愛を謳うために恋をする
新しい ―莉翔side―
「病める時も、健やかなるときも、死が二人を別つともこれを愛すと誓いますか?」
「誓います。」
澄み切った空気と、どこまでも続く青い空。二人だけの瞬間にはもはや周りの音など聞こえない。それまでに二人は互いのことを深く愛し、また、深く想っていた。この物語はそんな二人のほんの少しだけ昔の物語である。
春。世間では年度が替わり新しい1年が始まる節目の季節である。開星(かいせい)高等学校に入学した長久保莉翔(ながくぼましょう)は大きな期待を抱いて、また大きな不安を抱いて校門をくぐった。
莉翔はスポーツ推薦で開星に入学した逸材である。というのも、開星はバスケットボールが関東常連程度の強さの学校である。それに対し莉翔は小学時代こそクラブチームでベンチスタートだったものの、中学で違うクラブチームに行くとそのチームの環境が良かったのか県大会ではMVP、関東大会では準決勝で延長戦で決勝ゴールを決めるなど、とてもいい成績を残した。そのうわさが開星高校バスケットボール部の顧問の耳にも入り関東大会決勝戦を観戦し、スカウトすることを決めた。
「入学式、お疲れさまでした。改めまして、担任の後藤力也(ごとうりきや)です。よろしく。」
20~30歳ぐらいのさわやかで印象のいい男性が莉翔の担任の後藤先生だ。莉翔は後藤先生のことを知っていた。後藤先生は莉翔が関東大会の決勝戦を見に来ていたバスケ部の顧問だったからである。
「みんな知っている通り、この学校はスポーツが盛んだ。明日の新入生オリエンテーションで先輩たちから部活の説明があるから、自分に合った部活を見つけてぜひ入ってほしいと思う。」
「え、何部入る?」
「やっぱりバスケ部じゃね?」
「野球部もありじゃね?」
もうすでに仲のいいグループができたのか、はたまた同じ中学校なのか、何人かが部活の話をしている中、莉翔は中学と一緒のクラブで一般入学してきた友人の永島一心(ながしまいっしん)と同じ話題で話している。
「おい、莉翔。お前は何部入るの?」
「推薦だからバスケ部しか入れねぇよ。」
「あ、そっかぁ!」
一心はそういえばそうじゃん、と言いながら明るく笑っている。
「逆に、一心は何部入る?バスケ続ける?」
「んー。莉翔がいるんだったらもう三年だけバスケ続けてみようかなぁ。」
そう言いながら一心は莉翔の方を見る。
「また、関東優勝しようぜ!相棒!」
莉翔の肩を抱きながら一心は笑顔で言う。
「おう、相棒!」
莉翔もまた笑いながらそう答えた。
入学してから2日目。この日は新入生オリエンテーションがあり、莉翔たち1年生は先輩たちの話を一部は真面目に、一部は近くの人と話しながら聞いていた。莉翔はというと、後者の方である。出席番号が1個違いの一心と話していた。先輩の話はと言うと大事なところ以外は流しながら聞いている。
「続いて、バスケットボール部です。お願いします。」
「バスケ部の紹介は聞いておこうぜ。」
莉翔が一心に言い二人は真剣に聞く気になる。
「バスケットボール部部長の出口斗愛(でぐちとあ)です。」
いかにも高身長イケメンという言葉が似合う3年の先輩が出てきた。
「顧問は後藤先生です。練習は毎週水曜日が休み。1日の練習量は5時間程度です。部員数は約70人。1軍、2軍、3軍とあります。でも試合や日々の練習を頑張れば試合に出れるチャンスがあります。知っている人もいると思いますが我が校のバスケ部は夏にある総体、秋から冬にかけてあるウィンターカップ、冬にある新人戦でほぼ毎年関東大会に出ています。なので練習時間が長く、内容も少し厳しい練習内容になっています。しかし、誰でも頑張れば関東の舞台に出ることができます!皆さんも一緒に関東を目指しませんか?ありがとうございました。」
一年生たちが拍手をする。莉翔も一心も同じように拍手をする。
「部長の先輩、めっちゃかっこよかったくね⁈マネージャーとして入ろうかなぁ。」
「え、私もそれ思ってた 一緒にバスケ部入ろ?」
一部の女子たちがそんな話をしているのに対して
「練習量結構多くね?しかも休み1日だけでしょ?キツいわ~」
「それな。バスケ部かっこいいから入ろうかなって思ったけど、さすがにあれはね~」
「いやいや、関東常連だったらまだ易しい方だと思うけどな。」
と、言うような話をしている。周りがざわざわしている中、莉翔と一心は
「クラブチームのころと比べたらだいぶ楽だな。これなら全然耐えられるな、莉翔。」
「あの頃はきつかったからな。でも思ったよりも楽だったな。じゃあ、一心もバスケ部確定ね。」
笑いながら一心に言うと
「別に練習きつくても入るつもりだったよ。」
と、一心も笑いながら言う。
二人が楽だ、と言っているのはそれだけクラブチームの練習がきつかったということだが、その話はまたの機会で…
「以上で新入生オリエンテーションを終わります。」
それ以降は莉翔と一心は話もほぼ聞かず、新入生オリエンテーションが終わった。周りでは何部に入ろうかな、何部よかったくね?、何部一緒に入ろうよ、のような話が聞こえてくる。
「明日からもう見学行くでしょ?」
「いや、推薦で入った人はもう明日から練習なんだよね。」
「え、キツ!明日の見学一緒に行こうと思ったのに」
少し残念そうに一心が言う。
「見学くれば、いるから。できたら一緒にバスケしようぜ。」
そう莉翔が言うと一心も納得したように
「そうだな。そうするか!」
と笑顔で言う。二人は教室に戻りながらそんな話をして、入学2日目が終わっていった。
