【究極の押し掛けラブコメ】後輩ちゃんは先輩と付き合ってます!!?

夕姫

23. 難易度が高いけど楽しい

23. 難易度が高いけど楽しい



「あっ!……それダメ!先輩!」

「……。」

「もっと優しくしてください……」

「手加減しろって言ってんのか?」

「だって……私初めてなんですよ?」

「やめろ。なんか卑猥に聞こえるから。ただのゲームだろうが。お前が下手なだけだろ?」

 オレと白石は今、新しいゲームをやっている。最近発売されたパズルゲームだ。白石の言う通り、このゲームは難易度が高い。2人協力プレイなんだが……

「もうちょっと右に動かして下さいよぉ~」

「はいはい」

「あぁ~そこじゃないですぅ~」

「じゃあどこだよ?自分で動かせ」

「そうじゃなくてぇ~」

 このザマである。全然操作できない。こんなにも下手なのに白石はオレとゲームをやろうとする。一体何がしたいんだコイツは?まぁいいか。

「ほら、ここを動かせばいいんだろ?」

「そうです!先輩なら分かってくれると思ってました。さすが私の彼氏!」

「違うけどな。ほら、もういけるだろ?」

「はい!やったー!!クリアできました!!」

 本当に嬉しそうだな。こういう無邪気なところは可愛いな……。でも……少しウザいかな。いや……かなりウザいな。

「ねぇ先輩。私とゲームやって楽しいですか?」

「は?」

「私ゲーム下手ですよね?つまらなくないのかなって思って……」

「別に。それよりお前は楽しいのか?」

「はい。下手ですけどゲームやるのは好きですし、先輩となら何でも楽しいです!」

 すごい可愛い笑顔になる白石。それを見たオレは思わずドキッとする。顔も赤くなっていくのを感じた。そんな事を考えながらゲーム画面を見る。そこにはゲームオーバーの文字が表示されていた。

「うわっ!?ごめんなさい先輩!私のせいで……」

「なら……もっと上達するんだな。そしたらもっと楽しくなるだろ?ゲームくらいいつでも付き合ってやるからよ。」

 本当にこいつはウザい。でも一緒にいて悪い気にはならないんだよな。そんなことを思ってしまうオレがいた。

コメント

コメントを書く

「コメディー」の人気作品

書籍化作品