【究極の押し掛けラブコメ】後輩ちゃんは先輩と付き合ってます!!?

夕姫

163. 課題は風林火山

163. 課題は風林火山



 4月下旬。世間はGW間近だ。いつものようにオレは夏帆と一緒に宿題をやっている。

「先輩。私気づいたんです」

「なにが?」

「課題は風林火山ってことに」

「は?」

 なんかまた訳の分からないことを言い出したぞこいつ……。

「疾きこと風の如く。後回しにしちゃいけないんです課題は、思いたったらすぐ行動するべきですよね!」

「まぁ……そうだな」

「徐かなること林の如く。そう私みたいにバカみたいにおしゃべりするべきじゃない。集中して課題をやるべきなんです。」

「お前、自分で言ってて悲しくないのか?」

「侵掠すること火の如く。やる時は一気にやる!そうあっという間に攻めいるんです!」

「おお……やっとお前もやる気になったのか。良いことじゃねぇか」

「そして動かざること山の如し。結局分からなくて、何も出来ないんですよね!だから課題は風林火山なんです!」

「じゃあダメじゃねぇかよ」

 やっぱりくだらないことだったよ。もう無視しよ。

「ちょっと待ってください先輩!構ってくださいよぉ~!」

「うるせぇ黙れ」

 オレは夏帆を無視して宿題を続ける。

「そんな冷たい態度取っちゃうと、私泣きますからね!?いいんですか?泣いちゃいますよ?」

「勝手にしろよ……」

 うぜぇ。なんなんだよこいつ。宿題やる気ねぇだろ……。すると、夏帆の目には涙が浮かんでくる。

「ほ、本当に泣いてやりますよ……?いいんですか?」

「おい、泣くなって!分かったよ。ちょっとだけ相手してやるからさ」

「本当ですかっ!?やったー!先輩大好き!」

 この後宿題をやらずに夏帆と一緒にゲームをして遊んだ。結局、宿題は夏帆が帰ってから、寝る前にやることになったのだった。

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