【大賢者の弟子?相棒?】世界の為に尽くした大賢者は転生したらただの『アイアンソード』で草生えたので、とりあえず貴族令嬢を最強にする事に決めました。
37. 動き出す
37. 動き出す
そして準備を整えたサーシャたちはシャルドール防壁に集結する。そこには各種族の精鋭が勢揃いしていた。ここはバルムンド公国、エルフの里、ドワーフの集落の国境に位置する重要な場所だ。
「……」
その中心にサーシャはいた。彼女は緊張した面持ちで周囲を見渡す。そりゃ六魔将が本当に復活していたらと思うと普通は緊張どころか戦う気力すらなくすものね。するとマーリンが話しかける。
「緊張しておるのか?」
「はい。みんなが私に……いえアイリス様の力に期待しているから」
「誰しも窮地に追い込まれた時は何かにすがりたくなるものじゃ。ワシも同じじゃ」
「ロザリア様……」
確かに魔族が現れたという現状を見れば不安になるだろう。だがマーリンは言う。
「サーシャ。ここにおる全員がお主の……いや剣の精霊の力を信頼しておる。例えお主が光の勇者でなくとものう」
「分かってます……」
「ワシもついておる安心せい。魔族なぞ蹴散らしてくれるわい!」
「はい!頑張りましょう!」
こうして士気を高めたところでサーシャは全員に向き直り話し始める。その顔は先ほどとは違い自信に満ち溢れていた。……本当に成長したわねサーシャ。今でもあの時のゴブリンに怯えていた光景を思い出してしまうけどね。
「皆さん聞いてください。まず最初に言っておきたいことがあります。」
サーシャはそこで一度深呼吸をする。そして再び口を開いた時、彼女の声には確かな力が込められていた。
「私なりに色々考えたんです。シャルドール防壁は守る物。でもいつの間にか互いの種族から守る物になってませんか?光の勇者の伝承を信じるのなら、このシャルドール防壁は種族を脅かす魔から守るための盾のはずです!」
その言葉にその場にいる全員が顔を見合わす。私は内心感嘆の声を上げていた。そうよ。それでいいのよサーシャ。
あなたは私に『誰かを動かす力はない……。私にもっと力があれば』そう言っていたけど、今あなたの目の前にはあなたの言葉を聞いて動こうとしている者がこんなにもいるんだから。
「だからこれから皆さんがすることは……シャルドール防壁を魔族や魔物から守ることです!お互いを牽制することじゃない!どうか光の勇者の伝承のように今こそ力を取り合いましょう!」
サーシャが言い終わると辺りは静寂に包まれた。しかしすぐに歓声が上がる。それはシャルドール防壁にいる全ての者たちの歓喜の雄叫びだった。
マーリンはサーシャの元に歩み寄るとその肩に手を置く。彼女はマーリンの方に振り向くと嬉しそうな笑顔を見せた。
「よく言ったぞいサーシャ」
「ありがとうございますロザリア様」
「さぁ皆の者!出陣じゃ!!」
「「「うぉおおおおー!!!」」」
それから私たちはそれぞれの持ち場についた。バルムンド公国からはシャノン騎士団団長を中心に接近戦を得意とする騎士たちが前線に立ち、エルフ族は弓兵と魔法兵として後方で待機している。ドワーフ族は武器防具の製作や強化を行い、私たちはそれぞれが得意な分野で戦いに備えた。
そしてついにその時が来る。国境の向こう側から大量の魔物の軍勢が押し寄せて来るのが見える。それはまるで地鳴りのような足音を立てて迫って来ているようだった。
「来おったか……」
「ロザリア様。あれが……」
「あぁ間違いないじゃろう。準備は良いかサーシャ。ワシたちは魔物を統率している魔族を討つ」
「はい。任せてください!行きます!」
そう言って大きく深呼吸をするサーシャ。私を鞘から抜き、一気に魔物の軍勢に向かって駆け出していくのだった。
そして準備を整えたサーシャたちはシャルドール防壁に集結する。そこには各種族の精鋭が勢揃いしていた。ここはバルムンド公国、エルフの里、ドワーフの集落の国境に位置する重要な場所だ。
「……」
その中心にサーシャはいた。彼女は緊張した面持ちで周囲を見渡す。そりゃ六魔将が本当に復活していたらと思うと普通は緊張どころか戦う気力すらなくすものね。するとマーリンが話しかける。
「緊張しておるのか?」
「はい。みんなが私に……いえアイリス様の力に期待しているから」
「誰しも窮地に追い込まれた時は何かにすがりたくなるものじゃ。ワシも同じじゃ」
「ロザリア様……」
確かに魔族が現れたという現状を見れば不安になるだろう。だがマーリンは言う。
「サーシャ。ここにおる全員がお主の……いや剣の精霊の力を信頼しておる。例えお主が光の勇者でなくとものう」
「分かってます……」
「ワシもついておる安心せい。魔族なぞ蹴散らしてくれるわい!」
「はい!頑張りましょう!」
こうして士気を高めたところでサーシャは全員に向き直り話し始める。その顔は先ほどとは違い自信に満ち溢れていた。……本当に成長したわねサーシャ。今でもあの時のゴブリンに怯えていた光景を思い出してしまうけどね。
「皆さん聞いてください。まず最初に言っておきたいことがあります。」
サーシャはそこで一度深呼吸をする。そして再び口を開いた時、彼女の声には確かな力が込められていた。
「私なりに色々考えたんです。シャルドール防壁は守る物。でもいつの間にか互いの種族から守る物になってませんか?光の勇者の伝承を信じるのなら、このシャルドール防壁は種族を脅かす魔から守るための盾のはずです!」
その言葉にその場にいる全員が顔を見合わす。私は内心感嘆の声を上げていた。そうよ。それでいいのよサーシャ。
あなたは私に『誰かを動かす力はない……。私にもっと力があれば』そう言っていたけど、今あなたの目の前にはあなたの言葉を聞いて動こうとしている者がこんなにもいるんだから。
「だからこれから皆さんがすることは……シャルドール防壁を魔族や魔物から守ることです!お互いを牽制することじゃない!どうか光の勇者の伝承のように今こそ力を取り合いましょう!」
サーシャが言い終わると辺りは静寂に包まれた。しかしすぐに歓声が上がる。それはシャルドール防壁にいる全ての者たちの歓喜の雄叫びだった。
マーリンはサーシャの元に歩み寄るとその肩に手を置く。彼女はマーリンの方に振り向くと嬉しそうな笑顔を見せた。
「よく言ったぞいサーシャ」
「ありがとうございますロザリア様」
「さぁ皆の者!出陣じゃ!!」
「「「うぉおおおおー!!!」」」
それから私たちはそれぞれの持ち場についた。バルムンド公国からはシャノン騎士団団長を中心に接近戦を得意とする騎士たちが前線に立ち、エルフ族は弓兵と魔法兵として後方で待機している。ドワーフ族は武器防具の製作や強化を行い、私たちはそれぞれが得意な分野で戦いに備えた。
そしてついにその時が来る。国境の向こう側から大量の魔物の軍勢が押し寄せて来るのが見える。それはまるで地鳴りのような足音を立てて迫って来ているようだった。
「来おったか……」
「ロザリア様。あれが……」
「あぁ間違いないじゃろう。準備は良いかサーシャ。ワシたちは魔物を統率している魔族を討つ」
「はい。任せてください!行きます!」
そう言って大きく深呼吸をするサーシャ。私を鞘から抜き、一気に魔物の軍勢に向かって駆け出していくのだった。
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