【大賢者の弟子?相棒?】世界の為に尽くした大賢者は転生したらただの『アイアンソード』で草生えたので、とりあえず貴族令嬢を最強にする事に決めました。
28. 葛藤と決意
28. 葛藤と決意
サーシャとマーリン、そしてルークはエルフの里を出て、バルムンド公国に向かっている。ルークには一応フードを被ってもらうことにしたみたい。彼はエルフだし、特徴的な尖っている耳が目立つしね。
それにしてもこのルークという男。結構強そうね。そう言えばサーシャとマーリンが来たとき勇敢に弓を放ったのもルークだったわね。……まぁ人間嫌いでサーシャの力には到底なり得そうにもないけど。
エルフの里を出発してから2時間ほど歩いたところで日が暮れ始めた。さすがに往復は出来なかったみたいね。しかも街では宿屋が取れないし。
というか当初の目的って泊まる場所の確保じゃなかった?なに面倒なことに巻き込まれてるのよ……まったく。
「今日はこの辺りで野営じゃな。サーシャは水を汲んできてくれるかの?」
「はい。分かりました」
「うむ。ワシは火起こしで火を用意するからの。ルーク。食料はあるかの?」
「干し肉ならあるが……?」
「それで十分じゃ。ワシは料理は出来ぬしの。サーシャが戻ってきたら夕食にしようではないか。それまでに準備をしておくのじゃ」
そう言ってマーリンは鞄の中から薪を取り出して焚き火の用意を始めた。ルークは持っていた袋の中から干し肉を出し、ナイフで削ぎ落としてそれを木の枝に刺していく。あら意外に器用なのねこいつ。
「それじゃお水を汲んできますね」
そう言ってサーシャは森の中に入って近くの川まで歩いていく。そして水を汲み、戻るかと思ったけどそのままその場に座り木にもたれ掛かる。
サーシャは目を閉じている。こんなところで休憩なんて珍しいわね?いつもならすぐに戻るのに。
「ねぇアイリス様……私はどうしたらいいんだろう。セシリアさんの言うことが本当だとしたら、バルムンド公国を止めるために戦うことになってしまう……そしたら……きっと私のような家族や家を失う人が大勢出る……」
サーシャは悲しい顔で呟いた。やっぱりこの子は優しいわね……。でも、あなたはあの時決めたはずよ。自分の進む道を。
「私は……セシリアさんたちを助けたい。でも、私はただの冒険者で……。誰かを動かす力はない……。私にもっと力があれば……!」
サーシャは強く拳を握る。私もあなたと同じ年の頃は、そんなことを考えてたっけ……。そんなことを考えていると誰かがやってくる。
「何をしてるんだ?」
「あ。ルークさん。すいません、少し疲れてしまって休んでました」
「魔物に襲われてないなら構わない。それを貸せ」
ルークはそう言って汲んだ水を持つ。そしてそのまま歩いていく。
「あの……ありがとうございます」
「礼などいらん。オレはマーリン様に言われて来ただけだ」
「それでもです。私のためにしてくれたことですから」
「……変なやつ」
サーシャは笑顔を向けながら言った。その言葉を聞いたルークは一瞬だけ微笑み、すぐに表情を戻す。あーあ。こいつ照れちゃって。でも私のサーシャは渡さないわよ?もっといい男じゃないと私は許さないから!
