ポンコツお嬢様とその執事クソである
お嬢様、留守番しといてくださいね
綾さんが帰国し、私達は元の貧乏暮らしに戻った。
「お嬢様、今度の土曜日、ミミたんのライブに行ってきますね!」
と魚住はいい笑顔で言う。
「二次元キャラがどうやってライブすんのよ!」
「知らないんですか?二次元といえどもAR performersと言った新しい技術でモーションキャプチャーや映像技術を駆使し、
本当にミミたんがその場にいるかのような生身を感じる臨場感あるデジタルアイドルライブで、客の声援にもちゃんと答えてくれて、俺はもう昇天しそうです!!」
「何言ってんのか、全くわかんないけど早く死んで?」
と言うと魚住は
「まあ、そう言うことでチケット当選したので行ってきますね?
お嬢様、俺がいなくてもちゃんと留守番できますかね?」
とバカにしてくる。
「留守番くらいできるに決まってるでしょ?何歳だと思ってるのよ?」
「ええ?そうですか?
『拓磨がいなくて寂しい!行かないで拓磨!』
って実は思ってたりして?」
「ふっざけんじゃないわよ?全く。これっぽっちも、1ミリも思ってないから、安心してキモいライブに行きなさい」
「は?ミミたんはキモくねーだろうが?ぶち殺すぞコラ?」
とこめかみを高速でぐりぐりされた。
「痛い!痛い!痛い!!わかったから!やめて!」
「ミミたんは可愛いと3回言え!!」
と高速ぐりぐりに更に力を込め出すから私はたまらず
「ミミたんは可愛い!ミミたんは可愛い!ミミたんは可愛い!」
と言いようやくぐりぐりは止まった。
「まあ、とにかく行ってきます。あ、そうそう、最近近所で空き巣が出たそうで、気を付けてくださいね?」
と回覧板を渡される。
【空き巣注意!!
この地区に空き巣が発生しました。留守の際は充分戸締りをしっかりとご注意ください!!
パトロールを強化しておりますが、不審者を見かけたら警察までご相談ください!】
と書いてあった。
「やだ…。空き巣!?怖い…」
「まあ、家を留守にしたらの話ですが、お嬢様ちゃんと留守番しておくのですよ?良い子にしてたら飴ちゃんあげるから」
と魚住は私を幼稚園児みたいな扱いをして出かけていった。
「失礼しちゃうわ!どこの世界にこの歳で留守番できないアホがいるのよ!
でもとりあえず戸締りはしておかなきゃ」
と玄関の鍵と窓の鍵をしっかりとかけた。
ふう、これで大丈夫ね!
一安心して魚住のいつも座ってるリクライニングチェアーが目に入る。
「ふふふ、あいつ今居ないんだから座ったるわ!!」
と私はリクライニングチェアーに座ると…意外にもリラックスできた。
「くっ!あいつ!いつもこんな感じでくつろいで憎たらしい!!」
でもなんか眠くなってきて私はそのまま昼寝してしまった!
*
夕方…。起きると何かお風呂場の方から音がした!
ガチャガチャ、ガタン
と明らかに何者かの侵入音に私は回覧板の空き巣のことが頭をよぎる。
ひいいい!まさか!本当に!?
お風呂場の狭い窓から空き巣が入ってきたっての!?
こんなボロアパート狙わなくてもいいじゃないのよ!!
とにかく警察!いや、でも電話したらバレて私殴り殺されるんじゃ!?
そ、それよりどこかに隠れる!?私の室内テントかクローゼットか、トイレくらいしかないわ!!
そ、そうよ!トイレよ!鍵ついてるし!!
と私はトイレに素早く入り鍵をかけた!
ドタン、ガラッと音がして明らかに誰かが風呂場から出てきた!
ひいいいいい!!嘘でしょ!!?
本当に空き巣きたああああ!!
しかし私は、しまったと思った!スマホを室内テントの中に置きっぱなしにしてしまったのだ!これでは通報できない!!
私のアホー!!
どうしようどうしようどうしよう。わざと音を立てて退散…してくれるわけないか!
するとなんかガサゴソやってる音がする!!ま、まずい!盗まれちゃう!私のスマホやら魚住のパソコン、リクライニングチェアー!!
貧乏だけど食料も!!
魚住はいつもパソコンでミミたんを見ていたから無くなると泣くだろうし、ミミたんフィギュアも知らんけど大切にしていた。一万円くらいするやつ。
パンの耳齧りながら節約して私も買うの協力してあげたのに。
……。
こうなったら…、空き巣を倒すしかないわね!
