【究極の押し掛けラブコメ】後輩ちゃんは先輩と付き合ってます!!?

夕姫

45. 遊びはおしまい

45. 遊びはおしまい



「やん。ダメ!先輩!」

「……。」

「ああん。お願い!下ばかりやめてください!ああ~」

「やめろ!ただの格闘ゲームで卑猥なんだよ発言が!」

「だって先輩が下ばかり狙うから!」

「じゃあガードすれば?」

 相も変わらず白石はゲームが下手だな。なぜにこんなに一緒にやりたいのか。そんなことを思いながらオレはゲームをやる。

「むぅ……先輩。教えてくださいよ!私も先輩に勝ちたいです!」

「わかったよ。白石も可哀想だしな。まず、この十字キーを……」

「先輩。それじゃわからないですよぉ。こう後ろからコントローラー持って動かしてください。」

「はぁ!?」

「ほらほら!教えてくれるんですよね?私可哀想なんでしょ?」

 うぜぇ……こいつ。オレは白石の後ろに回りコントローラーを持つ。くそっ……白石の匂いがするんだよ。落ち着け……落ち着くんだ……。

「あの先輩。すごくドキドキしてるの背中に感じるんですけど?」

「おまっ!振り向くなよ!顔近いだろ!コントローラーと画面に集中しろよお前は!」

「わかってますよ。そんなに怒らなくても、先輩が悪いのに。そんなドキドキするなら私のこと襲っちゃえばよくないですか?」

「なんだよ襲うって!」

 なんだこいつ……面倒くせぇ。そのあと、しばらくオレは白石に操作を教えてあげた。

「こんなもんか?」

「ふっふっふ。先輩。遊びはおしまいです。さぁ勝負です!」

「はいはい」

 オレたちはゲームを始める。そしてしばらくすると白石が声を上げた。

「あっ!ちょっ!え?待ってくださいよ!ああ~ん。負けたぁ……」

「どうした?」

「いや、今ちょっとミスっただけですし、ここから逆転しますんで!もう1回やりましょ先輩!」

 そう言って白石は再びコントローラーを握る。負けず嫌いなのかこいつは。しかし、何度やっても白石は負け続けた。でも対戦中は楽しそうな顔をしていたので良しとしよう。そう思うのだった。

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