【絶対攻略不可?】~隣の席のクール系美少女を好きになったらなぜか『魔王』を倒すことになった件。でも本当に攻略するのは君の方だったようです。~

夕姫

77. 状態異常:幻惑

77. 状態異常:幻惑



 オレは茜と共に咲夜さんの誕生日プレゼントを買うためにショッピングモールに来ている。あのあと少しして冬馬が合流してくれた。

「いやあ悪い悪い。睡眠がオレを離してくれなくてさ」

「佐藤君、それは遠回しに寝坊したって言ってるようなものだよ?だらしないわね!」

「うっ……まあそんなとこだな」

「まぁいつものことだろ?とりあえずなんか食べないか?腹減ってきたよ」

「そうだね!じゃああそこのお店入ろうか!」

 そして昼食をとることにする。冬馬が合流してくれたからとりあえず少しは気が楽になる。あのままならただのデートになっちまうからな。

「ところで霧ヶ谷と委員長は今まで一緒にいたのか?それはヤバくね?浮気じゃん!」

「何もヤバくないだろ!浮気ってお前が遅れたからだろ!」

「あたしと霧ヶ谷君がなんかあるわけないじゃん。あたしと柊さんって全然タイプ違うし」

「そうかなー?オレは2人結構お似合いだと思うけど?」

「おい、変なこと言うんじゃねえぞ冬馬!」

「そうだよ。それ聞いたら柊さんに怒られるよ?」

「ははっ!わりぃわりぃ!」

 全く反省していないようだ。こいつはこんなんだからモテないんだよ……。

「プレゼント選び難しいなぁ。どうしよう」

「なぁ霧ヶ谷。お前と2人きりの時の柊さんってどんな感じ?」

「え?」

「オレのイメージは……『颯太君。くだらないことするのやめて』みたいなクール系だよなやっぱり!学校でもそんな感じじゃん」

 ……冬馬視点はそうだよな。でも咲夜さんはクールからは程遠い性格をしているんだよな……。牛乳やプリンがなくて落ち込んだり、半泣きになったり、ちょっとしたことで照れたりする可愛い女の子だ。……まぁこれは絶対に言えんけど。

「クール?あたしはどっちかというとクールというより上品って感じかなぁ?なんか紅茶とか嗜んでそう!学校のお昼とかの食べ方も上品だしさ」

 ……茜視点だとそうなるのか。普段の咲夜さんには上品なんて言葉は似合わないと思うんだけどな……。ピザを頬張ったり、コーラを一気に飲んだり。でも可愛いんだけどな。

「で?実際どうなの?」

「いや……内緒だ」

「おいおい惚気かよ!そりゃ羨ましいぜまったく!」

 茜、冬馬すまん。これは2人のためなんだ。咲夜さんの幻惑にかかってしまっているなこりゃ。やっぱり咲夜さんは魔性の女だったみたいだ。

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