殺人犯ですが助けてください、呪われたクソゲーがクリアできません!チャンネル登録お願いします
10-3.Review
俺が名前も覚えていない視聴者たちが一斉に動き出していた。
リーダーもいないのに見事なチームワークで作業が進んでいく。
後で知ったことだが、ドクターキリコがwikiに情報集約用のページを作り、作業プロトコルを構築していたらしい。
じ、地味に有能なやつめ……!
「す、すごい、wikiが続々と埋まっていきますよ!」
「いける……これなら、いける!」
そうして、わずか15分後には、4000の項目のうち1000を超える日報の内容がwikiにまとめられた。
それを確認すると、やはりだ。
「子供の泣き声を聞いた、という報告が2件、警備員が業務中に失踪した件が1件……」
ニラネギが睨んだ通りだった。
この怪異は今日突発的に発生したものではなく、以前より、このビルで認知されていたのだ。
さらにニラネギが何かに気付いたようだ。
「日付を見て下さい。いずれも8月31日に発生してます。ゲーム中の今日の日付も8月31日。明らかに周期性があります。これは重要な情報です。だから、若色さん……」
ニラネギの助言に従い、俺はまだ確認されていない日報の中から、8月31日だけを選んで選択していった。
すると、これもビンゴだ……。
各年の8月31日に「泣き声」「失踪」の報告が集中していた。
最も古い「泣き声」の記録は昭和67年の8月31日のものだった。
「若色さん、この最古の記録から一日ずつ先に進んで確認して下さい。私のカンでは、この"泣き声"はオリジナルです」
「オリジナル?」
「当時、生存していた本物の赤ちゃんということです。おそらく、この後に事件が発覚する流れです」
ニラネギの分析が光る。
流石は専門家、伊達にホラーオタクやってないな!
この年の9月1日から先を確認していくと……またビンゴだ!
9月8日の日報にて新聞の切り抜きと共に、問題の「事件」が報告されていた。
発生していたのは遺棄事件だ。
今は"開かずのテナント"となっているその場所は、当時、中華レストラン店舗が入っていた。
9月8日にレストラン店長が警備員に腐敗臭を訴える。
確認したところ、天井裏から生後二日の赤ちゃんの死体が発見された。
そこで監視カメラを確認したところ、8月31日深夜に女性がベビーカーを押してテナント内に侵入する姿が映っていた。
警察の調べによると、この女性は既に首吊り自殺していたという。
よし、怪異の謎が見えてきた。
これは大きな進捗だ。
そう思って俺が日報を閉じた、その時だ――!
「うっ、うわあああああぁあ!!」
「きゃあああああっっ!」
「ひいぃぃいいいィィ!!!」
俺と古賀さんとニラネギが同時に絶叫を上げた。
日報を閉じた瞬間に、画面いっぱいに恐ろしい女の画像がバカデカい音と共に飛び出してきたのだ。
完全に油断してた!
ていうか、こういうビビらせるためだけの演出、ジャンプスケアっていうのか?
ホントやめてくれよ!
心臓に悪いし、俺、こういう演出、好きじゃないんだよなぁ……。
迷惑千万な女の画像が消えた後、テロレロレロレー、というジングルが鳴り響いた。
「『あなたたちは重要な手がかりを得ましたよ』という意味ですかね?」
と、古賀さん。
「たぶん……。じゃあ、今回の怪異は、このお母さんと赤ちゃんが引き起こしたってことでいいのかな?」
「そうっぽいですけど……。でもだとすると、明らかに怪しいこのヒロインは何なんですかね?」
「さ、さあ……?」
ヒロインの英賀が、この「お母さん」だったりするのか?
いやでも、警察の調べでは首吊り自殺してたはずだし……。
流石に死んだ人が毎日出勤してこないよな……。
あ、ひょっとして、この赤ちゃんの姉とか?
とにかく、何か関係はあるはずなんだよな……。
俺たちが考えてる一方、画面の中では主人公が急に、「開かずのテナントに行こう」「悲しみの連鎖にケリをつけるんだ!」などと言い出し始めた。
……いや、待ってくれ?
え?
なに?
なんで「これでもう怪異の真相は全て分かりましたね?」「後は解決するだけですね?」
みたいな空気出してんの?
いや、分からんて。
怪異の方は想像は付くけど、解決法は全然分からん。
あと二つか三つくらい、提示すべき情報を忘れてるんじゃないか?
ひとまず言われるままに、英賀隠岐子を連れて、"開かずのテナント"へと向かって行くが、一体どうすれば良いのだろう。
このまま無策で乗り込んでも、また呪われてゲームオーバーだよな……。
「せ、整理しましょう」
隣で俺と一緒に呆然としていた古賀さんが言った。
彼女はコメント欄での考察をざっと読んでから一人で頷いた。
「やはり、母子の幽霊という説が濃厚ですね」
「そこは素直にそれな気がするな。天井裏で襲ってきた黒いビニール袋は赤ちゃんの幽霊か?」
「でしょうね。非常階段を降りていて発生する首吊りエンドあるじゃないですか」
ああ、あった。
非常階段を降りて脱出しようとすると、なぜか首吊り縄に引っかかってゲームオーバーになるんだよな。
「じゃあ、あれが母親の霊の仕業ってことか。確か、母親も首吊り自殺してたよな。……って、待てよ?」
俺の頭の中にハッと閃くものがあった。
リーダーもいないのに見事なチームワークで作業が進んでいく。
後で知ったことだが、ドクターキリコがwikiに情報集約用のページを作り、作業プロトコルを構築していたらしい。
じ、地味に有能なやつめ……!
