【大賢者の弟子?相棒?】世界の為に尽くした大賢者は転生したらただの『アイアンソード』で草生えたので、とりあえず貴族令嬢を最強にする事に決めました。
44. 猫のメイド
44. 猫のメイド
サーシャはマーリンの後を追いかけ、宿屋に入ることにする。その宿屋は2階建てで木造建築の建物である。看板を見るとどうやら食事処も兼ねているようだ。
「いらっしゃいませ」
店内に入ると若いメイド姿の女性の声が聞こえる。サーシャはその声の主の方に目を向けた。
「猫耳?猫族の方ですか?」
その女性はサーシャより少し年上の赤髪の美人な女性であった。しかしその頭には獣の耳が、お尻には尻尾がついている。
「私の種族はケットシー族ですにゃ。お客さんはこの国の人じゃないですね。他国の方ですかにゃ?」
「はい。私たちはセントレアから来ました」
「そうなんですかにゃ。ずいぶん遠いところから来てるんですね」
そんなサーシャとメイドさんの話を聞いてマーリンは急かすようにサーシャに話しかけてきた。
「何をしておるのじゃ?はよ宿を取るぞ」
「すいません。猫族の方は初めて見るのでつい……」
「バカ者。そこのメイドは人間じゃ。そんなこともわからぬのか?」
「えっ?」
サーシャは驚きながら改めて猫のメイドさんの顔を見る。確かに言われてみると人間の顔をしている。なんでこの人猫耳や尻尾つけてるのよ……
「ごめんなさい……私ったら気づかなくて……」
「いえいえ気にしないでくださいにゃ。私は気にしていませんにゃ!よろしくにゃん!お連れ様もよろしくにゃん!」
その猫のメイドさんはサーシャとマーリンに握手をする。手を大袈裟にブンブンと振っている。いやいやこっちが気にするんだけどさ。なんか調子狂うわねこのメイドさん。
「それで今日は泊まりですかにゃ?」
「えっと……」
「そうじゃの……とりあえず1週間ほどお願いできるかの?」
「わかりましたにゃ。1週間後にチェックアウトの時に料金を払ってくれればいいですにゃ。部屋は2階ですにゃ。それとこちらが鍵になりますにゃ」
「ありがとうございます」
サーシャとマーリンは猫の格好のメイドさんから部屋のカギを受け取り、2階の部屋に上がる。そして荷物を置き、サーシャはベッドの上に座ると早速マーリンと話をすることにした。
「猫のメイドさん可愛かったですね。でもなんで猫の格好してるんだろう?」
「……。」
「マーリン様?」
「ん?……知らん。猫が好きなんじゃろ。深く考えるでない」
マーリンは何か考え事をしながら面倒くさそうに答える。少しくらい興味を持ってあげなさいよまったく。
「ところでこれからどうしましょうか?私、まだこの街のことよくわからないんですよね……」
「なら観光がてらに街を見て回るといい。セントレアとはまた違った趣があるからのう。今日はゆっくり休むが良い」
「わかりました。じゃあ明日は街を散策することにします!」
サーシャは立ち上がり、意気揚々と準備を始める。その様子を見てマーリンは小さくため息をつくのだった。
そして夜。宿屋の受付にはあの猫のメイドがいる。メイド服の中にはペンダントをつけており、そのペンダントを大事そうに握りしめている。
すると、入り口からフランガラン帝国の紋章が入った騎士が入ってくる。
「夜分遅くに失礼。この辺りでこの人物を見かけなかっただろうか?」
その人物は黒いローブを身に纏いフードを被っている為顔はよく見えない。だが身長的に子供であることはわかる。
「いえ……ここには来てないと思いますけどにゃ?」
「そうか。ならば仕方がない」
「あ。ちょっと待つにゃ」
立ち去ろうとする騎士を猫のメイドは引き止めて話しかけた。
「なんだ?」
「……その写真は大分古いですにゃ。今頃生きていれば20歳前後くらいかもにゃ」
