【大賢者の弟子?相棒?】世界の為に尽くした大賢者は転生したらただの『アイアンソード』で草生えたので、とりあえず貴族令嬢を最強にする事に決めました。
54. 潜入
54. 潜入
廃屋の外に出ると、空はすっかり暗くなっていた。サーシャたちは急いで城門に向かって走り出す。
「夜。好都合ですわ。門番に気づかれずに入り込めますもの」
「え?気づかれずに?」
「ふむ。また抜け道があるのかの?」
「あら?イヤなんですのサーシャ、マーリン様。正面突破がご所望ならそれでも構いませんわよ?」
出た。リズのプリンセスジョーク。でも今回ばかりは冗談でもないかも知れないみたいね。その証拠に目がマジだし。
「ほっほっほ。面白い小娘じゃなお主は」
マーリンは愉快そうに笑う。私としては勘弁してほしいところだけどね。城門まで辿り着くと3人で息を整える。
「さて……ここからどうしますか?」
「ふむ。あまり時間をかけるわけにもいかんしのぉ……」
「なら正面突破しかありませんわね。」
リズはそう言うと2人の返事を待たずにスタスタ歩きだす。やれやれ。こうなったら仕方がないわね。サーシャとマーリンはリズの後に続く。
城門には見張りの兵士が2人立っている。リズはその兵士の前に立つと声をかけた。
「そこの兵士さん。ちょっといいかしら?」
「ん?なんだ嬢ちゃんたち。こんな時間になにしてんだ」
「えっと……実は迷子になってしまって困っているのですわ。もし宜しかったら街までの道を案内してくれませんこと?」
「おいおい。いくらなんでもそりゃ無理だぜ。オレたちだって仕事中だからなぁ」
まぁ当然の反応よね。サーシャは苦笑いを浮かべるしかない。すると後ろからため息混じりの声がかかる。
「お主なぁ……嘘をつくにしてももう少しマシなものはないのかの?」
「うっ……」
そんなやり取りをしていると兵士の様子が一変する。それはまるで誰かに操られたかのように突然態度を変え、剣を抜き襲いかかってくる。
「邪魔者は消す!何者であってもこの城に……ぐぁ!」
リズは咄嵯の判断でレイピアを引き抜き、襲ってきた兵士の脇腹を突き刺す。そのまま振り払うと兵士は吹き飛ばされて倒れる。そしてもう1人の兵士も同じくリズのレイピアで倒される。なになに?このお姫様強いんだけどさ……。
「おっと。いきなり危ないですわね。油断も隙もないったらないですわ」
「リズさん!大丈夫ですか!?」
「えぇ。なんとかね。」
リズはそう言って微笑みかける。しかしすぐに真剣な表情に戻り、倒れている兵士を睨みつける。そしてマーリンがその兵士を見て話し始める。
「……見てみよ。こいつらはもうすでに死んでおる。」
「当然ですわ私のレイピアで貫きましたもの」
「バカ者。違う。こやつらはすでに死んでおったと言っておるのじゃ。つまり……」
「死体を傀儡のように動かされた……ということですか?」
「……そういうことじゃな」
なかなか厄介なことになってきたわね。つまり、この王城はすでに屍兵だらけってことになる。これはかなりマズいわね。
「リズさん……」
「分かっているわサーシャ。例え、この国がすでに崩壊しているとしてもアルガスだけはこの手で私が仕留めますわ」
リズの目には覚悟が宿っていた。その目は真っ直ぐ前を見据えている。そこには悲しみと怒りが入り交じっているように見えた。マーリンもサーシャもその気持ちは痛いほど理解できた。だからこそ、ここで立ち止まるわけにはいかない。
「急ぎましょう!アルガスを倒しますわよ」
「はい!」
「あぁ。行くぞい!」
3人は城内へと足を踏み入れる。そこは死臭が漂っていて、鼻につくような不快な臭いだった。そして至る所で骸骨兵が徘徊していた。サーシャたちはそれをやり過ごしながら先に進む。
「なんて数ですの……これじゃキリがないですわ!」
「任せるのじゃサーシャ!リズ!ワシの後ろに下がるのじゃ!!」
マーリンは杖を構えて詠唱を始める。
「我喰らう。深淵なる闇よ。光を飲み込む虚無よ。今こそ我に力を貸し与え給え!!《ダークネス・ホール》」
マーリンが魔法を唱えると、闇の渦が出現した。その大きさは尋常ではなく、まるで巨大な口が開いたように思える。そしてその口から無数の黒い手が飛び出してきた。黒い手は次々と骸骨兵を掴んでは引きずり込んでいく。やがてその大きな穴は消えていき跡形もなく消えた。
「凄い……こんなにたくさんの敵を一瞬で……マーリン様はやっぱり大魔女様ですね!」
「ほっほ。魔力が戻ればもっと威力のあるものを見せてやれるぞい」
「流石ですわね。マーリン様。」
マーリンはまんざらでもない様子だ。少し照れくさそうな顔をして頭を掻いている。サーシャとリズは微笑ましい光景に思わず笑みが溢れる。
「お主ら、笑ってる場合じゃないじゃろ……行くぞ!このまま王の間を目指すのじゃ!」
「はい!」
「分かりましたわ!」
3人は走り出す。道なりに進み階段を上ると豪華な装飾が施された扉が見えてくる。恐らくあれが玉座の間の入り口だろう。サーシャたちはついにアルガスがいる玉座の間にたどり着くのだった。