「す、すごい、wikiが続々と埋まっていきますよ!」
「いける……これなら、いける!」
そうして、わずか15分後には、4000の項目のうち1000を超える日報の内容がwikiにまとめられた。
それを確認すると、やはりだ。
「子供の泣き声を聞いた、という報告が2件、警備員が業務中に失踪した件が1件……」
ニラネギが睨んだ通りだった。
この怪異は今日突発的に発生したものではなく、以前より、このビルで認知されていたのだ。
さらにニラネギが何かに気付いたようだ。
「日付を見て下さい。いずれも8月31日に発生してます。ゲーム中の今日の日付も8月31日。明らかに周期性があります。これは重要な情報です。だから、若色さん……」
ニラネギの助言に従い、俺はまだ確認されていない日報の中から、8月31日だけを選んで選択していった。
すると、これもビンゴだ……。
各年の8月31日に「泣き声」「失踪」の報告が集中していた。
最も古い「泣き声」の記録は昭和67年の8月31日のものだった。
「若色さん、この最古の記録から一日ずつ先に進んで確認して下さい。私のカンでは、この"泣き声"はオリジナルです」
「オリジナル?」
「当時、生存していた本物の赤ちゃんということです。おそらく、この後に事件が発覚する流れです」
ニラネギの分析が光る。
流石は専門家、伊達にホラーオタクやってないな!
この年の9月1日から先を確認していくと……またビンゴだ!
9月8日の日報にて新聞の切り抜きと共に、問題の「事件」が報告されていた。
発生していたのは遺棄事件だ。
今は"開かずのテナント"となっているその場所は、当時、中華レストラン店舗が入っていた。
9月8日にレストラン店長が警備員に腐敗臭を訴える。
確認したところ、天井裏から生後二日の赤ちゃんの死体が発見された。
そこで監視カメラを確認したところ、8月31日深夜に女性がベビーカーを押してテナント内に侵入する姿が映っていた。
警察の調べによると、この女性は既に首吊り自殺していたという。
よし、怪異の謎が見えてきた。
これは大きな進捗だ。
そう思って俺が日報を閉じた、その時だ――!
「うっ、うわあああああぁあ!!」
「きゃあああああっっ!」
「ひいぃぃいいいィィ!!!」
俺と古賀さんとニラネギが同時に絶叫を上げた。
日報を閉じた瞬間に、画面いっぱいに恐ろしい女の画像がバカデカい音と共に飛び出してきたのだ。
完全に油断してた!
ていうか、こういうビビらせるためだけの演出、ジャンプスケアっていうのか?
ホントやめてくれよ!
心臓に悪いし、俺、こういう演出、好きじゃないんだよなぁ……。
迷惑千万な女の画像が消えた後、テロレロレロレー、というジングルが鳴り響いた。
「『あなたたちは重要な手がかりを得ましたよ』という意味ですかね?」
と、古賀さん。
「たぶん……。じゃあ、今回の怪異は、このお母さんと赤ちゃんが引き起こしたってことでいいのかな?」
「そうっぽいですけど……。でもだとすると、明らかに怪しいこのヒロインは何なんですかね?」
「さ、さあ……?」
ヒロインの英賀が、この「お母さん」だったりするのか?
いやでも、警察の調べでは首吊り自殺してたはずだし……。
流石に死んだ人が毎日出勤してこないよな……。
あ、ひょっとして、この赤ちゃんの姉とか?
とにかく、何か関係はあるはずなんだよな……。
俺たちが考えてる一方、画面の中では主人公が急に、「開かずのテナントに行こう」「悲しみの連鎖にケリをつけるんだ!」などと言い出し始めた。
……いや、待ってくれ?
え?
なに?
なんで「これでもう怪異の真相は全て分かりましたね?」「後は解決するだけですね?」
みたいな空気出してんの?
いや、分からんて。
怪異の方は想像は付くけど、解決法は全然分からん。
あと二つか三つくらい、提示すべき情報を忘れてるんじゃないか?
ひとまず言われるままに、英賀隠岐子を連れて、"開かずのテナント"へと向かって行くが、一体どうすれば良いのだろう。
このまま無策で乗り込んでも、また呪われてゲームオーバーだよな……。
「せ、整理しましょう」
隣で俺と一緒に呆然としていた古賀さんが言った。
彼女はコメント欄での考察をざっと読んでから一人で頷いた。
「やはり、母子の幽霊という説が濃厚ですね」
「そこは素直にそれな気がするな。天井裏で襲ってきた黒いビニール袋は赤ちゃんの幽霊か?」
「でしょうね。非常階段を降りていて発生する首吊りエンドあるじゃないですか」
ああ、あった。
非常階段を降りて脱出しようとすると、なぜか首吊り縄に引っかかってゲームオーバーになるんだよな。
「じゃあ、あれが母親の霊の仕業ってことか。確か、母親も首吊り自殺してたよな。……って、待てよ?」
俺の頭の中にハッと閃くものがあった。

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