【究極の押し掛けラブコメ】後輩ちゃんは先輩と付き合ってます!!?

夕姫

159. 助っ人登場

159. 助っ人登場



 オレと夏帆は最強最悪の恋愛シミュレーションゲーム『ラブ☆メモリーズ』を未だにクリアすることが出来ない。もう攻略法をノート半分くらい書いてるぞ?もしかしてオレ、攻略本作ってるのか?とか錯覚するレベルだ。

「ねぇ先輩。とりあえず一休みしましょうよ。私お風呂入ってきていいですか?」

「ああ。じゃあオレも入るか」

「え?一緒に入るんですか?」

「入らねぇよ!お前は自分の部屋で入れよ」

「ちぇっ……残念です」

 本当に残念そうに唇を尖らせる夏帆。『ラブ☆メモリーズ』のキャラクター、ヒロインの伊織のせいで、夏帆のそんな仕草すら可愛くて仕方がないのだから、きっとオレも末期なんだろうなぁと思う。

「あっ先輩。スマホ返してください。ゲームやる時は返しますから!」

「おう。風呂入ったら集合しろよ?」

「わかってますよぉ~」

 そう言って夏帆が自分の部屋に戻る。オレは風呂を出て夏帆を待っていると、突然インターホンが鳴る。

「はーい」

「あら?こんばんは神原君」

「秋兄こんばんは」

「は?黒崎と千春!?なんでここにいるんだよ!?」

「夏帆ちゃんに呼ばれたのだけど?今日はお泊まり会なのよね?大親友なら参加しなくちゃ!」

「私は秋兄が困ってるから助けてあげてって言われたんだけど……ラブ何とかって」

 夏帆のやつ……逃げやがったな。まあいいか。今更、黒崎と千春が増えても変わらないだろ。

「とりあえず上がれよ」

「ええ、あがらせてもらうわね」

「うん。お邪魔します。」

 2人を部屋に案内すると、早速2人はオレの部屋にあるゲームを見るなり声を上げる。

「秋兄……困ってるってゲームのこと?はぁ……」

「あら?すごいノートに書いてあるわね。勉強もこのくらいしたらいいのに」

「いや違うんだ伊織が!あいつが!」

「えっと……伊織は誰?神原君の愛人さんかしら?」

「このゲームのヒロインみたい。ふーん……なんか夏帆さんに少し似てる。……なんか気に入らない。」

 黒崎と千春は呆れた顔でオレを見てくる。違うんだ元はと言えばそのゲームは夏帆が持ってきたやつで……!

「とりあえずそのゲームをクリアすればいいのよね?早速やりましょ!私ゲームとかあまりやらないから楽しみ!神原君。手取り足取り二人三脚で優しく教えてね?」

「うぐっ……わかったよ。ほれコントローラー持て。まずは操作方法からだな」

「秋兄……黒崎先輩に近すぎ……」

 こうして、何故かオレの家に泊まることになってしまったのだが、最強最悪の恋愛シミュレーションゲーム『ラブ☆メモリーズ』の攻略を三人で始めたのだった。

コメント

コメントを書く

「コメディー」の人気作品

書籍化作品