可能性のバイミー

360回転

彼との関係を断ち切らなくても良いのですか?

『光が溢れる世界…この世界は愛に満ちている…
美しい光は反射を繰り返し何処までも広がり続ける…
これは吸収率を無視した理論だ…非合理なお話ではあるが…それ故に美しい…
光は何処から生まれたのか?…吸収された光達は何処にいってしまったのか?…
そんな事は分からない、分からないが、今この世界が愛で満たされているのは間違いなさそうだ…
私にも光が欲しい…もっともっと輝けるように…
そして別の誰かにも…光を分け与えられるように…
どれだけ真っ直ぐな光でも、角度次第で光は屈折する…
内部でどれだけ屈折したとしても、最終的に真っ直ぐな光を放ち、周囲を明るく照らし出す…ブリリアントな生き様…それを私は求めている…『自身を傷つけられるのは自身だけである』と言える程の強さを…『どんな事があっても幸せになる事を諦めない』と言う硬い意志を持つ存在に、私はなりたい…』

………………

「バイミーさん、私の残りの寿命はあとどれぐらいあるの?…」
私が質問をすると、バイミーさんは言った
「残りの回数は29回ですね…」
残りの寿命を考えると、そろそろ終わらせないとズルズルと使ってしまいそうだ…
私がキャバ嬢になった理由も気になるけど、まずは 雷雅らいがくんと付き合わないよう誘導するのが先だろう…
私は 雷雅らいがくんとの関係を断ち切る為に、口を開く
「バイミーさん…  雷雅らいがくんと私が付き合わないように……」
私は言葉を発しながら、頭の中に引っかかりを感じ、言葉を止める……
すると、バイミーさんは訝しむような目をこちらに向けながら言った
「どうしたのですか?…もしかしてまだ吐き気があるのですか?…」

…………

バイミーさんの声が遠くに感じる…
私の体から冷や汗が吹き出してくる…
なんだ?…なんで私は躊躇ってる?…  雷雅らいがくんに対して、拓海の時のような未練はないはずだ…
それなのに、なんで…………

……………

いくら考えても答えが出ない……
私は何故お願いをしないのか………
彼との関係を断ち切る事で失われるモノがある?………
なにかを言っているバイミーさんの事を無視して、私は考え続ける……
……………"ダイヤのように"
"ダイヤのように"には私の10代の頃の気持ちが詰まっている…
そしておそらく、これが存在しない世界こそが私の生きていたい世界だ…
それでも……
これを消してしまって良いのか?………

……………………

私は今の私が好きだ……
私の居ない世界に、私の居場所はない……
私は一時の衝動で、私の人生そのものを捨てそうになっていた…………
そう実感すると、突然目頭が熱くなってくる…
「あれ、なんか…なんでだろう………」
私が呟くと、バイミーさんは言った
「どうしたのですか?…急に…」
戸惑うバイミーさんの横で私は溢れ出してくるモノを止める事が出来ない……
形に残し、目を背けていたモノ…理想の自分と現実の自分…この小説が地雷になっていた理由を悟り私は呟いた
「答え、分かってたんじゃない…」

………………

「落ち着きましたか?…」
心配そうに見つめてくるバイミーさんがそう言うと、私は言葉を返した
「ええ…ありがとう…バイミーさん…私がキャバクラで働かないように誘導して…」
私がお願いをすると、バイミーさんは首を傾げながら言った
「彼との関係を断ち切らなくても良いのですか?…」
「ええ…大丈夫…」
「分かりました、それではあなたがキャバクラで働かないように、過去へと干渉を行います…」
バイミーさんがそう言うと、私の足元が光り始める…
"ダイヤのように"が存在する世界が私の生きる世界だ…
私は未来の自身について考えながら、過去改変が終わるのを待ち続けた……


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