自然派ママの異世界事件簿
9
「え?これがお料理?」
今度は私の目が点になる。
鳥はおそらく七面鳥だろう。きりわけもされておらず、なんともワイルドな食卓だった。
てっきり不味い料理が出てくると思ったのに、素材の良さを活かした料理でツッコミの余地も無い。
ブレンドンさんとエセルは、必死に七面鳥を切り分け、私たちの前の皿にもった。
「どうだ、これだったら日本人も食べるだろう」
ブラッドリーは、胸をはる。
「いえ、まって。塩つけた方が美味しいかも」
私は保冷バッグから塩、それに味噌も出す。
味噌はちょっと緩くなっていたが、品質は問題無いだろう。
小皿の塩や味噌を盛り付けるると、ブラッドリー以外の三人が好奇心旺盛に眺める。
「これは日本の調味料です!」
「この味噌は若菜のカフェにもあったわ」
マージョリーはスプーンで味噌をとって少し舐めた。
「あれ?若菜さんのとこより甘いわね」
「そうなんです、マージョリーさん。これが私の知り合いの農家の人が手作りで作った味噌で味がちょっと違うんです。もちろん、添加物や悪いものは入ってないです。健康にも良いですよ!」
私が味噌を必死にプレゼンすると、まマージョリーだけは気にいたようだ。チキンや野菜につけて、実に美味しそうに食べていた。
「あら、さっぱりしていて以外と美味しい!」
「マージョリーさんが気にいるなら」
エセルとブレンドンさんは、同じように肉を食べていたが、微妙な反応だった。
まあ、仕方ないだろう。味噌の奥深さは後ほどたっぷりとプレゼンしよう。
ブラッドリーは、こぼ土地のものと思われるソースをベチャベチャとつけて肉を食べていた。
私もこのソースを少し舐めたが、砂糖の甘みしかないトンデモない一品だった。ブラッドリーはバカ舌のようだった。この男に味噌をプレゼンするのは無駄だと思いながら、トマトのざく切りに塩を振って食べる。
「このトマト美味しい!」
思わず叫ぶ。
日本で農家からもらったトマトも美味しかったが、こちらも負けず劣らず美味しい。少し酸味が強いようだが、たっぷりと太陽の日をあび、のびのびと育った事がわかるトマトだった。
きゅうりも同様に、端の端までみずみずしく、生命力を感じる。まさに自然を丸ごと食べている感覚が舌を襲う。
これは無農薬だろう。
空気も良いから、多分日本のオーガニック野菜よりも品質が良いはずだ。
食べながら涙が出てくる。
「この野菜達は美味しいわぁ」
「あら、柊。そんなに気に入ったの?」
マージョリーはドン引きしていた。
ブランドンさんやエセルは、逆に私に好意の視線を向けてくる。二人は若菜に料理を作った事があったそうだ。
でも、「不味い」と言われ、今は素材にちょっと手を加える料理しかした事が無いという。
「柊さんに気に入ってくれて、本当に嬉しいわ」
エセルも感動し、二人で泣いてしまった。ブランドンさんもハンカチで目頭を抑える。
「柊さまは、本当に良いお方です」
「そうね、ブランドン。柊にはしばらく家に居てもらおうかしら」
「いいんですか!」
マージョリーの提案に私さらに泣きそうになる。
異世界とはいえここは天国?
