【大賢者の弟子?相棒?】世界の為に尽くした大賢者は転生したらただの『アイアンソード』で草生えたので、とりあえず貴族令嬢を最強にする事に決めました。
39. 可能性があるなら
39. 可能性があるなら
「そろそろいいかな……」
「えっ……」
レヴィが呟いた次の瞬間、サーシャの周りを囲んでいた魔物たちが消えた。そしていつの間にかサーシャの背後に立っていたレヴィ。彼女はサーシャの首筋に爪を突き立てていた。
「どうやらここまでみたいだね。弱いしつまらなかったなぁ。さよなら名前も知らない女の子さん……!?」
サーシャの首が切り裂かれる寸前、突然レヴィの腕を矢が貫いた。その衝撃で後ろに飛ばされる。
「痛った~い!誰だぁ!」
「そいつは殺させん。」
「オイラたちの光の勇者様なんだ!オイラも戦うぞ!ドワーフは勇敢な戦士なんだ!」
「サーシャさん大丈夫ですか!?」
そこには武器を構えたルーク、デール、そしてシャノンたちの姿が見えた。
「皆さん……」
そしてサーシャの元に少し遅れてマーリンもやってきた。1000年前のあの時と同じ……レヴィと対峙するマーリンが口を開く。
「お主じゃったか常闇のレヴィ。まさかここで会うとは思わなかったのじゃ」
「ん?マーリンじゃん。久しぶりだねぇ。元気にしてた?それにしても随分雰囲気変わったね。前はもっと身長高かったよね?今はおチビになっちゃってさ?」
「ふん。ワシのことなぞ忘れてしまったかと思っていたのじゃ」
「あはは。そんなわけないじゃん!……私はお前に殺されたんだから」
そうレヴィが言うと怒りからか強力な魔力が放出される。その場の空気が一瞬で重くなった。
「許さないよマーリン……。でも今の魔力じゃ勝てるか分からないからここは一旦引いてあげるよ。他のみんなを復活させるのに『大罪』が足りないからね?じゃまたねマーリン?」
「ワシが逃がすと思うのか!」
「そんなことを言ってる暇あるのかなぁ?」
「ロザリア様!あれを見てください!」
サーシャが何かに気づいたのかマーリンに叫ぶ。すると前方からまた大量の魔物の軍勢が押し寄せてくるのが見えた。
「まだあれだけの数を……」
「念には念をだよね?まさかあの魔物まで使うとは思わなかったけど。それじゃバイバ~イ。生きてたらまた会おうね?」
そう言い残してレヴィは消えていった。目の前の視界に段々大きくなっていく魔物の軍勢。この戦場にいる誰もが諦めかけていたその時。
「諦めないでください!私は絶対にこのシャルドール防壁を必ず守って見せます!」
レヴィとの戦闘で負傷したその身体で立ち上がり。サーシャは私を握りしめながら叫んだ。その声を聞いて全員がハッとする。
自分たちが信じた伝承の光の勇者様。彼女は光の勇者様ではないかもしれない、ましてやただの通りすがりの冒険者。それでも何の関係もない彼女が、自分たちのためにあんなにボロボロになるまで戦っている。
その姿を見てその場にいたバルムンド公国騎士、エルフやドワーフの戦士たちは全員立ち上がる。そして一斉に雄叫びを上げた。
「我らの誇りにかけて!!」
「オレたちは負けねぇ!」
「うぉー!!!」
こうして再び魔物との戦いが始まる。しかし疲弊した戦力では厳しく、どんどん戦線が押し戻されていく。この状況を打破する方法はあるにはある。しかし……。そんなことを考えていると私のその考えを見透かしたかのようにマーリンがサーシャに話す。
「……サーシャ。このままではいずれシャルドール防壁まで魔物が押し寄せてくる。もうお主の……アイリスの力を借りるしかない。」
「アイリス様の?でもアイリス様はまだ私に何も……」
「分かっておるのじゃ。それをやれば今のお主の魔力、体力じゃ身体の負担が大きい。下手をすればもう二度と剣を抜くことも叶わぬかもしれん……最悪死ぬ可能性がある。」
真剣な表情をサーシャに向けるマーリン。それを聞いたサーシャは驚くことも恐怖に怯えることもなくただ微笑む。そして、またあの時のあの人と同じように言った。
「アイリス様の力なら魔物を倒せるんですね!?良かった……。それならやります!可能性があるならやらない手はないですよロザリア様!」
「サーシャ……可能性があるならやらない手はないか……お主はあやつに似ておるのう……」
「あやつ?」
「こっちの話じゃよ」
そしてマーリンはサーシャを後ろから抱きしめるような形で私を握りしめ、天に掲げる。
「ロザリア様?」
「集中せんか。ワシが魔力を送る。お主はワシを……アイリスを信じてアイリスの詠唱を待てば良い。死ぬことだけは絶対にさせん。」
「はい!」
……私も覚悟を決めないと。マーリンが魔力を補填してくれるなら、何とかなるかも。お願い……サーシャをここで失うわけにはいかない。神様どうか今回だけは私のお願いを聞きなさいよね!