「ふむ……情報提供感謝する。それにしてもどうしてこれが古い写真だと……!?まさか貴様!?」
「……勘のいい殿方は好きじゃありませんわね?」
その猫のメイドの燃えるような赤髪とそして全てを見透かす緋色の瞳。その瞳を見た瞬間、その騎士は剣を抜き、襲いかかってきた。そのスピードはまさに閃光のように速い。
「くそ!こんなところに隠れていたか化け物が!!」
「あら?女性に対して酷い言い草ですわね?乱暴はいけませんわよ?」
その猫のメイドは一瞬で姿を消し、いつの間にか騎士の後ろに立っていた。
「なっ!?」
その猫のメイドはそのまま壁に追い込み、騎士の首を掴み持ち上げる。
「うぐぅ……」
「さぁ……誰の命令でここに来たのか白状なさい」
「しっ……知らない……」
「……死にたいのですか?」
「本当に知らないんだ!オレはただ任務で……『紅蓮の仔』を探して始末しろと……」
それを聞いた猫のメイドは不敵に笑う。
「そう。貴方も依頼されたのですね?なら安心しましたわ。」
「お前……何を言って……」
猫のメイドは首を掴む力を更に強くしていく。
「がっ……」
「今さら都合が良すぎますわ……私はこの国に復讐するためにずっとずっと自分を殺して生きてきたというのに……やっとここまで来たのですわ。」
その言葉と同時に猫のメイドは手を離す。その反動で騎士は床に落下した。
「げほ!ごほっ!」
「帰って皇帝に伝えなさい。私の邪魔をするなら……次は殺すと」
「う……うわああああ!」
騎士はその圧倒的な力の差に恐怖を覚え、一目散に逃げていった。猫のメイドはそれを見て小さく舌打ちをした。
「チッ……逃げられてしまいましたわ。まぁいいですわ。今は目的を果たすことが先決ですもの。首を洗って待ってなさいフランガラン帝国皇帝アルガス=フランガラン」
そして猫のメイドはそう呟きながら闇に消えていく。その姿を見ていた者はいなかった。
サーシャはマーリンの後を追いかけ、宿屋に入ることにする。その宿屋は2階建てで木造建築の建物である。看板を見るとどうやら食事処も兼ねているようだ。
「いらっしゃいませ」
店内に入ると若いメイド姿の女性の声が聞こえる。サーシャはその声の主の方に目を向けた。
「猫耳?猫族の方ですか?」
その女性はサーシャより少し年上の赤髪の美人な女性であった。しかしその頭には獣の耳が、お尻には尻尾がついている。
「私の種族はケットシー族ですにゃ。お客さんはこの国の人じゃないですね。他国の方ですかにゃ?」
「はい。私たちはセントレアから来ました」
「そうなんですかにゃ。ずいぶん遠いところから来てるんですね」
そんなサーシャとメイドさんの話を聞いてマーリンは急かすようにサーシャに話しかけてきた。
「何をしておるのじゃ?はよ宿を取るぞ」
「すいません。猫族の方は初めて見るのでつい……」
「バカ者。そこのメイドは人間じゃ。そんなこともわからぬのか?」
「えっ?」
サーシャは驚きながら改めて猫のメイドさんの顔を見る。確かに言われてみると人間の顔をしている。なんでこの人猫耳や尻尾つけてるのよ……
「ごめんなさい……私ったら気づかなくて……」
「いえいえ気にしないでくださいにゃ。私は気にしていませんにゃ!よろしくにゃん!お連れ様もよろしくにゃん!」
その猫のメイドさんはサーシャとマーリンに握手をする。手を大袈裟にブンブンと振っている。いやいやこっちが気にするんだけどさ。なんか調子狂うわねこのメイドさん。
「それで今日は泊まりですかにゃ?」
「えっと……」
「そうじゃの……とりあえず1週間ほどお願いできるかの?」
「わかりましたにゃ。1週間後にチェックアウトの時に料金を払ってくれればいいですにゃ。部屋は2階ですにゃ。それとこちらが鍵になりますにゃ」
