【絶対攻略不可?】~隣の席のクール系美少女を好きになったらなぜか『魔王』を倒すことになった件。でも本当に攻略するのは君の方だったようです。~

夕姫

62. 精神操作

62. 精神操作



 オレと咲夜さんはリビングで一緒に夕食をとっている。しかしさっきから咲夜さんはソワソワしてるというか落ち着きがないというか……。

「どうかしたか咲夜さん?」

「え!?何が?」

「さっきから落ち着きがないようにみえるんだけど」

「そ、そうかな?気のせいじゃない?」

 明らかに挙動不審だな。何か隠している……。

「ねぇ颯太君!明日から夏休みじゃない?ほら夜更かしできるわね?お菓子も買ったし。時の流れには逆らえない、時間は有意義につかわなくちゃ!」

「……。」

 やっぱりおかしい。しかも夜更かしすることを時間を有意義に使うって……どう見ても明らかにいつもの咲夜さんではない。でもその姿が可愛いよな。とは言ったが、大体想像はついている。

「そうだなぁ……たまにはいいかもな!」

「そうよね!」

「ああ。『ブレイブ☆ファンタジア』をやったりするのもな」

「そうよね!……あっ……。誘導尋問じゃない……ひどいわ。精神操作の魔法を使ったわね颯太君!」

 精神操作の魔法なんか使ってないよ咲夜さん……。そう言って顔を少し赤くして頬を膨らませる咲夜さん。学校にいるときからずっとやりたかったんだろうな。

「じゃあ、良かったら咲夜さんがやるか?」

「え?でもそれは冬馬君から颯太君が借りたやつだし……。」

「オレはあんまりゲームとかやらないから、やりたい人がやったほうがいいんじゃないか?」

「うーん……そう?わかったわ。やってみる!」

 うわぁ。めちゃくちゃ可愛い。オレにとってはこの顔がご褒美だよ。こんなに可愛い姿が見られるならいくらでも協力するぞ!

 その後、咲夜さんは『早くお風呂入りましょう!冒険の旅に出発よ!』と言って嬉しそうにお菓子をテーブルに準備して、借りたゲーム機をテレビに繋いでいた。本当にこういうのが好きなんだな。

 オレは咲夜さんと共に『ブレイブ☆ファンタジア』の攻略を始めていくのだった。

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