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ぼくは異世界で付与魔法と召喚魔法を天秤にかける

横塚司

02話 白い部屋 (2)

 スキルランクの最大値は9だという。(けん)(じゆつ)一本伸ばしの場合、レベル23でスキルランク9に到達する計算だ。

 

・レベルが上がると、それ以外にも、人間としての(かん)(じよう)さとか精神の強さみたいなのが上昇する。

 HPとMPか。ますますゲームじみている。

 

・スキルランクは、あくまでもともと存在するぼくという肉体に与えられるボーナス。

 つまりもともとぼくが剣の達人なら、(けん)(じゆつ)スキルが9の人間に勝つこともできる、かもしれない。ぼくは竹刀すら体育の授業でしか握ったことがないけれど。

 

・武器攻撃スキルは6種類。()()(せん)(とう)(けん)(じゆつ)(そう)(じゆつ)(こん)(じゆつ)、そして(しや)(げき)(とう)(てき)

 (けん)(じゆつ)スキルを持つことで、剣を持ったときの身のこなしなどもうまくなる。また、(おの)なんかも(けん)(じゆつ)スキルの(はん)(ちゆう)であるらしい。つまり切りつける武器全般か。

 同様、(そう)(じゆつ)スキルは、竹(やり)のみならず突き刺す武器全般を持ったときに効果を(はつ)()する。シャベルで戦うときはどうなのだ、と訊ねたところ、剣のように使うなら(けん)(じゆつ)スキル、平たい部分で叩くなら(こん)(じゆつ)スキル、先を(とが)らせて突き刺すなら(そう)(じゆつ)スキル、という返答があった。シャベル万能だな。

 弓もパチンコも拳銃も機関銃も(しや)(げき)スキル。(しゆ)(りゆう)(だん)やコーラの瓶を投げるのも野球のボールを投げるのも(とう)(てき)スキル。サッカーボールを蹴る場合はどうなるんだと訊ねたら、そんなスキルはないと返ってきた。

 ジャベリンなどの(とう)(てき)にも使える(やり)を投げるときはどうなのだ、と訊ねた。こういった場合、(そう)(じゆつ)スキルでも(とう)(てき)スキルでもOKとのこと。シャベルとの違いが微妙なところだなあ。ダガーを投げたり、()(おの)を投げたりする場合も同様とのこと。

 

・ぼくが殺した生き物は、現地でオークと呼ばれるモンスター。

 現地ってなんだ。

 モンスターってなんだよチクショウ。

 

・魔法とは、マナというものを使って火をおこしたり風をおこしたりする技術。

 なんだよマナって。ファンタジーかよ。

 ……うん、ファンタジーだな。クレイジーだ。

 

・魔法スキルは、7種類。地水火風の4種類に、()()魔法と(しよう)(かん)魔法、それと()(りよう)魔法。

 スキルごとに違う魔法が用意されている、らしい。ひとつのランクにつき4つの魔法が用意されていて、ランクを上げるだけで自動的に使えるようになる。

 

・そのほかにも、以下のようなスキルが存在する。肉体、運動、(てい)(さつ)、音楽。

 肉体スキルは、筋肉増強剤みたいなもの。重いものも持てるようになる。身の丈よりでかい剣とか振りまわせるってことだろう。

 運動スキルは、身軽に動いたり、高くジャンプしたりできるらしい。足のはやさそのものは変化しないけど、瞬発力は上がるみたいだ。

 (てい)(さつ)スキルは、隠密行動をとったり、遠くの音を聞き分けたり、遠くのものを見たりするスキル。つまりレンジャー隊員に必要な能力とかすべてひっくるめているのか。

 音楽スキルは、音感がよくなり歌がうまくなるらしい。歌で巨人を従えたりできるなら一考するけど、どうやらそういったわけでもないとのこと。よくわからん。

 

・こんなものを用意した存在に関する質問には、なにひとつ回答なし。

 クレイジー極まりない。

 

・なぜぼくがレベルやスキルなんてものを与えられたのか、という質問に対しては、これからのぼくに必要だから、という返答が返ってきた。

 そうかい、そうかい。勇者にでもなれってのかい。お断りだ。

 

・これは夢ではなく現実らしい。

 最悪である。

 

・死んだら()(せい)する方法はない。

 最悪すぎる。

 

 なぜぼくがスキルを得る必要があるかとか、今後とはなにかとか、マナとかモンスターとか()(おん)(とう)な単語は、ひとまずすべて横に置いておこう。

 なにせ情報が足りない。いろいろ考察できることはあるけど、いまそれをしても仕方がない。

 いま重要なのは、ぼくがスキルを得られるということだ。

 そしていまを逃すと、次にスキルを得られるのはレベルアップしたとき。

 レベルアップするためには、あのオークとかいうモンスターを倒さなきゃいけない。

 スキルがなきゃ、そんなの無理ゲーだ。

 よって、スキルについてまとめる。

 現在、PCの画面に表示されているスキルは、以下ですべてだ。

 

・物理:()()(せん)(とう)(けん)(じゆつ)(そう)(じゆつ)(こん)(じゆつ)(しや)(げき)(とう)(てき)

・魔法:()()(ほう)、水魔法、火魔法、(かぜ)()(ほう)()()魔法、(しよう)(かん)魔法、()(りよう)魔法

・その他:肉体、運動、(てい)(さつ)、音楽

 

 合計で17個のスキルからひとつ、あるいはふたつを選んで、ランク1にしなければならない。ポイントは使いきらなくてもいいとのこと。

 ぼくは熟考し、さらにいくつかの質問を行った。

 さらに思案を重ねた。これでもかというくらい、頭をひねった。

 

 この部屋に来てから何時間が経ったか、わからない。お腹はすかなかった。(のど)(かわ)きすら覚えなかった。なんかもうそういう部屋なんだろう。知ったことか。

 ぼくは、ついに決意して、ノートPCの前に立つ。

 スキルリストから、ふたつのスキルを選んで、ランク1にする。

 

 和久:レベル1 ()()魔法0→1/(しよう)(かん)魔法0→1 スキルポイント2→0

 

 決定のボタンにカーソルを合わせ、エンターキーを押した。

 次の瞬間、ぼくの身体は森のなかに戻っていた。

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