しました》

《カルマ値が大幅に下降しました》

《新しくせっとうスキルを獲得しました》

《新しく跳躍スキルを獲得しました》

《新しく回避スキルを獲得しました》

《新しく体術スキルを獲得しました》

《新しく暗殺術スキルを獲得しました》

《新しくめいいちげきスキルを獲得しました》

《新しくフェイントスキルを獲得しました》

《短剣術スキルのレベルが上がりました》

《不意打ちスキルのレベルが上がりました》

《軽業スキルのレベルが上がりました》

《投擲スキルのレベルが上がりました》

《歩行スキルのレベルが上がりました》

《称号:虐殺者を獲得しました》

《称号:外道を獲得しました》

《称号:略奪者を獲得しました》

《称号:犯罪者を獲得しました》


 おおう?! なんかいっぱいきましたね……。『始まりの街』から出た事で戦闘区域から離脱した判定になったのでしょうか? まぁ、今も追いかけて来てますし、そのまま目の前の南の森に逃げ込みましょう。

「待てや!」

「なぁ、これなんかのイベントか?」

「それにしては早くね? まだサービス開始二日目だぜ?」

「とりあえずアイツ捕まえればいいんだろ?」

 どうやら事情を詳しく知らないプレイヤーもこの追跡に参加してるようですね。まぁ絶対に捕まりませんが。

「さてと……」

 南の森に辿り着き、ある程度奥まった所まで進んだところで木々の陰に隠れます。そのまま私は──自分の喉を掻き切り自殺しました。


▼▼▼▼▼▼▼


 さてと、無事に神殿にリスポーン出来たようですね。なるほど綺麗ですね。中央にある像がこのゲーム世界に於ける秩序側の神、通称『なないろしん』ですか……ととっ、ゆっくり観察している余裕はないですね、私がKILLしたプレイヤーで神殿中央はごった返しています。その混乱を鎮めるために今NPCの司教自ら出張っています……丁度いいですね。

「な、なにがどうなって?!

 私はさもなにも知らぬ、たった今リスポーンした哀れな被害者の一人を装い駆け付けます──ちなみに偽装スキルを発動し髪の色を赤色に変更しています──そのままプレイヤーの中に紛れ込む事に成功します。

「皆さん落ち着いてください」

 この神殿の司教ですね。『始まりの街』はそこそこ大きい街なようなので、司教クラスがトップのようです。冷静にこの混乱を鎮めようとしています。

「おそらくの者は混沌の使者でしょう、いずれ天罰が下ります」

「混沌の使者? やっぱりイベントやクエストの一環だったのか?」

「俺が知る訳ねぇだろ」

「でも普通にプレイヤーっぽかったぞ?」

 混沌の使者とか随分な言われようですね。プレイヤーにも勘違いしてる人がいますし。まぁ、カルマ値は大分下がったみたいですし間違ってはいませんけど。詳しくは確認しないとわからないですね。

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