殺人犯ですが助けてください、呪われたクソゲーがクリアできません!チャンネル登録お願いします
4-1.逃亡
昭和84年9月2日21時54分 ――配信開始後、約1時間半経過――
コメント欄に現れたその四文字を見た瞬間、俺の思考は完全にフリーズして、視界は真っ白になっていた。
「庵藤圭司」
なんで? なんで? なんで? なんで?
どういうことなの、何を知ってるの、どこまで知ってるの、何から何まで知ってるの??
ていうか、お前誰?
俺は書き込み主のハンドルネームを確認するが……
「名無し」
何も分からない!
明らかに捨てアカウント!
何も分からないが、しかし、これは即座の対応を要求される状況だった。
俺はそう判断し、咄嗟の行動に出た。
「わああ~! 懐かしい名前!」
これが正解だったのかどうか俺には分からないし、自信も一切なかった。
けれど、この文字列が出てきたのに一切触れずにスルーするのも、それはそれで不自然だと判断したのだ。
「庵藤圭司! 子供の頃、めっちゃ仲良かった友達です。アイツ、元気してるかな~?」
死んでる。
ソイツは俺の足下でメッチャ死んでる。
「名無しさんは地元の友達かな? でも、相手に迷惑かもなので個人名は出さないでねー」
俺は明るくそう言って話題を切り上げた。
よ、よし……!
これでなんとなく「アンドウに触れるのはダメ」という雰囲気が出せたはずだ、たぶん……。
このまま「アンドウ」の件はガン無視してゲームを進めるしかない!
そのためには……とにかく今は話題を変えよう。
俺は慌ててスタートボタンを押した。
実況だ、ゲーム実況するぞ!
あッ、クソ! オープニング! 相変わらずスキップ不可!
クソッ、もう何回も見てるので何一つコメントすることがない!
カス! クソゲー! 俺は今すぐ話題を変えたいのに!!
藁にもすがる思いでコメント欄をチラ見する。
おおっ、そこには救いの神が……!
こ、これだ!!
「苦手な食べ物ってなんですか?」
ヘルアネゴさんから、この上なく無害なナイス質問が飛び込んでいる!
やった!
これだ、助かった!
俺は獲物に飛びつくカエルのように前のめりで答えた。
「ないです! 苦手な食べ物、実は全然ないんですよ~! 子供の頃は卵アレルギーだったんですけど今はもう治ってますし、むしろ好物です! 差し入れとかなんでも大歓迎。特にプリンとか嬉しいですね~!」
だが――、
「うそつき」
……ん? んん??
ヘルアネゴからの即リプ四文字を見た瞬間、冷たい感覚が俺の身体を走り抜けた。
エッ、俺、何か……やっちゃい、ました……?
コメント欄を見ると他の人達も大いにざわついている……。
「あれ? おかしいな、若色さんて……」
「お蕎麦、食べれないんだよね?」
「重度の蕎麦アレルギーって話」
「前に自分で言ってたよな?」
「そうそう。年末に視聴者から贈られてきた高級蕎麦を、ごめんなさい食べれないので他の人に渡します、って」
エッ……?
あ、蕎麦?
えっ、蕎麦て、もしかして、こないだ庵藤からもらった蕎麦って、エッ、え、えッ? そ、そういう流れだった、の……?
ちょ……!
ちょっと待ってくれよ、庵藤! お前……何を勝手に!
若色涼太を蕎麦アレルギーにしてるんだよ!
今後、蕎麦関係の仕事が来なくなるじゃねえか。
えっ!
ていうか、待って。
古賀さんが「お蕎麦の仕事来てたけど断っときましたからね~」とか言ってたの、あれってもしかして。
えっ、そ、そういう……!?
うぎゃあああっっ!!!
俺の仕事が一つ亜空間に消えた!
庵藤てめえふざけんな!
あ、いや、いやいや、今はそういう問題じゃなくって!
ええっと……え、これ、ど、どうしよう……。
「あ……! そうそう! そう、うん、蕎麦だけは! 蕎麦だけダメなんだよね~、エヘヘヘ。いやもう蕎麦はマジでダメ過ぎて俺くらいの蕎麦アレルギーとなると、もはや認識すら不可能というか、蕎麦という概念すら忘れかける程で……」
く、苦しい!
我ながらクソ苦しい!!
いやもうこれムリだろ!
自首!
今すぐ自首したい~~ッ!!
そんな俺の思いを読み取ったかのように、ほらきた!
古賀さんからのメールだ!
あの人、なんで俺の気持ちを読み切ってるの!?
「あとほんの少しですから! ガンバッテ!」
いやいやいや、ムリ!
もうムリですよ!
ていうか、ここから死体を隠してどうにかなるんですか!?
俺もうボロ出しすぎですよ!!
こんな隙だらけの犯人、どんなミステリーにも存在しないよ!
人類史上、最弱の犯人だよ!
実際、俺が犯人としてボロクソなのはコメント欄を見ても明らかだった。
「今日ヘンじゃね?」
「若色さん、おかしいよね」
「ゲーム、巧すぎるし」
「アンドウって結局誰だ?」
「若色さん、二人いるんじゃないww」
「双子の兄弟が配信してる説」
「俺は殺人鬼成り代わり説の方が好き」
「じゃあ、双子の兄弟が殺人鬼ってことでww」
や、やめろ!
真実をかすめるような推理はやめろ!
俺をこれ以上苦しめるな!
