【絶対攻略不可?】~隣の席のクール系美少女を好きになったらなぜか『魔王』を倒すことになった件。でも本当に攻略するのは君の方だったようです。~
98. 彩り輝く
98. 彩り輝く
オレと咲夜さんはそのまま河川敷を歩き花火大会の会場に向かい、席に着く。ふと横にいる咲夜さんを見ると、咲夜さんもオレを見ていたようで目が合ってしまう。
「……」
「……」
そしてお互いに目を逸らすことなく見つめ合う。しかしそれは一瞬のことですぐに花火が打ち上がる音が辺りに響き渡った。
「……綺麗」
花火を見上げながらそう呟く咲夜さんの頬は赤く染まっており、瞳には花火の光が映りこんでいる。
そんな姿に見惚れてしまい暫くの間、言葉を発することが出来なかった。すると不意に左手に何か柔らかいものが触れる感触を覚える。何事かと思いその正体を確認しようと視線を下げるとそこには、そっと左手を握る咲夜さんの姿があった。そしてそのままオレの肩にもたれる。
「……!?」
突然の出来事に驚き声が出そうになるのを抑え込む。しかし動揺を隠すことは出来ず右手で口元を押さえる。
「せっかく2人だけの時間だもの……ダメかしら?私たちって恋人同士でしょ?」
上目遣いでこちらを見る咲夜さんの言葉を聞き心臓が大きく跳ね上がる。恋人同士なわけだからこういうことをしてもおかしくはない。むしろ今までよく我慢できたものだと自分で自分を褒めてやりたいくらいである。
だけど、外で人が大勢いる前で……今すぐ叫び出したくなる衝動を必死に抑え込み、咲夜さんから顔を背けつつ答える。
「いや、ダメじゃないけどさ……ほら、みんな見てるし恥ずかしいだろ?」
「みんなは花火見てるわよ。それに私だって恥ずかしいわよ……。でも、それでも私はあなたに触れていたいし触れられたいの……」
「っ!!」
その言葉を聞いた瞬間、オレの中で何かが壊れるような感覚を覚えた。それと同時に抑え込んでいた感情が爆発してしまったのか気付けば咲夜さんの体を抱きしめてしまっていた。
「ごめん!いきなりこんなことされて嫌だったよな……本当にごめん!」
慌てて離れようとするが咲夜さんはそれを許してはくれなかった。それどころか逆に強く抱き着いて来る。
「ううん……いいの。嫌なわけないじゃない。こうして欲しかったんだもん……もっとギュッとして……」
その言葉に従い更に力を込めて咲夜さんを抱き寄せる。浴衣越しに伝わる体温と女性特有の柔らかさが心地よい。
「ねえ……キスして欲しいわ」
「えっ!?ここで?」
流石にそれはまずい気がする。いくら花火に夢中になっているとはいえ見られる可能性が無いわけではないのだ。だが咲夜さんはそんなオレの考えなどお見通しなのか妖艶な笑みを浮かべている。
「誰も見てないわよ。大丈夫、見られたとしても花火の光で見えないわ。それよりも早くしないと花火終わっちゃうわよ?」
「……わかったよ」
意を決して咲夜さんの唇に触れるだけの軽いキスをする。その瞬間、花火が打ち上げられる音と共に辺り一面が明るく照らされた。恐らく最後の一発だろう。
名残惜しく思いながらもゆっくりと唇を離す。すると先ほどまでとは違うどこか色っぽい表情をした咲夜さんがいた。
「意外に大胆ね颯太君は?」
「そういう咲夜さんこそ」
お互い顔を見合わせ小さく笑う。そして、この日咲夜さんと一緒に見た彩り輝く花火の色は一生忘れることは無いだろうと思えた。
オレと咲夜さんはそのまま河川敷を歩き花火大会の会場に向かい、席に着く。ふと横にいる咲夜さんを見ると、咲夜さんもオレを見ていたようで目が合ってしまう。
「……」
「……」
そしてお互いに目を逸らすことなく見つめ合う。しかしそれは一瞬のことですぐに花火が打ち上がる音が辺りに響き渡った。
「……綺麗」
花火を見上げながらそう呟く咲夜さんの頬は赤く染まっており、瞳には花火の光が映りこんでいる。
そんな姿に見惚れてしまい暫くの間、言葉を発することが出来なかった。すると不意に左手に何か柔らかいものが触れる感触を覚える。何事かと思いその正体を確認しようと視線を下げるとそこには、そっと左手を握る咲夜さんの姿があった。そしてそのままオレの肩にもたれる。
「……!?」
突然の出来事に驚き声が出そうになるのを抑え込む。しかし動揺を隠すことは出来ず右手で口元を押さえる。
「せっかく2人だけの時間だもの……ダメかしら?私たちって恋人同士でしょ?」
上目遣いでこちらを見る咲夜さんの言葉を聞き心臓が大きく跳ね上がる。恋人同士なわけだからこういうことをしてもおかしくはない。むしろ今までよく我慢できたものだと自分で自分を褒めてやりたいくらいである。
だけど、外で人が大勢いる前で……今すぐ叫び出したくなる衝動を必死に抑え込み、咲夜さんから顔を背けつつ答える。
「いや、ダメじゃないけどさ……ほら、みんな見てるし恥ずかしいだろ?」
「みんなは花火見てるわよ。それに私だって恥ずかしいわよ……。でも、それでも私はあなたに触れていたいし触れられたいの……」
「っ!!」
その言葉を聞いた瞬間、オレの中で何かが壊れるような感覚を覚えた。それと同時に抑え込んでいた感情が爆発してしまったのか気付けば咲夜さんの体を抱きしめてしまっていた。
「ごめん!いきなりこんなことされて嫌だったよな……本当にごめん!」
慌てて離れようとするが咲夜さんはそれを許してはくれなかった。それどころか逆に強く抱き着いて来る。
「ううん……いいの。嫌なわけないじゃない。こうして欲しかったんだもん……もっとギュッとして……」
その言葉に従い更に力を込めて咲夜さんを抱き寄せる。浴衣越しに伝わる体温と女性特有の柔らかさが心地よい。
「ねえ……キスして欲しいわ」
「えっ!?ここで?」
流石にそれはまずい気がする。いくら花火に夢中になっているとはいえ見られる可能性が無いわけではないのだ。だが咲夜さんはそんなオレの考えなどお見通しなのか妖艶な笑みを浮かべている。
「誰も見てないわよ。大丈夫、見られたとしても花火の光で見えないわ。それよりも早くしないと花火終わっちゃうわよ?」
「……わかったよ」
意を決して咲夜さんの唇に触れるだけの軽いキスをする。その瞬間、花火が打ち上げられる音と共に辺り一面が明るく照らされた。恐らく最後の一発だろう。
名残惜しく思いながらもゆっくりと唇を離す。すると先ほどまでとは違うどこか色っぽい表情をした咲夜さんがいた。
「意外に大胆ね颯太君は?」
「そういう咲夜さんこそ」
お互い顔を見合わせ小さく笑う。そして、この日咲夜さんと一緒に見た彩り輝く花火の色は一生忘れることは無いだろうと思えた。
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