【究極の押し掛けラブコメ】後輩ちゃんは先輩と付き合ってます!!?

夕姫

32. 嘘はダメです

32. 嘘はダメです



 7月中旬。学生にとってのスペシャルイベントの夏休みがもう少しで始まろうとしている。

「ねぇ先輩。もう少しで夏休みですね!どうします?いっぱいデートできますけど?」

「オレとお前は付き合ってないからデートはしない。以上。」

「むぅ……先輩ってほんっとつれないですよね!」

「当たり前だろ、お前と一緒に外で遊んだりなんかしたら勘違いされるだろうが。」

「もういい加減バレてますって」

「は?」

 何言ってんだこいつ?オレは学校では白石とは極力接点をもたないようにしているし、バレるはずがないのだが……。って、バレるってなんだよ?オレは白石とは別になんでもねぇし!

「実は先輩に言ってなかったんですけど、私何回か告白されてるんですよ。っで私は断ってるんです。先輩と同学年の人もいましたよ?」

「は?お前何勝手なことしてんだよ!?」

「なんで怒ってるんですか?私はちゃんと先輩のことが好きだからごめんなさいって断ってますよ?嘘は言ってないですよね?」

 うっ……なんだよその顔。ウザいんだが……。でも確かに嘘はついてないんだろうけどさ。

「いや普通は好きな人がいるとかでいいんだよ!なんでオレが好きって言っちゃうんだよ?」

「だって……先輩のこと好きなんだもん。」

 くそっ……こいつ……上目遣いすんなよ!可愛いじゃねぇか!

「あぁわかった。次からはそういう風に断ってくれ。頼む。」

「えぇーっ?面倒ですよぉ。それなら周りに付き合ってるって言っちゃえば良くないですか?隠すの大変ですよぉ」

「だから付き合ってねぇし!何も隠されてないだろ!」

 こいつ……わざとか?わざとなのか?なんなんだよこいつ……。オレの平穏が失われていく……。こうして学校にまで被害が及ぶようになっていくのだった。

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