【究極の押し掛けラブコメ】後輩ちゃんは先輩と付き合ってます!!?

夕姫

30. 実家に帰らせていただきます

30. 実家に帰らせていただきます



「あの……先輩。すごく言いにくいんですけど……怒らないでくださいね?」

「その言い方は怒るように誘導してるとしか思えんが?なんだよ?」

「明日からの週末なんですけど……実家に帰らせていただきます!」

「うん。勝手に帰ればいいだろ。いちいちオレに言うことじゃない」

「むぅ……冷たいですよ先輩!そこは『夏帆!行くな!オレはお前と一緒にいたいんだ!』とか言って欲しかったです。」

「なんでそんなアホなこと言わないといけないんだよ……」

 こいつは何を言っているのだろうか……。そもそも、オレと白石は付き合ってもいないし、一緒にいる理由もないわけだが……。

 まぁでもこいつなりに気を使ってくれてるのかもな。確かにこいつが隣に引っ越してきてから会わなかった日は一度もない。

「そんなこと言って先輩、寂しくないんですか私がいなくて?」

「別に、特に用事もないし、いつも通り過ごすだけだろ」

「ふーん。そうですか……私がいなくても平気ってことですね……。わかりましたよ!もういいです!」

 そう言って白石は顔を膨らませている。ウザいんだが……どうしろっていうんだよこれ……。

「あ、そうだ。先輩、週末の夕飯なんですけど冷蔵庫のタッパーに入ってますから。食べ終わったらタッパーを水に浸して置いてください。」

「え?ああ、わかった」

「あとお風呂入るときはちゃんとお水を飲んでから入ってください。熱中症が流行ってますから、あとあと、寝る時のエアコンの温度も下げすぎないでくださいね?私がいないと下げるでしょ先輩は」

「わ、わかってるよそれくらい……」

 なんだよこいつ……まるで母親みたいじゃないか……。

「じゃあ私は帰りますんで。また来週。」

 そう言って白石は自分の家へと帰って行った。なんにせよ久しぶりの1人の時間だから満喫するぞ!

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