廃屋の外に出ると、空はすっかり暗くなっていた。サーシャたちは急いで城門に向かって走り出す。
「夜。好都合ですわ。門番に気づかれずに入り込めますもの」
「え?気づかれずに?」
「ふむ。また抜け道があるのかの?」
「あら?イヤなんですのサーシャ、マーリン様。正面突破がご所望ならそれでも構いませんわよ?」
出た。リズのプリンセスジョーク。でも今回ばかりは冗談でもないかも知れないみたいね。その証拠に目がマジだし。
「ほっほっほ。面白い小娘じゃなお主は」
マーリンは愉快そうに笑う。私としては勘弁してほしいところだけどね。城門まで辿り着くと3人で息を整える。
「さて……ここからどうしますか?」
「ふむ。あまり時間をかけるわけにもいかんしのぉ……」
「なら正面突破しかありませんわね。」
リズはそう言うと2人の返事を待たずにスタスタ歩きだす。やれやれ。こうなったら仕方がないわね。サーシャとマーリンはリズの後に続く。
城門には見張りの兵士が2人立っている。リズはその兵士の前に立つと声をかけた。
「そこの兵士さん。ちょっといいかしら?」
「ん?なんだ嬢ちゃんたち。こんな時間になにしてんだ」
「えっと……実は迷子になってしまって困っているのですわ。もし宜しかったら街までの道を案内してくれませんこと?」
「おいおい。いくらなんでもそりゃ無理だぜ。オレたちだって仕事中だからなぁ」
まぁ当然の反応よね。サーシャは苦笑いを浮かべるしかない。すると後ろからため息混じりの声がかかる。
「お主なぁ……嘘をつくにしてももう少しマシなものはないのかの?」
「うっ……」
そんなやり取りをしていると兵士の様子が一変する。それはまるで誰かに操られたかのように突然態度を変え、剣を抜き襲いかかってくる。
「邪魔者は消す!何者であってもこの城に……ぐぁ!」
リズは咄嵯の判断でレイピアを引き抜き、襲ってきた兵士の脇腹を突き刺す。そのまま振り払うと兵士は吹き飛ばされて倒れる。そしてもう1人の兵士も同じくリズのレイピアで倒される。なになに?このお姫様強いんだけどさ……。
「おっと。いきなり危ないですわね。油断も隙もないったらないですわ」
「リズさん!大丈夫ですか!?」
「えぇ。なんとかね。」
リズはそう言って微笑みかける。しかしすぐに真剣な表情に戻り、倒れている兵士を睨みつける。そしてマーリンがその兵士を見て話し始める。
「……見てみよ。こいつらはもうすでに死んでおる。」
「当然ですわ私のレイピアで貫きましたもの」
「バカ者。違う。こやつらはすでに死んでおったと言っておるのじゃ。つまり……」
「死体を傀儡のように動かされた……ということですか?」
「……そういうことじゃな」
なかなか厄介なことになってきたわね。つまり、この王城はすでに屍兵だらけってことになる。これはかなりマズいわね。
「リズさん……」
「分かっているわサーシャ。例え、この国がすでに崩壊しているとしてもアルガスだけはこの手で私が仕留めますわ」
リズの目には覚悟が宿っていた。その目は真っ直ぐ前を見据えている。そこには悲しみと怒りが入り交じっているように見えた。マーリンもサーシャもその気持ちは痛いほど理解できた。だからこそ、ここで立ち止まるわけにはいかない。
「急ぎましょう!アルガスを倒しますわよ」
「はい!」
「あぁ。行くぞい!」
3人は城内へと足を踏み入れる。そこは死臭が漂っていて、鼻につくような不快な臭いだった。そして至る所で骸骨兵が徘徊していた。サーシャたちはそれをやり過ごしながら先に進む。
「なんて数ですの……これじゃキリがないですわ!」
「任せるのじゃサーシャ!リズ!ワシの後ろに下がるのじゃ!!」
マーリンは杖を構えて詠唱を始める。
「我喰らう。深淵なる闇よ。光を飲み込む虚無よ。今こそ我に力を貸し与え給え!!《ダークネス・ホール》」
マーリンが魔法を唱えると、闇の渦が出現した。その大きさは尋常ではなく、まるで巨大な口が開いたように思える。そしてその口から無数の黒い手が飛び出してきた。黒い手は次々と骸骨兵を掴んでは引きずり込んでいく。やがてその大きな穴は消えていき跡形もなく消えた。
「凄い……こんなにたくさんの敵を一瞬で……マーリン様はやっぱり大魔女様ですね!」
「ほっほ。魔力が戻ればもっと威力のあるものを見せてやれるぞい」
「流石ですわね。マーリン様。」
マーリンはまんざらでもない様子だ。少し照れくさそうな顔をして頭を掻いている。サーシャとリズは微笑ましい光景に思わず笑みが溢れる。
「お主ら、笑ってる場合じゃないじゃろ……行くぞ!このまま王の間を目指すのじゃ!」
「はい!」
「分かりましたわ!」
3人は走り出す。道なりに進み階段を上ると豪華な装飾が施された扉が見えてくる。恐らくあれが玉座の間の入り口だろう。サーシャたちはついにアルガスがいる玉座の間にたどり着くのだった。
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