【究極の押し掛けラブコメ】後輩ちゃんは先輩と付き合ってます!!?

夕姫

139. イコールじゃない

139. イコールじゃない



 来るべき明日の花見に向けて準備をするために黒崎と共に買い物に来ている。夏帆は、明日の花見で食べるお弁当を作ると張り切っているので買い出しをなぜかオレに頼んできた。

 まぁ夏帆がいなければそこまで疲れることもないからいいけどな。

「なぁ、黒崎。オレ達って親友だよな?」

「どうしたの急に?当たり前じゃない!」

「なら、なんでオレはこんなにも荷物が重いんだろうか……」

「そりゃあ神原君は男だし、私は女だから。そのくらい持ってくれてもいいと思うのだけど……?」

「いや、確かにそうかもしれないけどさ……。もうちょっと持つの手伝ってくれても良くないか?重すぎるぞ。」

「んー……でも私のも結構重いわよ?それにほら、こうやって一緒に歩いているだけでも楽しいし、良くないかしら?」

 良くないが。楽しさと重さはイコールじゃないからな。まぁ仕方ないが。

「そういえば、従妹の雛山さんも明日来るのよね?」

「ああ。結構無理やり誘ったんだけどな夏帆が。」

「そうなのね。あの子、強引だしワガママだし、人の話し聞かないものね?一緒にいると大変よね?」

「……嫌みかそれ?」

「ううん!そんなことないわよ!?ただ私の方が大人だなって思っただけよ。」

 ……こいつ絶対嫌み言ってるだろ。本当に黒崎は夏帆と仲良いのかこれ?

「ねぇねぇ、神原君。もし良かったらこれからお茶していかない?」

「えっ?」

「だってせっかく親友、二人きりなのだもの。ダメかしら?」

「いや、別にいいけど……」

「じゃあ決まりね!行きましょう!!」

 こうしてオレ達は近くの喫茶店に入った。そして適当に飲み物とケーキセットを注文する。

「なんかこういうデートみたいでドキドキしない?」

 こいつは何を言っているんだろう?やっぱり嫌みなのか?

「ねぇ聞いてる?神原君?」

「……聞いてるよ。」

「なんだか反応悪いわね。あっ!もしかして!ちっ違うわよ!?デートって単語を使っただけで、付き合うとかそう言うのじゃなくて、ただの親友なのだから!」

「落ち着けよ!声がでかいって!」

 店員や他の客達がこちらを見ていて恥ずかしくなる。こいつの声が大きいせいもあるのだが……。

「ごめんなさい……取り乱してしまったわ。」

 こいつは夏帆とは違ったウザさがあるよな本当に……まぁ本人に悪気はないと思うんだけど。こうしてオレは今日も疲れるのだった。

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