私は静かにトイレから出てさっと風呂場に身を隠し、固そうな桶やらを腹に括り付け武装した!そして武器にトイレのスッポンとするやつを持った。この汚いのを空き巣の顔にスッポンして隙をつくりボッコボコにして通報してやるわ!
女だと思って侮るが如しよ!!
私は覚悟を決めて空き巣の前に出てスッポンを持ち構えて
「ゴラアアアア!!!何してんじゃゴラアアアア!!」
とめちゃくちゃ大声を張り上げ、スッポンを顔に投げつけようとした。
しかし、振り向いた男は……
「何してんすか、お嬢様。何その格好。ほんとアホか?」
「え?」
なんと魚住だった!
「あんた何でここに?」
「何でって…普通にライブ終わって帰ってきたんですけど、鍵無くしちゃって。
チャイム押したのにお嬢様出ないから、仕方なく風呂場から入ったんですよ。そしたら共同スペースにもいないし、マジどこに居たんだ?
後その愉快な格好ほんと何?」
と魚住はついに堪えきれず爆笑した。
私は恥ずかしさと怒りで
「ふっざけんじゃないわよー!空き巣かと思ったでしょ!!」
と怒鳴った。
*
「なるほど。俺のリクライニングチェアーで気持ち良く眠っててそれで俺を空き巣と間違えたと?」
とリクライニングチェアーで眠ってたこともバレた。
「だって…。あんただっていろいろ盗まれたら困るでしょ?」
と言うと魚住は
「……本当に空き巣が入ってたらお嬢様なんかぶっ殺されて、今頃この部屋、事故物件になってるとこですよ。
そもそも空き巣が狙うのは金持ちの家か高級マンションだろうよ!ここには入んねーよ」
と何故か頭をポンポンされた。
「お駄賃ね。とりあえず」
と魚住は留守番の駄賃として飴ちゃんをくれた。
しかし私の嫌いなハッカだったので
「ちょっと!私メロン味がいい!寄越しなさい!!」
と言うと魚住は手を上に掲げて
「ハハ、俺がメロンの王様だ!」
とバカみたいに大人気ない。ドタバタしてると隣からまた壁ドンされ
「うるせえ!!バカ共!!静かにしろ!」
と怒鳴られた。
「ごめんなさーい!うちのお嬢様が!」
と魚住はいつものように隣に謝ったら、
「喧嘩するなら俺にメロン味寄越せ!」
と返された。いい加減、隣の人が気になってきた。
「お嬢様、今度の土曜日、ミミたんのライブに行ってきますね!」
と魚住はいい笑顔で言う。
「二次元キャラがどうやってライブすんのよ!」
「知らないんですか?二次元といえどもAR performersと言った新しい技術でモーションキャプチャーや映像技術を駆使し、
本当にミミたんがその場にいるかのような生身を感じる臨場感あるデジタルアイドルライブで、客の声援にもちゃんと答えてくれて、俺はもう昇天しそうです!!」
「何言ってんのか、全くわかんないけど早く死んで?」
と言うと魚住は
「まあ、そう言うことでチケット当選したので行ってきますね?
お嬢様、俺がいなくてもちゃんと留守番できますかね?」
とバカにしてくる。
「留守番くらいできるに決まってるでしょ?何歳だと思ってるのよ?」
「ええ?そうですか?
『拓磨がいなくて寂しい!行かないで拓磨!』
って実は思ってたりして?」
「ふっざけんじゃないわよ?全く。これっぽっちも、1ミリも思ってないから、安心してキモいライブに行きなさい」
「は?ミミたんはキモくねーだろうが?ぶち殺すぞコラ?」
とこめかみを高速でぐりぐりされた。
「痛い!痛い!痛い!!わかったから!やめて!」
「ミミたんは可愛いと3回言え!!」
と高速ぐりぐりに更に力を込め出すから私はたまらず
「ミミたんは可愛い!ミミたんは可愛い!ミミたんは可愛い!」
と言いようやくぐりぐりは止まった。
「まあ、とにかく行ってきます。あ、そうそう、最近近所で空き巣が出たそうで、気を付けてくださいね?」
と回覧板を渡される。
【空き巣注意!!
この地区に空き巣が発生しました。留守の際は充分戸締りをしっかりとご注意ください!!
パトロールを強化しておりますが、不審者を見かけたら警察までご相談ください!】
と書いてあった。
「やだ…。空き巣!?怖い…」
「まあ、家を留守にしたらの話ですが、お嬢様ちゃんと留守番しておくのですよ?良い子にしてたら飴ちゃんあげるから」
と魚住は私を幼稚園児みたいな扱いをして出かけていった。
「失礼しちゃうわ!どこの世界にこの歳で留守番できないアホがいるのよ!
