43.　究極のそうめん

43.　究極のそうめん

「ふふん。ふふふっふん。」

　今はお昼すぎ、今日は暑いからそうめんを食べようと言うことになり、今は白石が作っているところだ。それにしても鼻歌を歌ってご機嫌だなこいつ。

「先輩。薬味は何がいいですか？」

「薬味？そんなの買ってあるんだっけ？」

「この前買ったじゃないですか。ネギ、生姜、大葉……さっぱりと大根おろしとか天かすなんかもありますよ？」

「じゃあ……無難にネギと生姜かな」

「天かすも入れると美味しいですよ。ちょっと待っていてくださいね！」

　……すごい家庭的でなんかムカつく。でも実際料理はうまいんだよなぁ……。

「はい！できましたよ〜！」

「おお……」

　オレは素直に感動してしまった。本当に美味しそうだ。そして、なんと言っても見た目が綺麗なのだ。麺つゆで色鮮やかになったそうめんの上にネギやら大根おろしやらが乗っかっており、その上からはすり下ろした生姜までかかっている。

「少し大根おろしもいれちゃいました。どうですか？見た目良くないですか？あと、おつゆも少し工夫してみました！どうぞ食べてみてください」

　白石はキラキラとした目でこちらを見てくる。そんなに見てくるなよ……食べづらい。オレはそのまま白石の作ったそうめんをいただく。

「うん……普通に美味いな……」

「ほらほら先輩。私のことお嫁さんにしちゃいます？そしたら毎日こんなに美味しい手料理が食べれますよ？」

　そのドヤ顔を殴りたいと思ったのは初めてかもしれない。すごいウザい……。でも白石は将来いいお嫁さんになれるかもな。とほんの少しだけ思うのだった。