私服の時間

清水レモン

みえかくれする

高音域を歌う姿は協調性のかけらもないが
きみだからこそのキラメキを放ってる
しらばっくれて
ちらり視線こっち
ぼくがなにも気づかないとでも?
砂丘の斜面が崩れるより早く駆けよう

じわじわじわる汗しずく肌を伝い
遠回りするつもりで逢いに来た
ぐるぐるぐるる風つむぐ肩でかすみ

蠱惑的こわくてきとても蠱惑的こわくてきとても蠱惑的こわくてきすぎて
蠱惑的こわくてきとても蠱惑的こわくてきとても蠱惑的こわくてきすぎる
まっしろなサマードレスふわりふわりひるがえるとき
ぼくは絶対に見逃さないさ

厚恩遺棄こうおんいきで情け無用つまり人でなし
街を追われて差彷徨さまよう魂のイラダチが
ぼくの本性か?
それは本当か
けれど人を人と見ない環境なら
意識の変性が日常だと感じるよ

ぐるぐるぐるる風つむぐ視線かすみ
影が暗いのは陽射しのせい
まばゆすぎて
ふつうにあけてなんかいられない

とじるよ
まぶた
その瞬間
手をつないだ

魅力的とても魅力的とても魅力的すぎて
魅力的とても魅力的とても魅力的すぎる
ちいさなリボンのアクセントに息を止めて
ぼくは絶対に目に焼きつける

首すじ
胸元むなもと
ぼくの視線が耐えがたいのなら
いつでも逃げていいように
指と指のからみは弱々しくしとく


はなれた
と思った次の瞬間
なんの力も感じないまま強烈につかまった
磁石が砂鉄を引き寄せるみたいに

魅惑的とても魅惑的とても魅惑的すぎて
魅惑的まさに魅惑的まさに魅惑的すぎる

丘いちばん怖い場所の通称・世界樹
きみはドレスを枝にかけて
天女の真似かよ踊り踊り踊りまくって
毅然きぜんと裸で踊りまくる
みえかくれする
あそこ
どんなになめても溶けない氷菓子


高温域でだる体は神秘性のかけらもないな
きみだからこそのゆらめきを求めても
素直に言えば
「私だけを見て」
ぼくがなにも気づかないとでも?

にげかくれするラビット
どんなに駆けても疲れを知らない

汗がかわいて
再びまとうまっしろなサマードレスがひるがえるたびに
みえかくれする
あそこ

超低音域で意識を編成しなおせば
じっとしてるほうが熱く激しくなるよ
にげかくれする
目で追いかける
わざとかくせば
さがす手さぐり
素直に言えば
「私だけ」「私だけ」それ以外ばダメ「私だけを見て」
なんだろう?
ちがうなら教えてよ聞きたいな
ウソ言わせない
唇ふさげるのは唇だけだと思ったら間違いだよ
あけっぱなしのまま言葉が消えていく

丘いちばん高い場所の通称・世界樹
きみのドレスが泳ぎはじめ
天女の舞いなら踊り踊り踊りまくって
自然に激しく踊りまくる
みえかくれする
あそこ
どれだけ濡れても透けない通り雨
どんなになめても溶けない氷菓子
みえかくれする
みえかくれする
ちらりちらりみえかくれする

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