野菜が美味しいところは天国に違いない。
食文化が低い異世界だと身構えていたが、余計な調理をしなければ大丈夫しyだ。それにその素材が一級品。七面鳥もモモがしまり、油っぽくない。これは平飼いの良い鳥かもしれない。
「ええ。ずっといてよ。私も日本の事知りたいわ」
マージョリーに笑顔で迎えられ、私はしばらくこの家でお世話になる事が決定した。
「ふん、勝手にしろ」
ブラッドリーは口でがそう言っていたが、肉に味噌をつけているのを私は見逃さなかった。
それにマグボトルに水を注いでさっそく使ってもいた。
口は悪いが、根はきっと良い人物の違い無いだろう。
「お世話になります!淡島柊、36歳です!」
改めて自己紹介すると、この場のみんなが目を丸くしていた。
自分はその歳には見えないようだった。
こうして異世界に居場所を確保できて、若菜さんや殺人事件についてすっかりと忘れてしまった。
私は元来お花畑で前向きで明るい生活だ。めんどくさい事はすぐ忘れる。
この異世界で、殺人事件の謎を解く事など想像もしていなかったのだった。
今度は私の目が点になる。
鳥はおそらく七面鳥だろう。きりわけもされておらず、なんともワイルドな食卓だった。
てっきり不味い料理が出てくると思ったのに、素材の良さを活かした料理でツッコミの余地も無い。
ブレンドンさんとエセルは、必死に七面鳥を切り分け、私たちの前の皿にもった。
「どうだ、これだったら日本人も食べるだろう」
ブラッドリーは、胸をはる。
「いえ、まって。塩つけた方が美味しいかも」
私は保冷バッグから塩、それに味噌も出す。
味噌はちょっと緩くなっていたが、品質は問題無いだろう。
小皿の塩や味噌を盛り付けるると、ブラッドリー以外の三人が好奇心旺盛に眺める。
「これは日本の調味料です!」
「この味噌は若菜のカフェにもあったわ」
マージョリーはスプーンで味噌をとって少し舐めた。
「あれ?若菜さんのとこより甘いわね」
「そうなんです、マージョリーさん。これが私の知り合いの農家の人が手作りで作った味噌で味がちょっと違うんです。もちろん、添加物や悪いものは入ってないです。健康にも良いですよ!」
私が味噌を必死にプレゼンすると、まマージョリーだけは気にいたようだ。チキンや野菜につけて、実に美味しそうに食べていた。
「あら、さっぱりしていて以外と美味しい!」
「マージョリーさんが気にいるなら」
エセルとブレンドンさんは、同じように肉を食べていたが、微妙な反応だった。
まあ、仕方ないだろう。味噌の奥深さは後ほどたっぷりとプレゼンしよう。
ブラッドリーは、こぼ土地のものと思われるソースをベチャベチャとつけて肉を食べていた。
私もこのソースを少し舐めたが、砂糖の甘みしかないトンデモない一品だった。ブラッドリーはバカ舌のようだった。この男に味噌をプレゼンするのは無駄だと思いながら、トマトのざく切りに塩を振って食べる。
「このトマト美味しい!」
思わず叫ぶ。
日本で農家からもらったトマトも美味しかったが、こちらも負けず劣らず美味しい。少し酸味が強いようだが、たっぷりと太陽の日をあび、のびのびと育った事がわかるトマトだった。
きゅうりも同様に、端の端までみずみずしく、生命力を感じる。まさに自然を丸ごと食べている感覚が舌を襲う。
これは無農薬だろう。
空気も良いから、多分日本のオーガニック野菜よりも品質が良いはずだ。
食べながら涙が出てくる。
「この野菜達は美味しいわぁ」
「あら、柊。そんなに気に入ったの?」
マージョリーはドン引きしていた。
ブランドンさんやエセルは、逆に私に好意の視線を向けてくる。二人は若菜に料理を作った事があったそうだ。
でも、「不味い」と言われ、今は素材にちょっと手を加える料理しかした事が無いという。
「柊さんに気に入ってくれて、本当に嬉しいわ」
エセルも感動し、二人で泣いてしまった。ブランドンさんもハンカチで目頭を抑える。
「柊さまは、本当に良いお方です」
「そうね、ブランドン。柊にはしばらく家に居てもらおうかしら」
「いいんですか!」
マージョリーの提案に私さらに泣きそうになる。
異世界とはいえここは天国?
野菜が美味しいところは天国に違いない。
食文化が低い異世界だと身構えていたが、余計な調理をしなければ大丈夫しyだ。それにその素材が一級品。七面鳥もモモがしまり、油っぽくない。これは平飼いの良い鳥かもしれない。
「ええ。ずっといてよ。私も日本の事知りたいわ」
マージョリーに笑顔で迎えられ、私はしばらくこの家でお世話になる事が決定した。
「ふん、勝手にしろ」
ブラッドリーは口でがそう言っていたが、肉に味噌をつけているのを私は見逃さなかった。
それにマグボトルに水を注いでさっそく使ってもいた。
口は悪いが、根はきっと良い人物の違い無いだろう。
「お世話になります!淡島柊、36歳です!」
改めて自己紹介すると、この場のみんなが目を丸くしていた。
自分はその歳には見えないようだった。
こうして異世界に居場所を確保できて、若菜さんや殺人事件についてすっかりと忘れてしまった。
私は元来お花畑で前向きで明るい生活だ。めんどくさい事はすぐ忘れる。
この異世界で、殺人事件の謎を解く事など想像もしていなかったのだった。
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