「ルークさんは人間を恨んでいる。それでも、争いを止めたいから私と行動をしている。私……決めた。私ができることをやる。だからアイリス様、私に力を貸してね?」
もちろんそのつもりよサーシャ。それからサーシャはマーリンとルークと一緒に焚き火の準備をして、食事を取った。その後は交代で見張りをしながら朝を迎えた。
「おはようアイリス様。今日も頑張ろうね」
サーシャはいつものように私を握りしめて挨拶をする。寝癖が付いていてとても可愛い。
「いい顔しとるのサーシャ」
「あ。おはようございますロザリア様」
「何か吹っ切れたのかの?昨日までとは大違いじゃ」
「はい。私はもう迷いません。バルムンド公国に向かいます!それが私のやるべきことですから。私は私のような人を出したくない。このままなら間違いなく争いは起きてしまう。だからそれを止めます」
そう笑顔で答えるサーシャ。その顔には悲しみの色は一切無かった。本当に強い子ね……。だからこそ、私はあなたの力になるわ。この大賢者アイリス=フォン=アスタータがね。
サーシャとマーリン、そしてルークはエルフの里を出て、バルムンド公国に向かっている。ルークには一応フードを被ってもらうことにしたみたい。彼はエルフだし、特徴的な尖っている耳が目立つしね。
それにしてもこのルークという男。結構強そうね。そう言えばサーシャとマーリンが来たとき勇敢に弓を放ったのもルークだったわね。……まぁ人間嫌いでサーシャの力には到底なり得そうにもないけど。
エルフの里を出発してから2時間ほど歩いたところで日が暮れ始めた。さすがに往復は出来なかったみたいね。しかも街では宿屋が取れないし。
というか当初の目的って泊まる場所の確保じゃなかった?なに面倒なことに巻き込まれてるのよ……まったく。
「今日はこの辺りで野営じゃな。サーシャは水を汲んできてくれるかの?」
「はい。分かりました」
「うむ。ワシは火起こしで火を用意するからの。ルーク。食料はあるかの?」
「干し肉ならあるが……?」
「それで十分じゃ。ワシは料理は出来ぬしの。サーシャが戻ってきたら夕食にしようではないか。それまでに準備をしておくのじゃ」
そう言ってマーリンは鞄の中から薪を取り出して焚き火の用意を始めた。ルークは持っていた袋の中から干し肉を出し、ナイフで削ぎ落としてそれを木の枝に刺していく。あら意外に器用なのねこいつ。
「それじゃお水を汲んできますね」
そう言ってサーシャは森の中に入って近くの川まで歩いていく。そして水を汲み、戻るかと思ったけどそのままその場に座り木にもたれ掛かる。
サーシャは目を閉じている。こんなところで休憩なんて珍しいわね?いつもならすぐに戻るのに。
「ねぇアイリス様……私はどうしたらいいんだろう。セシリアさんの言うことが本当だとしたら、バルムンド公国を止めるために戦うことになってしまう……そしたら……きっと私のような家族や家を失う人が大勢出る……」
サーシャは悲しい顔で呟いた。やっぱりこの子は優しいわね……。でも、あなたはあの時決めたはずよ。自分の進む道を。
「私は……セシリアさんたちを助けたい。でも、私はただの冒険者で……。誰かを動かす力はない……。私にもっと力があれば……!」
サーシャは強く拳を握る。私もあなたと同じ年の頃は、そんなことを考えてたっけ……。そんなことを考えていると誰かがやってくる。
「何をしてるんだ?」
「あ。ルークさん。すいません、少し疲れてしまって休んでました」
「魔物に襲われてないなら構わない。それを貸せ」
ルークはそう言って汲んだ水を持つ。そしてそのまま歩いていく。
「あの……ありがとうございます」
「礼などいらん。オレはマーリン様に言われて来ただけだ」
「それでもです。私のためにしてくれたことですから」
「……変なやつ」
サーシャは笑顔を向けながら言った。その言葉を聞いたルークは一瞬だけ微笑み、すぐに表情を戻す。あーあ。こいつ照れちゃって。でも私のサーシャは渡さないわよ?もっといい男じゃないと私は許さないから!
「ルークさんは人間を恨んでいる。それでも、争いを止めたいから私と行動をしている。私……決めた。私ができることをやる。だからアイリス様、私に力を貸してね?」
もちろんそのつもりよサーシャ。それからサーシャはマーリンとルークと一緒に焚き火の準備をして、食事を取った。その後は交代で見張りをしながら朝を迎えた。
「おはようアイリス様。今日も頑張ろうね」
サーシャはいつものように私を握りしめて挨拶をする。寝癖が付いていてとても可愛い。
「いい顔しとるのサーシャ」
「あ。おはようございますロザリア様」
「何か吹っ切れたのかの?昨日までとは大違いじゃ」
「はい。私はもう迷いません。バルムンド公国に向かいます!それが私のやるべきことですから。私は私のような人を出したくない。このままなら間違いなく争いは起きてしまう。だからそれを止めます」
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