【大賢者の弟子?相棒?】世界の為に尽くした大賢者は転生したらただの『アイアンソード』で草生えたので、とりあえず貴族令嬢を最強にする事に決めました。
49. 選択肢
49. 選択肢
「剣の精霊様にゃ?」
「はい!」
「それはすごいのにゃ!もしかしてその剣は神器なのにゃ?」
「いえ。これはただの『アイアンソード』ですよ」
リズは舐め回すように私の事を柄から剣先まで見る。いやーん。そんなに見ないで恥ずかしいじゃない。
「確かに普通の『アイアンソード』にしか見えないにゃ……。けど精霊が宿った武器は特別な力を秘めている事が多いと聞くにゃん。もっと調べれば……秘密が……」
「あの……」
リズの圧にサーシャが困っているとマーリンが声をかける。その表情は真剣な眼差しだ。なに?一体どうしたのよ?
「秘密のう……。お主こそ秘密を話したらどうなんじゃリズ?」
「え?マーリン様?」
「……何のことにゃ?」
「白々しいぞい。お主はただの猫耳のメイドではない。握手をした時に分かった。無理に魔力を抑えておるとの。ワシは大魔女じゃ、欺けると思ったか?」
マーリンのその言葉にリズは不敵に笑う。
「お主……何者じゃ?」
「リズさん……」
リズはそのまま猫耳と尻尾をとり縛っていた髪をほどく。燃えるような赤髪とそして全てを見透かす緋色の瞳で見つめるとサーシャとマーリンに話し始める。
「……本当にあの英雄の大魔女なのですわね。それならもう隠す意味もありませんわね。私はリーゼロッテ=フランガラン。王家の直系にして前国王の娘ですわ。」
「ふぇ!?王家の血筋!?」
「それで?お主は何をするつもりなのじゃ?」
「簡単な事ですわ。この国の腐敗を正すため、現国王を殺しに来たのです」
「国のためと言いながら現国王の暗殺とは……随分と物騒じゃのぅ」
「当然ですわ。王族である以上国民のために尽くさなければならない。それを理解していない現国王のアルガスが許せないのですわ。だから殺す。それだけの事ですわ」
リズことリーゼロッテ様の話だと、彼女は元々この国の第一王女だったらしい。彼女が10歳となった時、遂に革命が起きる。前国王の父親が死んだのだ。そしてその死に方が不自然すぎたらしく、誰かが裏にいるという噂が流れた。
それが元側近で現国王のアルガス。そして邪魔な王家の血筋を根絶やしにした。リーゼロッテ様はなんとかこの秘密の抜け道を使って逃げ延びたらしい。
「私が逃げるとき見たものは、私や母を庇い血を流し倒れていく使用人たちの姿でしたわ……。そして母までもが……。」
なるほど。姿を変えて機会を伺っていたのね。しかし、なんで今になって行動を起こしたのかしら?
「何故、今更行動をおこしたのじゃ?」
マーリンも同じ疑問を持っていたようだ。私も知りたいところだけど。
「理由は簡単ですわ。ここ1ヶ月の間にあのアルガスは近隣の街や村を独裁で支配しはじめた。そして私が生きていることが知られて探して始末しようとしている。更に魔物も活発化している。これ以上この国が荒れる前にこの手で止めようと思いましたの」
その話を聞いてサーシャがあることを確認する。
「もしかして……リズさん……いやリーゼロッテ様は『紅蓮の仔』なのではないですか?」
「あら?知っていたのね。そうよ。私は『紅蓮の仔』。始末する理由としてそれもあったのでしょうね。でも王族の血を絶やすわけにはいかない。けれどこのままでは民が犠牲になる。だから私は命をかけて戦うしかないのですわ!」
そう力強く話すリーゼロッテ様。戦う理由、そして民を守りたいという気持ちが強く伝わってくる。でもそんな彼女にマーリンは告げる。
「なるほど。まだ力は暴走しておらんようじゃの。……ならばお主には選択肢があるのじゃ」
マーリンの言葉にリーゼロッテは目を見開く。そしてゆっくりと尋ねる。その表情は不安と希望が入り交じった複雑なものだった。
「剣の精霊様にゃ?」
「はい!」
「それはすごいのにゃ!もしかしてその剣は神器なのにゃ?」
「いえ。これはただの『アイアンソード』ですよ」
リズは舐め回すように私の事を柄から剣先まで見る。いやーん。そんなに見ないで恥ずかしいじゃない。
「確かに普通の『アイアンソード』にしか見えないにゃ……。けど精霊が宿った武器は特別な力を秘めている事が多いと聞くにゃん。もっと調べれば……秘密が……」
「あの……」
リズの圧にサーシャが困っているとマーリンが声をかける。その表情は真剣な眼差しだ。なに?一体どうしたのよ?
