【究極の押し掛けラブコメ】後輩ちゃんは先輩と付き合ってます!!?

夕姫

78. 時は金なりです

78. 時は金なりです



 今日は土曜日。時間は早朝。オレの睡眠をあいつが邪魔をする。けたたましく鳴り響くスマホに驚き目を覚ます。

 《おはようございます!先輩!》

「うるせぇ……まだ6時じゃねぇかよ……」

 《鍵を開けてください!早く早く!》

「オレの意志を無視するなよ……」

 オレは仕方なく扉を開ける。夏帆はそのまま部屋に入ってくる。

「先輩!お誕生日おめでとうございます!」

「あーありがとう」

 そう。今日はオレの誕生日だ。と言っても別に祝って欲しいわけじゃないし、ましてや何かプレゼントが欲しいなんてこともない。ただこいつはいつものように勝手に部屋に押しかけてきただけだ。

「せっかく先輩と同い年だったのに、また1つ離れちゃいましたね?」

「だからなんだよ。もう少し寝かせろよ、オレの誕生日なんだろ?」

「ダメです!起きてください!そして私と遊んでください!」

「お前は子供か?なんでこんな朝早くから遊ぶ必要があるんだ?」

「それはもちろん!先輩のお誕生日をお祝いするためですよ!時は金なりですよ!タイムイズマネーです!」

「うぜぇ……マジでうざい……」

「とにかく、私は朝ごはん作っちゃいますから、その間に着替えておいてくださいね!」

 なんで誕生日のオレがこんな目に遭わないと行けないのか……本当にこいつには振り回されてばかりだ……。

「あっ!もしかして……そう言うことでしたか……気づかなくてすいません先輩!」

「なにが?」

「寝かせろよって、私の添い寝がご希望ってことですよね?」

「そんなわけあるか!バカかお前!?」

「えへへ〜照れなくてもいいんですよ?ほらっ!一緒に寝ましょう!さぁさぁ!」

「ふざけるなよ!?そんなことしたら二度と部屋に入れねぇからな!?」

「冗談ですよ〜。でもまぁ添い寝くらいならしてあげますけど?」

「頼むから普通にしててくれ……まだこんな早朝なのに疲れたんだが……」

 こうしてオレの誕生日は最悪なスタートを迎えることになった。

コメント

コメントを書く

「コメディー」の人気作品

書籍化作品