「誓います。」
澄み切った空気と、どこまでも続く青い空。二人だけの瞬間にはもはや周りの音など聞こえない。それまでに二人は互いのことを深く愛し、また、深く想っていた。この物語はそんな二人のほんの少しだけ昔の物語である。
春。世間では年度が替わり新しい1年が始まる節目の季節である。開星(かいせい)高等学校に入学した長久保莉翔(ながくぼましょう)は大きな期待を抱いて、また大きな不安を抱いて校門をくぐった。
莉翔はスポーツ推薦で開星に入学した逸材である。というのも、開星はバスケットボールが関東常連程度の強さの学校である。それに対し莉翔は小学時代こそクラブチームでベンチスタートだったものの、中学で違うクラブチームに行くとそのチームの環境が良かったのか県大会ではMVP、関東大会では準決勝で延長戦で決勝ゴールを決めるなど、とてもいい成績を残した。そのうわさが開星高校バスケットボール部の顧問の耳にも入り関東大会決勝戦を観戦し、スカウトすることを決めた。
「入学式、お疲れさまでした。改めまして、担任の後藤力也(ごとうりきや)です。よろしく。」
20~30歳ぐらいのさわやかで印象のいい男性が莉翔の担任の後藤先生だ。莉翔は後藤先生のことを知っていた。後藤先生は莉翔が関東大会の決勝戦を見に来ていたバスケ部の顧問だったからである。
「みんな知っている通り、この学校はスポーツが盛んだ。明日の新入生オリエンテーションで先輩たちから部活の説明があるから、自分に合った部活を見つけてぜひ入ってほしいと思う。」
「え、何部入る?」
「やっぱりバスケ部じゃね?」
「野球部もありじゃね?」
もうすでに仲のいいグループができたのか、はたまた同じ中学校なのか、何人かが部活の話をしている中、莉翔は中学と一緒のクラブで一般入学してきた友人の永島一心(ながしまいっしん)と同じ話題で話している。
「おい、莉翔。お前は何部入るの?」
「推薦だからバスケ部しか入れねぇよ。」
「あ、そっかぁ!」
一心はそういえばそうじゃん、と言いながら明るく笑っている。
「逆に、一心は何部入る?バスケ続ける?」
「んー。莉翔がいるんだったらもう三年だけバスケ続けてみようかなぁ。」
そう言いながら一心は莉翔の方を見る。
「また、関東優勝しようぜ!相棒!」
莉翔の肩を抱きながら一心は笑顔で言う。
「おう、相棒!」
莉翔もまた笑いながらそう答えた。
入学してから2日目。この日は新入生オリエンテーションがあり、莉翔たち1年生は先輩たちの話を一部は真面目に、一部は近くの人と話しながら聞いていた。莉翔はというと、後者の方である。出席番号が1個違いの一心と話していた。先輩の話はと言うと大事なところ以外は流しながら聞いている。
「続いて、バスケットボール部です。お願いします。」
「バスケ部の紹介は聞いておこうぜ。」
莉翔が一心に言い二人は真剣に聞く気になる。
「バスケットボール部部長の出口斗愛(でぐちとあ)です。」
いかにも高身長イケメンという言葉が似合う3年の先輩が出てきた。
「顧問は後藤先生です。練習は毎週水曜日が休み。1日の練習量は5時間程度です。部員数は約70人。1軍、2軍、3軍とあります。でも試合や日々の練習を頑張れば試合に出れるチャンスがあります。知っている人もいると思いますが我が校のバスケ部は夏にある総体、秋から冬にかけてあるウィンターカップ、冬にある新人戦でほぼ毎年関東大会に出ています。なので練習時間が長く、内容も少し厳しい練習内容になっています。しかし、誰でも頑張れば関東の舞台に出ることができます!皆さんも一緒に関東を目指しませんか?ありがとうございました。」
一年生たちが拍手をする。莉翔も一心も同じように拍手をする。
「部長の先輩、めっちゃかっこよかったくね⁈マネージャーとして入ろうかなぁ。」
「え、私もそれ思ってた 一緒にバスケ部入ろ?」
一部の女子たちがそんな話をしているのに対して
「練習量結構多くね?しかも休み1日だけでしょ?キツいわ~」
「それな。バスケ部かっこいいから入ろうかなって思ったけど、さすがにあれはね~」
「いやいや、関東常連だったらまだ易しい方だと思うけどな。」
と、言うような話をしている。周りがざわざわしている中、莉翔と一心は
「クラブチームのころと比べたらだいぶ楽だな。これなら全然耐えられるな、莉翔。」
「あの頃はきつかったからな。でも思ったよりも楽だったな。じゃあ、一心もバスケ部確定ね。」
笑いながら一心に言うと
「別に練習きつくても入るつもりだったよ。」
と、一心も笑いながら言う。
二人が楽だ、と言っているのはそれだけクラブチームの練習がきつかったということだが、その話はまたの機会で…
「以上で新入生オリエンテーションを終わります。」
それ以降は莉翔と一心は話もほぼ聞かず、新入生オリエンテーションが終わった。周りでは何部に入ろうかな、何部よかったくね?、何部一緒に入ろうよ、のような話が聞こえてくる。
「明日からもう見学行くでしょ?」
「いや、推薦で入った人はもう明日から練習なんだよね。」
「え、キツ!明日の見学一緒に行こうと思ったのに」
少し残念そうに一心が言う。
「見学くれば、いるから。できたら一緒にバスケしようぜ。」
そう莉翔が言うと一心も納得したように
「そうだな。そうするか!」
と笑顔で言う。二人は教室に戻りながらそんな話をして、入学2日目が終わっていった。
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