「ありがとうございます」
サーシャとマーリンは猫の格好のメイドさんから部屋のカギを受け取り、2階の部屋に上がる。そして荷物を置き、サーシャはベッドの上に座ると早速マーリンと話をすることにした。
「猫のメイドさん可愛かったですね。でもなんで猫の格好してるんだろう?」
「……。」
「マーリン様?」
「ん?……知らん。猫が好きなんじゃろ。深く考えるでない」
マーリンは何か考え事をしながら面倒くさそうに答える。少しくらい興味を持ってあげなさいよまったく。
「ところでこれからどうしましょうか?私、まだこの街のことよくわからないんですよね……」
「なら観光がてらに街を見て回るといい。セントレアとはまた違った趣があるからのう。今日はゆっくり休むが良い」
「わかりました。じゃあ明日は街を散策することにします!」
サーシャは立ち上がり、意気揚々と準備を始める。その様子を見てマーリンは小さくため息をつくのだった。
そして夜。宿屋の受付にはあの猫のメイドがいる。メイド服の中にはペンダントをつけており、そのペンダントを大事そうに握りしめている。
すると、入り口からフランガラン帝国の紋章が入った騎士が入ってくる。
「夜分遅くに失礼。この辺りでこの人物を見かけなかっただろうか?」
その人物は黒いローブを身に纏いフードを被っている為顔はよく見えない。だが身長的に子供であることはわかる。
「いえ……ここには来てないと思いますけどにゃ?」
「そうか。ならば仕方がない」
「あ。ちょっと待つにゃ」
立ち去ろうとする騎士を猫のメイドは引き止めて話しかけた。
「なんだ?」
「……その写真は大分古いですにゃ。今頃生きていれば20歳前後くらいかもにゃ」
「ふむ……情報提供感謝する。それにしてもどうしてこれが古い写真だと……!?まさか貴様!?」
「……勘のいい殿方は好きじゃありませんわね?」
その猫のメイドの燃えるような赤髪とそして全てを見透かす緋色の瞳。その瞳を見た瞬間、その騎士は剣を抜き、襲いかかってきた。そのスピードはまさに閃光のように速い。
「くそ!こんなところに隠れていたか化け物が!!」
「あら?女性に対して酷い言い草ですわね?乱暴はいけませんわよ?」
その猫のメイドは一瞬で姿を消し、いつの間にか騎士の後ろに立っていた。
「なっ!?」
その猫のメイドはそのまま壁に追い込み、騎士の首を掴み持ち上げる。
「うぐぅ……」
「さぁ……誰の命令でここに来たのか白状なさい」
「しっ……知らない……」
「……死にたいのですか?」
「本当に知らないんだ!オレはただ任務で……『紅蓮の仔』を探して始末しろと……」
それを聞いた猫のメイドは不敵に笑う。
「そう。貴方も依頼されたのですね?なら安心しましたわ。」
「お前……何を言って……」
猫のメイドは首を掴む力を更に強くしていく。
「がっ……」
「今さら都合が良すぎますわ……私はこの国に復讐するためにずっとずっと自分を殺して生きてきたというのに……やっとここまで来たのですわ。」
その言葉と同時に猫のメイドは手を離す。その反動で騎士は床に落下した。
「げほ!ごほっ!」
「帰って皇帝に伝えなさい。私の邪魔をするなら……次は殺すと」
「う……うわああああ!」
騎士はその圧倒的な力の差に恐怖を覚え、一目散に逃げていった。猫のメイドはそれを見て小さく舌打ちをした。
「チッ……逃げられてしまいましたわ。まぁいいですわ。今は目的を果たすことが先決ですもの。首を洗って待ってなさいフランガラン帝国皇帝アルガス=フランガラン」
そして猫のメイドはそう呟きながら闇に消えていく。その姿を見ていた者はいなかった。
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