「そろそろいいかな……」
「えっ……」
レヴィが呟いた次の瞬間、サーシャの周りを囲んでいた魔物たちが消えた。そしていつの間にかサーシャの背後に立っていたレヴィ。彼女はサーシャの首筋に爪を突き立てていた。
「どうやらここまでみたいだね。弱いしつまらなかったなぁ。さよなら名前も知らない女の子さん……!?」
サーシャの首が切り裂かれる寸前、突然レヴィの腕を矢が貫いた。その衝撃で後ろに飛ばされる。
「痛った~い!誰だぁ!」
「そいつは殺させん。」
「オイラたちの光の勇者様なんだ!オイラも戦うぞ!ドワーフは勇敢な戦士なんだ!」
「サーシャさん大丈夫ですか!?」
そこには武器を構えたルーク、デール、そしてシャノンたちの姿が見えた。
「皆さん……」
そしてサーシャの元に少し遅れてマーリンもやってきた。1000年前のあの時と同じ……レヴィと対峙するマーリンが口を開く。
「お主じゃったか常闇のレヴィ。まさかここで会うとは思わなかったのじゃ」
「ん?マーリンじゃん。久しぶりだねぇ。元気にしてた?それにしても随分雰囲気変わったね。前はもっと身長高かったよね?今はおチビになっちゃってさ?」
「ふん。ワシのことなぞ忘れてしまったかと思っていたのじゃ」
「あはは。そんなわけないじゃん!……私はお前に殺されたんだから」
そうレヴィが言うと怒りからか強力な魔力が放出される。その場の空気が一瞬で重くなった。
「許さないよマーリン……。でも今の魔力じゃ勝てるか分からないからここは一旦引いてあげるよ。他のみんなを復活させるのに『大罪』が足りないからね?じゃまたねマーリン?」
「ワシが逃がすと思うのか!」
「そんなことを言ってる暇あるのかなぁ?」
「ロザリア様!あれを見てください!」
サーシャが何かに気づいたのかマーリンに叫ぶ。すると前方からまた大量の魔物の軍勢が押し寄せてくるのが見えた。
「まだあれだけの数を……」
「念には念をだよね?まさかあの魔物まで使うとは思わなかったけど。それじゃバイバ~イ。生きてたらまた会おうね?」
そう言い残してレヴィは消えていった。目の前の視界に段々大きくなっていく魔物の軍勢。この戦場にいる誰もが諦めかけていたその時。
「諦めないでください!私は絶対にこのシャルドール防壁を必ず守って見せます!」
レヴィとの戦闘で負傷したその身体で立ち上がり。サーシャは私を握りしめながら叫んだ。その声を聞いて全員がハッとする。
自分たちが信じた伝承の光の勇者様。彼女は光の勇者様ではないかもしれない、ましてやただの通りすがりの冒険者。それでも何の関係もない彼女が、自分たちのためにあんなにボロボロになるまで戦っている。
その姿を見てその場にいたバルムンド公国騎士、エルフやドワーフの戦士たちは全員立ち上がる。そして一斉に雄叫びを上げた。
「我らの誇りにかけて!!」
「オレたちは負けねぇ!」
「うぉー!!!」
こうして再び魔物との戦いが始まる。しかし疲弊した戦力では厳しく、どんどん戦線が押し戻されていく。この状況を打破する方法はあるにはある。しかし……。そんなことを考えていると私のその考えを見透かしたかのようにマーリンがサーシャに話す。
「……サーシャ。このままではいずれシャルドール防壁まで魔物が押し寄せてくる。もうお主の……アイリスの力を借りるしかない。」
「アイリス様の?でもアイリス様はまだ私に何も……」
「分かっておるのじゃ。それをやれば今のお主の魔力、体力じゃ身体の負担が大きい。下手をすればもう二度と剣を抜くことも叶わぬかもしれん……最悪死ぬ可能性がある。」
真剣な表情をサーシャに向けるマーリン。それを聞いたサーシャは驚くことも恐怖に怯えることもなくただ微笑む。そして、またあの時のあの人と同じように言った。
「アイリス様の力なら魔物を倒せるんですね!?良かった……。それならやります!可能性があるならやらない手はないですよロザリア様!」
「サーシャ……可能性があるならやらない手はないか……お主はあやつに似ておるのう……」
「あやつ?」
「こっちの話じゃよ」
そしてマーリンはサーシャを後ろから抱きしめるような形で私を握りしめ、天に掲げる。
「ロザリア様?」
「集中せんか。ワシが魔力を送る。お主はワシを……アイリスを信じてアイリスの詠唱を待てば良い。死ぬことだけは絶対にさせん。」
「はい!」
……私も覚悟を決めないと。マーリンが魔力を補填してくれるなら、何とかなるかも。お願い……サーシャをここで失うわけにはいかない。神様どうか今回だけは私のお願いを聞きなさいよね!
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