「秘密のう……。お主こそ秘密を話したらどうなんじゃリズ?」
「え?マーリン様?」
「……何のことにゃ?」
「白々しいぞい。お主はただの猫耳のメイドではない。握手をした時に分かった。無理に魔力を抑えておるとの。ワシは大魔女じゃ、欺けると思ったか?」
マーリンのその言葉にリズは不敵に笑う。
「お主……何者じゃ?」
「リズさん……」
リズはそのまま猫耳と尻尾をとり縛っていた髪をほどく。燃えるような赤髪とそして全てを見透かす緋色の瞳で見つめるとサーシャとマーリンに話し始める。
「……本当にあの英雄の大魔女なのですわね。それならもう隠す意味もありませんわね。私はリーゼロッテ=フランガラン。王家の直系にして前国王の娘ですわ。」
「ふぇ!?王家の血筋!?」
「それで?お主は何をするつもりなのじゃ?」
「簡単な事ですわ。この国の腐敗を正すため、現国王を殺しに来たのです」
「国のためと言いながら現国王の暗殺とは……随分と物騒じゃのぅ」
「当然ですわ。王族である以上国民のために尽くさなければならない。それを理解していない現国王のアルガスが許せないのですわ。だから殺す。それだけの事ですわ」
リズことリーゼロッテ様の話だと、彼女は元々この国の第一王女だったらしい。彼女が10歳となった時、遂に革命が起きる。前国王の父親が死んだのだ。そしてその死に方が不自然すぎたらしく、誰かが裏にいるという噂が流れた。
それが元側近で現国王のアルガス。そして邪魔な王家の血筋を根絶やしにした。リーゼロッテ様はなんとかこの秘密の抜け道を使って逃げ延びたらしい。
「私が逃げるとき見たものは、私や母を庇い血を流し倒れていく使用人たちの姿でしたわ……。そして母までもが……。」
なるほど。姿を変えて機会を伺っていたのね。しかし、なんで今になって行動を起こしたのかしら?
「何故、今更行動をおこしたのじゃ?」
マーリンも同じ疑問を持っていたようだ。私も知りたいところだけど。
「理由は簡単ですわ。ここ1ヶ月の間にあのアルガスは近隣の街や村を独裁で支配しはじめた。そして私が生きていることが知られて探して始末しようとしている。更に魔物も活発化している。これ以上この国が荒れる前にこの手で止めようと思いましたの」
その話を聞いてサーシャがあることを確認する。
「もしかして……リズさん……いやリーゼロッテ様は『紅蓮の仔』なのではないですか?」
「あら?知っていたのね。そうよ。私は『紅蓮の仔』。始末する理由としてそれもあったのでしょうね。でも王族の血を絶やすわけにはいかない。けれどこのままでは民が犠牲になる。だから私は命をかけて戦うしかないのですわ!」
そう力強く話すリーゼロッテ様。戦う理由、そして民を守りたいという気持ちが強く伝わってくる。でもそんな彼女にマーリンは告げる。
「なるほど。まだ力は暴走しておらんようじゃの。……ならばお主には選択肢があるのじゃ」
マーリンの言葉にリーゼロッテは目を見開く。そしてゆっくりと尋ねる。その表情は不安と希望が入り交じった複雑なものだった。
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