「そういえばさ、今日って重大発表あるんだよね」
「あー、もしかして、それと何か関係が?」
「重大発表マダー?」
は……???
コメント欄に現れたその四文字を見た瞬間、俺の思考は完全にフリーズして、視界は真っ白になっていた。
「庵藤圭司」
なんで? なんで? なんで? なんで?
どういうことなの、何を知ってるの、どこまで知ってるの、何から何まで知ってるの??
ていうか、お前誰?
俺は書き込み主のハンドルネームを確認するが……
「名無し」
何も分からない!
明らかに捨てアカウント!
何も分からないが、しかし、これは即座の対応を要求される状況だった。
俺はそう判断し、咄嗟の行動に出た。
「わああ~! 懐かしい名前!」
これが正解だったのかどうか俺には分からないし、自信も一切なかった。
けれど、この文字列が出てきたのに一切触れずにスルーするのも、それはそれで不自然だと判断したのだ。
「庵藤圭司! 子供の頃、めっちゃ仲良かった友達です。アイツ、元気してるかな~?」
死んでる。
ソイツは俺の足下でメッチャ死んでる。
「名無しさんは地元の友達かな? でも、相手に迷惑かもなので個人名は出さないでねー」
俺は明るくそう言って話題を切り上げた。
よ、よし……!
これでなんとなく「アンドウに触れるのはダメ」という雰囲気が出せたはずだ、たぶん……。
このまま「アンドウ」の件はガン無視してゲームを進めるしかない!
そのためには……とにかく今は話題を変えよう。
俺は慌ててスタートボタンを押した。
実況だ、ゲーム実況するぞ!
あッ、クソ! オープニング! 相変わらずスキップ不可!
クソッ、もう何回も見てるので何一つコメントすることがない!
カス! クソゲー! 俺は今すぐ話題を変えたいのに!!
藁にもすがる思いでコメント欄をチラ見する。
おおっ、そこには救いの神が……!
こ、これだ!!
「苦手な食べ物ってなんですか?」
ヘルアネゴさんから、この上なく無害なナイス質問が飛び込んでいる!
やった!
これだ、助かった!
俺は獲物に飛びつくカエルのように前のめりで答えた。
「ないです! 苦手な食べ物、実は全然ないんですよ~! 子供の頃は卵アレルギーだったんですけど今はもう治ってますし、むしろ好物です! 差し入れとかなんでも大歓迎。特にプリンとか嬉しいですね~!」
だが――、
「うそつき」
……ん? んん??
ヘルアネゴからの即リプ四文字を見た瞬間、冷たい感覚が俺の身体を走り抜けた。
エッ、俺、何か……やっちゃい、ました……?
コメント欄を見ると他の人達も大いにざわついている……。
「あれ? おかしいな、若色さんて……」
「お蕎麦、食べれないんだよね?」
「重度の蕎麦アレルギーって話」
「前に自分で言ってたよな?」
「そうそう。年末に視聴者から贈られてきた高級蕎麦を、ごめんなさい食べれないので他の人に渡します、って」
エッ……?
あ、蕎麦?
えっ、蕎麦て、もしかして、こないだ庵藤からもらった蕎麦って、エッ、え、えッ? そ、そういう流れだった、の……?
ちょ……!
ちょっと待ってくれよ、庵藤! お前……何を勝手に!
若色涼太を蕎麦アレルギーにしてるんだよ!
今後、蕎麦関係の仕事が来なくなるじゃねえか。
えっ!
ていうか、待って。
古賀さんが「お蕎麦の仕事来てたけど断っときましたからね~」とか言ってたの、あれってもしかして。
えっ、そ、そういう……!?
うぎゃあああっっ!!!
俺の仕事が一つ亜空間に消えた!
庵藤てめえふざけんな!
あ、いや、いやいや、今はそういう問題じゃなくって!
ええっと……え、これ、ど、どうしよう……。
「あ……! そうそう! そう、うん、蕎麦だけは! 蕎麦だけダメなんだよね~、エヘヘヘ。いやもう蕎麦はマジでダメ過ぎて俺くらいの蕎麦アレルギーとなると、もはや認識すら不可能というか、蕎麦という概念すら忘れかける程で……」
く、苦しい!
我ながらクソ苦しい!!
いやもうこれムリだろ!
自首!
今すぐ自首したい~~ッ!!
そんな俺の思いを読み取ったかのように、ほらきた!
古賀さんからのメールだ!
あの人、なんで俺の気持ちを読み切ってるの!?
「あとほんの少しですから! ガンバッテ!」
いやいやいや、ムリ!
もうムリですよ!
ていうか、ここから死体を隠してどうにかなるんですか!?
俺もうボロ出しすぎですよ!!
こんな隙だらけの犯人、どんなミステリーにも存在しないよ!
人類史上、最弱の犯人だよ!
実際、俺が犯人としてボロクソなのはコメント欄を見ても明らかだった。
「今日ヘンじゃね?」
「若色さん、おかしいよね」
「ゲーム、巧すぎるし」
「アンドウって結局誰だ?」
「若色さん、二人いるんじゃないww」
「双子の兄弟が配信してる説」
「俺は殺人鬼成り代わり説の方が好き」
「じゃあ、双子の兄弟が殺人鬼ってことでww」
や、やめろ!
真実をかすめるような推理はやめろ!
俺をこれ以上苦しめるな!
「そういえばさ、今日って重大発表あるんだよね」
「あー、もしかして、それと何か関係が?」
「重大発表マダー?」
は……???
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