でもとりあえず戸締りはしておかなきゃ」
と玄関の鍵と窓の鍵をしっかりとかけた。
ふう、これで大丈夫ね!
一安心して魚住のいつも座ってるリクライニングチェアーが目に入る。
「ふふふ、あいつ今居ないんだから座ったるわ!!」
と私はリクライニングチェアーに座ると…意外にもリラックスできた。
「くっ!あいつ!いつもこんな感じでくつろいで憎たらしい!!」
でもなんか眠くなってきて私はそのまま昼寝してしまった!
*
夕方…。起きると何かお風呂場の方から音がした!
ガチャガチャ、ガタン
と明らかに何者かの侵入音に私は回覧板の空き巣のことが頭をよぎる。
ひいいい!まさか!本当に!?
お風呂場の狭い窓から空き巣が入ってきたっての!?
こんなボロアパート狙わなくてもいいじゃないのよ!!
とにかく警察!いや、でも電話したらバレて私殴り殺されるんじゃ!?
そ、それよりどこかに隠れる!?私の室内テントかクローゼットか、トイレくらいしかないわ!!
そ、そうよ!トイレよ!鍵ついてるし!!
と私はトイレに素早く入り鍵をかけた!
ドタン、ガラッと音がして明らかに誰かが風呂場から出てきた!
ひいいいいい!!嘘でしょ!!?
本当に空き巣きたああああ!!
しかし私は、しまったと思った!スマホを室内テントの中に置きっぱなしにしてしまったのだ!これでは通報できない!!
私のアホー!!
どうしようどうしようどうしよう。わざと音を立てて退散…してくれるわけないか!
するとなんかガサゴソやってる音がする!!ま、まずい!盗まれちゃう!私のスマホやら魚住のパソコン、リクライニングチェアー!!
貧乏だけど食料も!!
魚住はいつもパソコンでミミたんを見ていたから無くなると泣くだろうし、ミミたんフィギュアも知らんけど大切にしていた。一万円くらいするやつ。
パンの耳齧りながら節約して私も買うの協力してあげたのに。
……。
こうなったら…、空き巣を倒すしかないわね!
私は静かにトイレから出てさっと風呂場に身を隠し、固そうな桶やらを腹に括り付け武装した!そして武器にトイレのスッポンとするやつを持った。この汚いのを空き巣の顔にスッポンして隙をつくりボッコボコにして通報してやるわ!
女だと思って侮るが如しよ!!
私は覚悟を決めて空き巣の前に出てスッポンを持ち構えて
「ゴラアアアア!!!何してんじゃゴラアアアア!!」
とめちゃくちゃ大声を張り上げ、スッポンを顔に投げつけようとした。
しかし、振り向いた男は……
「何してんすか、お嬢様。何その格好。ほんとアホか?」
「え?」
なんと魚住だった!
「あんた何でここに?」
「何でって…普通にライブ終わって帰ってきたんですけど、鍵無くしちゃって。
チャイム押したのにお嬢様出ないから、仕方なく風呂場から入ったんですよ。そしたら共同スペースにもいないし、マジどこに居たんだ?
後その愉快な格好ほんと何?」
と魚住はついに堪えきれず爆笑した。
私は恥ずかしさと怒りで
「ふっざけんじゃないわよー!空き巣かと思ったでしょ!!」
と怒鳴った。
*
「なるほど。俺のリクライニングチェアーで気持ち良く眠っててそれで俺を空き巣と間違えたと?」
とリクライニングチェアーで眠ってたこともバレた。
「だって…。あんただっていろいろ盗まれたら困るでしょ?」
と言うと魚住は
「……本当に空き巣が入ってたらお嬢様なんかぶっ殺されて、今頃この部屋、事故物件になってるとこですよ。
そもそも空き巣が狙うのは金持ちの家か高級マンションだろうよ!ここには入んねーよ」
と何故か頭をポンポンされた。
「お駄賃ね。とりあえず」
と魚住は留守番の駄賃として飴ちゃんをくれた。
しかし私の嫌いなハッカだったので
「ちょっと!私メロン味がいい!寄越しなさい!!」
と言うと魚住は手を上に掲げて
「ハハ、俺がメロンの王様だ!」
とバカみたいに大人気ない。ドタバタしてると隣からまた壁ドンされ
「うるせえ!!バカ共!!静かにしろ!」
と怒鳴られた。
「ごめんなさーい!うちのお嬢様が!」
と魚住はいつものように隣に謝ったら、
「喧嘩するなら俺にメロン味寄越せ!」
と返された。いい加減、隣の人が気になってきた。
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