【大賢者の弟子?相棒?】世界の為に尽くした大賢者は転生したらただの『アイアンソード』で草生えたので、とりあえず貴族令嬢を最強にする事に決めました。
58. 決意表明
58. 決意表明
フランガラン王城で六魔将のマモンと死闘を繰り広げてから3日が立つ。あの時からサーシャは眠ったままだ。ずっと目を覚まさない。私は不安で仕方がなかった。サーシャには傷ついて欲しくなかった。だから守ろうとした。でも結局は守りきれなかった。その事実が悔しかった。
サーシャ……そう呟くけど誰にも聞こえない。私はただの『アイアンソード』だから……。
そんなことを考えていると扉が開かれマーリンが入ってくる。マーリンも戦いの傷は完全に癒えていない、魔力も使い果たしたけど生活には支障はないくらいに回復している。
「ふむ……まだ起きぬか。今日はリズの決意表明の日なんじゃがな」
リズは王家の血縁の唯一の生き残りとして今日、大広場でフランガラン帝国の民に向けて演説をするらしい。その前にサーシャが目覚めないかと思ってやってきたようだ。
「まあよい。生きているだけでもありがたいことじゃ。……正直助けられたのう。ありがとなサーシャ」
「……」
マーリンは眠っているサーシャの頭を撫でる。その表情はどこか悲しげなものだった。きっと自分の力が足りなかったことを悔いているのだろう。私だってそうだ。もっと力があればサーシャがこんな目に遭うことはなかった。私が弱いせいだ。
「……リズの所に行ってくるかのう」
「マーリン……様?」
するとサーシャがゆっくりと瞼を開ける。良かった……本当に良かったわ!
「お、おお!目覚めたかサーシャよ!」
「はい……ご心配をおかけしました……」
「うむ、全くじゃ。じゃが無事でよかったわい」
「それで……あれからどうなったんですか?」
「は?覚えとらんのか?お主がマモンを撃退したのじゃぞ?」
「へ?私がですか?」
サーシャは首を傾げている。どうやらマモンとの戦いの記憶がないらしい。どうなってるのよ一体……。
「マーリン様どこかに行くんですか?」
「うむ。リズが決意表明の演説をするようでな。それを見に行くのじゃ。お主は休んでおれ、あとで顔を見せてやるとよい」
「分かりました」
そう言ってマーリンは部屋から出ていく。するとサーシャは立ち上がり窓の外を見る。そしてしばらくボーッとしていた。
「私は……あの時壁に思い切り叩き付けられて……それからどうしたんだっけ……」
サーシャは頭を抑えながら考え込む。私にもなぜサーシャが無意識でマモンと戦い続けたのかは分からないけど、あの時のサーシャはまるであの人のような動きをしていた……。
「考えても思い出せない。そんなことより、私も大広場に行かないと。リズさんの演説を聞かなきゃ」
そしてサーシャはそのまま部屋を出て大広場に向かう。そこにはすでに大勢の民が集まっていた。
「マーリン様どこかな?あっいた!」
サーシャが見ている方向に鮮やかなピンク色のツインテールの少女が見える。ここからでも分かるなんて余程よねマーリンの髪の色は。サーシャはそのままマーリンの元に向かう。
「マーリン様」
「サーシャ?体調は大丈夫なのかのう?」
「はい。もうすっかり良くなりました!」
そんな会話をしていると、壇上にリズが上がり大きく深呼吸をしてから話し始める。
「……私はリーゼロッテ=フランガラン。フランガランの民よ、この度はよく集まってくれました。まずは感謝致しますわ」
そしてリズは深々と頭を下げる。その姿を見た民たちは驚きの声をあげる。それはそうだ、一国の王たる者が一国民に対してここまでするのだから。ましてや生きているなどと誰も思っていなかったところに突然現れ、しかもフランガラン帝国を救ってくれたのがリズなのだから。
「私はこの国の王です。しかし、私は今とても情けない気持ちにさせられています。なぜならば私の国は滅ぼされてしまい、私自身も命の危機にさらされていました。なのに私は何も出来ずにいました。民を守るべき王が真っ先に狙われるなどあってはならぬことです。私は王失格なのです」
その言葉を聞いた民たちからは大きな声が上がる。だが、リズはそれでも続ける。
「私は魔族に屈し、殺されそうになったところをある方たちに助けられました。その方たちは、このフランガラン帝国とはまったく無関係な方たち。それでも強き信念を持ち、六魔将のマモンを撃退し、フランガランの民を守ってくださいました」
その事実を聞いて民衆から更に大きな歓声があがる。
「私は決めたのです。これからは私自身が強くなると!そして民たちを守るために戦うと!!そのために私はフランガラン帝国を再建することをここに宣言します!!」
その瞬間、再び大きな歓声が沸き起こる。こうしてフランガラン王国の再興は成されたのだ。
「うむ。いい演説じゃな。」
「はい。きっとこのフランガラン帝国は良くなりますよ。リズさんが王女様なら」
サーシャとマーリンはその民衆の様子を見て微笑みながら話す。
「あのマーリン様……私もっと強くなります!マーリン様に守られるだけじゃなくて、マーリン様も守れるくらい強く!」
「ふぉっふおっふおっ、そうかそうか。じゃがワシはそう簡単には死なんぞ?」
「ふふっ、分かっています。だから一緒に頑張りましょうね?」
「ああ、そうじゃな」
2人は笑い合い、共に前へと進むことを決意するのであった。
フランガラン王城で六魔将のマモンと死闘を繰り広げてから3日が立つ。あの時からサーシャは眠ったままだ。ずっと目を覚まさない。私は不安で仕方がなかった。サーシャには傷ついて欲しくなかった。だから守ろうとした。でも結局は守りきれなかった。その事実が悔しかった。
サーシャ……そう呟くけど誰にも聞こえない。私はただの『アイアンソード』だから……。
そんなことを考えていると扉が開かれマーリンが入ってくる。マーリンも戦いの傷は完全に癒えていない、魔力も使い果たしたけど生活には支障はないくらいに回復している。
「ふむ……まだ起きぬか。今日はリズの決意表明の日なんじゃがな」
リズは王家の血縁の唯一の生き残りとして今日、大広場でフランガラン帝国の民に向けて演説をするらしい。その前にサーシャが目覚めないかと思ってやってきたようだ。
「まあよい。生きているだけでもありがたいことじゃ。……正直助けられたのう。ありがとなサーシャ」
「……」
マーリンは眠っているサーシャの頭を撫でる。その表情はどこか悲しげなものだった。きっと自分の力が足りなかったことを悔いているのだろう。私だってそうだ。もっと力があればサーシャがこんな目に遭うことはなかった。私が弱いせいだ。
「……リズの所に行ってくるかのう」
「マーリン……様?」
するとサーシャがゆっくりと瞼を開ける。良かった……本当に良かったわ!
