【究極の押し掛けラブコメ】後輩ちゃんは先輩と付き合ってます!!?

夕姫

97. 侵略者と防衛

97. 侵略者と防衛



 今日はクリスマスイブ。たまたま土曜日だ。明日のクリスマスも日曜日で休みが続く。だからパーティーの準備をするため夏帆と買い物に来ている。

「ねぇ先輩。やっぱりツリーは飾りたいですよね?買っちゃいましょう!」

「お前買っちゃいましょうって……そんな無駄遣いしたくないんだが?」

「だって先輩は普段お金使わないじゃないですか?だからたまには贅沢しても大丈夫です!それに節約すればいいんですから」

「いや今年の春からかなり浪費してるんだけどなお前のせいで。アイスとかプリンとかオレンジジュースとかさ」

「それは私の手料理で浮いたお金で買ってると思ってくださいよ。だからツリー買いましょう!」

「そもそも、お金がもったいないから自炊したほうがいいってお前が言ってたんだがな……」

 浮いたお金は夏帆のおやつやジュースに消える。でもついつい買っておいてしまう。オレも甘いな……。とりあえずクリスマスツリーを買うために店内を見る。

「先輩あれが良くないですか?」

「ん?デカすぎだろ!しかも高いし。部屋に置いたら邪魔だろうが!」

「えぇ~?ダメなんですかぁ~?」

 うわっ……あざとく首をかしげて上目遣いしてきたぞこいつ。その仕草ずるいだろ!可愛すぎるんだよ!

「……わかったよ。」

 結局折れてしまった。

「やったー。飾り付け楽しみですね!あ、あとお布団とかも買いませんか?寒いんで」

「は?なにお前泊まるつもりなの?」

「そうですけど?当たり前じゃないですか」

「何が当たり前なんだよ……」

「え~?もう何回も一緒に寝てるじゃないですか?今さらですよ。しかも今回は付き合ってるので文句ないですよね?」

「文句はあるだろ。ただでさえ狭い部屋にお前の物が大量あるんだよ。唯一の寝室まで侵略するつもりかよ!」

「遅かれ早かれ一緒に寝るんですから変わらないと思いますよ?まぁ私は気にしないですけど」

 オレが気にするんだよ。結局大きなクリスマスツリーと夏帆のお泊まり用の布団を買ってあげるのだった。

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