【究極の押し掛けラブコメ】後輩ちゃんは先輩と付き合ってます!!?

夕姫

61. 分かるんですから

61. 分かるんですから



 実家から帰ってきた次の日。いつものように白石はオレの部屋にいる。帰り際にオレのことを頼むと白石が言われていたのが一番気に入らないのだが……。面倒見てるのはオレの方だろ。

「ねぇ先輩。私ってそんなに魅力ないですか?」

 ソファーの上で横になりながら、スマホをいじりつつオレに問いかけてくる。パンツが見えそうなんだが……

「……何でそんなことを聞くんだよ?」

「だって先輩全然手を出してくれないし。もしかして女の子に興味無いのかなって……」

「女の子というより、白石に興味がないんだが」

 夏祭りのあと、こいつを女として意識してしまったオレが恥ずかしい。あんなことがあったあとでもこいつは普通に接してきて、今まで通りな感じだった。だからか、オレは白石の前で平然としてられるのだ。

「……酷いですよ。少しくらい私のこと気にかけてくれても良くないですか? これでも頑張ってるんですよ。色々と……」

 そう言いながら頬を膨らませる白石。あざといなぁと思いつつも、やっぱり可愛いと思ってしまう自分がいる。

「まあ確かに可愛くはあると思うけどさ。お前のことそういう風に見たことはない。恋愛感情はないから」

「ふーん。じゃあいっその事、私がまた他の男の人に告白されたらどうしますか?」

「別にどうもしねーよ。好きにしていいぞ」

「あれ目が泳いでますよ?ほら! 結局先輩は私のことが好きなんですよね?素直になってください!」

「うるせぇよ! そもそもなんでオレなんだ。他に良い男がいるだろうに……」

「そっか理由が必要でしたね。まず一つ目ですけど、私は先輩以外興味ありません!以上!」

 それ理由じゃねぇし……と内心ツッコミを入れる。まあ多分本音なんだろうけど。

「オレはお前に興味ねぇから」

「私とエッチしようとしたのにですか?」

「どこがだよ!?誤解を招くような言い方すんじゃねえよ!!」

「えぇーっ?私があのまま迫ったら絶対してましたよぉ!」

 うぜぇ……でももしかしたらそうなのか?とか思ってしまう押しに弱い自分がいるので強く否定できないのが情けない。

「それに今だってソファーに寝転んでる私のパンツ見ようと視線を感じてますよ?女の子はそういうの分かるんですから!これでも本当に私のこと興味ないんですかぁ?」

「みっ見てねぇし!」

 挑発するような口調で言ってきやがった。くそぅ……。こいつわざとやってんのか?ムカつく。

「じゃあ今ここで見せましょうか?」

「やめろバカ」

「先輩照れてる〜可愛い〜」

「もうお前帰れよ!2度とスカート履いてくるなよ!」

 こうしてオレと白石はまたいつもの日常に戻っていくのだった。

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