「お、おお!目覚めたかサーシャよ!」
「はい……ご心配をおかけしました……」
「うむ、全くじゃ。じゃが無事でよかったわい」
「それで……あれからどうなったんですか?」
「は?覚えとらんのか?お主がマモンを撃退したのじゃぞ?」
「へ?私がですか?」
サーシャは首を傾げている。どうやらマモンとの戦いの記憶がないらしい。どうなってるのよ一体……。
「マーリン様どこかに行くんですか?」
「うむ。リズが決意表明の演説をするようでな。それを見に行くのじゃ。お主は休んでおれ、あとで顔を見せてやるとよい」
「分かりました」
そう言ってマーリンは部屋から出ていく。するとサーシャは立ち上がり窓の外を見る。そしてしばらくボーッとしていた。
「私は……あの時壁に思い切り叩き付けられて……それからどうしたんだっけ……」
サーシャは頭を抑えながら考え込む。私にもなぜサーシャが無意識でマモンと戦い続けたのかは分からないけど、あの時のサーシャはまるであの人のような動きをしていた……。
「考えても思い出せない。そんなことより、私も大広場に行かないと。リズさんの演説を聞かなきゃ」
そしてサーシャはそのまま部屋を出て大広場に向かう。そこにはすでに大勢の民が集まっていた。
「マーリン様どこかな?あっいた!」
サーシャが見ている方向に鮮やかなピンク色のツインテールの少女が見える。ここからでも分かるなんて余程よねマーリンの髪の色は。サーシャはそのままマーリンの元に向かう。
「マーリン様」
「サーシャ?体調は大丈夫なのかのう?」
「はい。もうすっかり良くなりました!」
そんな会話をしていると、壇上にリズが上がり大きく深呼吸をしてから話し始める。
「……私はリーゼロッテ=フランガラン。フランガランの民よ、この度はよく集まってくれました。まずは感謝致しますわ」
そしてリズは深々と頭を下げる。その姿を見た民たちは驚きの声をあげる。それはそうだ、一国の王たる者が一国民に対してここまでするのだから。ましてや生きているなどと誰も思っていなかったところに突然現れ、しかもフランガラン帝国を救ってくれたのがリズなのだから。
「私はこの国の王です。しかし、私は今とても情けない気持ちにさせられています。なぜならば私の国は滅ぼされてしまい、私自身も命の危機にさらされていました。なのに私は何も出来ずにいました。民を守るべき王が真っ先に狙われるなどあってはならぬことです。私は王失格なのです」
その言葉を聞いた民たちからは大きな声が上がる。だが、リズはそれでも続ける。
「私は魔族に屈し、殺されそうになったところをある方たちに助けられました。その方たちは、このフランガラン帝国とはまったく無関係な方たち。それでも強き信念を持ち、六魔将のマモンを撃退し、フランガランの民を守ってくださいました」
その事実を聞いて民衆から更に大きな歓声があがる。
「私は決めたのです。これからは私自身が強くなると!そして民たちを守るために戦うと!!そのために私はフランガラン帝国を再建することをここに宣言します!!」
その瞬間、再び大きな歓声が沸き起こる。こうしてフランガラン王国の再興は成されたのだ。
「うむ。いい演説じゃな。」
「はい。きっとこのフランガラン帝国は良くなりますよ。リズさんが王女様なら」
サーシャとマーリンはその民衆の様子を見て微笑みながら話す。
「あのマーリン様……私もっと強くなります!マーリン様に守られるだけじゃなくて、マーリン様も守れるくらい強く!」
「ふぉっふおっふおっ、そうかそうか。じゃがワシはそう簡単には死なんぞ?」
「ふふっ、分かっています。だから一緒に頑張りましょうね?」
「ああ、そうじゃな」
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