【究極の押し掛けラブコメ】後輩ちゃんは先輩と付き合ってます!!?

夕姫

77. ちょっとだけ

77. ちょっとだけ



「ねぇ先輩?来月文化祭じゃないですか?先輩のクラスは何やるんですか?」

「ん?オレのクラスの出し物?そうだなぁ……お化け屋敷とかカフェとかどうかなって考えてるけど」

「へぇ〜!いいですね!」

 そう、今は10月初旬。もうすぐで秋真っ盛りの時期になるのだが、オレたちの高校では3日間に渡って文化祭が行われるのだ。

「でも文化祭かぁ……」

「なんだよ?なんかあまり乗り気じゃないな?お前こういうの好きそうだけど?」

「だって……学校じゃ先輩と一緒にいられないし……もちろん一緒にも回れないじゃないですか……」

「まあ、それはしょうがないだろ。こういう時こそ友達と楽しめばいいだろ?」

「むぅ……」

「そんな顔するなよ。家に帰ればこうやって一緒にいるだろ?」

「そうですけどぉ……あっ。」

 夏帆は何かを思い付いたように声を出した。

「まさか先輩……黒崎冬花さんと一緒にいないですよね!?」

「同じクラスだから、それは無理な話だろ。黒崎とは別に何もないだろう?」

「浮気未遂してますからね先輩は?黒崎冬花さんを部屋に連れ込もうとしてましたし!」

「どこがだよ!部屋ならお前は毎日来てるだろ。しかも浮気ってオレとお前も何もないからな?」

 オレがそう言うと夏帆は口を膨らませて反論してきた。

「何もないわけないじゃないですか!私と先輩は何回か同じ部屋で寝泊まりしてるんですよ?私が寝てる間に色々してるかもしれないじゃないですか!」

「待て待て!オレは何もしてねぇからな?」

「本当ですか~?今の発言に嘘偽りはないですかー?ほんの少しでもやましい気持ちになりませんでしたかー?」

 なんだよその顔……ウザいんだけど……。気に入らねぇし。

「別に何とも思わねぇよ!」

「えっ……?そ、そうなんですか……?」

「いや……その……そんな顔するなよ……ずるいぞお前?」

「ふふっ先輩にはこの手が一番効くみたいですね!どうです?可愛いでしょう?」

「うるせぇ!ちょっと可愛いと思った自分が情けなくなるだろ!」

「やっぱり思ったんじゃないですか〜。素直になってくださいよ〜」

「うぜぇ……」

 なんなんだよこいつは……その後しばらく言い合いが続き、オレたちはいつも通りの日常に戻ったのだった。

コメント

コメントを書く

「コメディー」の人気作品

書籍化作品