【究極の押し掛けラブコメ】後輩ちゃんは先輩と付き合ってます!!?

夕姫

75. 元気が一番ですね

75. 元気が一番ですね



 時間は21時をまわる。夏帆の熱もある程度下がったので一安心だろう。

「さて……そろそろ帰るからな?」

「えぇ……行っちゃうんですか先輩?私寂しいですぅ」

「いつもこの時間は一緒にいないだろう?」

「そうですけど!今日は一緒にいてほしいんですよ!」

「風邪うつるだろ?」

「そしたら私が色々看病してあげますから!」

 普通そこは『風邪うつるの悪いですもんね』なんだがな……こいつは本当に面倒なやつだな。

「とりあえず帰るからな?何かあったら連絡しろよ?」

「はーい。あっ先輩!最後にお願い聞いてください!私の着替えをとってくれませんか?」

「は?無理無理!お前の下着とか見たくねぇし!」

「いつもパンツは覗こうとするのにですか?ちょっとくらいいいじゃないですかぁ。私と先輩の仲なんだから!」

「オレとお前は先輩後輩の仲だ。それ以上でもそれ以下でもない」

「むぅ……そのままで私の風邪が悪化したほうが面倒なことになりませんか先輩?」

「まぁそれはそうだが……」

 確かにこのままだと夏帆は風邪が悪化するかもしれないし、そうなったらオレの責任になるのか……。しかもまた看病するのは勘弁してほしいな。

「わかったよ……どこにあるんだよ?これは決してやましいとかじゃないからな!」

「わかってますって!それならそこの引き出しの真っ赤な勝負下着をとってください!先輩見たいでしょ?」

「うるさい。手前のこれでいいな。あとはパジャマもこれでいいだろ」

 オレは適当にとった着替えを夏帆に手渡す。

「ありがとうございますっ!あ〜やっと着替えれる〜」

 そう言って嬉しそうにパジャマを脱ぎ始めようとする。

「待て待て!今着替えるなよ!オレが見えるだろ!?」

「大丈夫ですよ!どうせ見慣れてますよね?」

「お前の妄想には付き合ってられない。見たことねぇだろ。」

「……見ます?」

「見ねぇよ!」

「えぇ〜なんでですか?別に減るものじゃないんだから見てくださいよぉ。ほらほら〜先輩の大好きな彼女の生着替えですよ〜」

「彼女じゃねぇだろ!オレの精神が減るんだよ!あと普通減るもんじゃないしって見るほうが言う言葉だぞ?逆だからな?痴女かお前は」

 うぜぇ……体調悪かった時の夏帆はどこ行ったんだよ。テンションと行動がウザい。

「とにかく着替え終わったら呼んでくれ。オレはこの部屋を出て行くからな」

「わかりましたよ。あっ!ついでにコンビニでゼリー買ってきてもらってもいいですか?ゼリーも食べたくなっちゃいました!」

「は?調子に乗るな。自分で行け」

 元気になった夏帆は相変わらずウザすぎたけど、とりあえず元気になったのは良かった。ちなみに結局オレはコンビニにゼリーを買いに行ってあげた。オレはこいつには甘いのかもしれない。

「【究極の押し掛けラブコメ】後輩ちゃんは先輩と付き合ってます!!? 」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「コメディー」の人気作品

コメント

コメントを書く