【大賢者の弟子?相棒?】世界の為に尽くした大賢者は転生したらただの『アイアンソード』で草生えたので、とりあえず貴族令嬢を最強にする事に決めました。
9. 大賢者アイリス=フォン=アスタータ
9. 大賢者アイリス=フォン=アスタータ
ふむ。私は今、サーシャの部屋の壁に立て掛けられている。あの子が私を置いて出かけるなんて珍しいわね。それにしてもどこに出掛けたのかしらね?まぁ、すぐに帰ってくるでしょうけど……
しばらくすると何かを抱えてサーシャが戻ってくる。そしてそれをテーブルの上に置く。ドンッという音が部屋に鳴り響く。あれは……本かしら?しかも大量ね?一体何を読むつもりなのかしら。
「ふぅ。えっと……まずはこれから読もうかな」
そう言うとサーシャはその本を読み始める。私がその本の背表紙を確認すると『英雄伝』と書かれている。もしかして……と私がふとあることを思い付くとサーシャはそれと同時に口に出した。
「えっと……あったわ!大賢者アイリス=フォン=アスタータ!」
……ああ。やっぱり私のことよね?でもなんでこんなに大量に……。そう思っているとサーシャは次のページをめくる。
「えーっと……なになに?」
どうやら読んでいるらしい。私は黙って待つことにする。そう言えばこの1000年後のこの時代に私ってどう語り継がれているのかしら?すごく興味はある。サーシャは読み続ける。
「この世界には英雄と呼ばれる者たちがいた。その一人、大賢者アイリス=フォン=アスタータは神聖魔法を極めし者だと言われている、そして彼女の周りでは奇跡が起こるとまで言われていた……」
へぇ~そんな風に伝わっているのね。まぁ確かに間違いではないわね。実際あの時代ではかなり上位の実力を持っていたし、神聖魔法の使い手だし。うんうん。悪くないわね。でもなんかちょっと恥ずかしいわね。
「彼女は若くして神聖魔法を極め、そこで出会った仲間たちと共に様々な偉業を成し遂げ、ついには魔王を討伐した。それが英雄と呼ばれる所以である」
……まぁ。間違ってはいないかしらね。それにしても私って仲間に恵まれたのね。当時のことはよく覚えていないけれど、みんな良い人たちだった記憶がある。きっとそのお陰もあるんでしょうね。
「その後、英雄たちは世界に平和をもたらした後、各々の道を歩むため解散したと言われている。しかしその後も英雄たちの名は語り継がれ、人々の心の中に生き続けている。彼らの名前は歴史の教科書にも載っており、誰もが知っている伝説となっている」
うーん。そうなんだ。なんか照れるわね。それにしてもよくここまで詳しく調べられたものね。まぁそれはさておきサーシャはまだ本を読んでいる。
「そして彼女は魔法の深淵を知るため、自ら禁術に手を出したのだと言う」
……ん?なんかすごいことになっている気がするんだけど気のせいかしら?禁術なんてものには縁がないんだけど。
「彼女の死後、彼女の残した手記が発見された。」
うん。書いた覚えは全くないのだけど。
「そこにはこう書かれていたそうだ。『魔法とは真理であり、全ての源である。それ故に我々は常に探究心を忘れてはならない』」
私じゃないんだけどね。すごい良い言葉じゃない!どこかの誰かさん、なんかありがとう!
「その言葉に従い、今もなお多くの者が魔法の研究をしているという……。すごい人なんだぁ、大賢者アイリス=フォン=アスタータって」
いやぁそれほどでもないわよ?今はただの『アイアンソード』だけど。まあでもちょっと嬉しいかも。こうして後世の人に伝わっているんだから。
サーシャはそのまま読み続けて、結局持ってきた本が読み終わったのは夕方を回っていた。その間ずっとサーシャは集中していたみたいで、疲れた様子はなかった。それから私は立て掛けられながら、サーシャが本を片付け終わるまで待った。
「ふぅ~。これで終わりかしら。結構面白かった~」
サーシャは満足したようで笑顔を浮かべながら伸びをする。そして壁に立て掛けられている私を持ち上げると話しかけてくる。
「うーん……確かにいつも助けてくれる時は魔法なんだよね。私は一度もアイリス様に剣術で助けてもらったことはないし」
もしかしたらバレてしまったのかしら……。サーシャは続けて話してくる。
「ねえ、アイリス様。私のこと見てるんでしょ?それなら教えて欲しいな。本当に剣の精霊様なの?それとも大賢者アイリス=フォン=アスタータ?」
うっ……これは困った質問が来たわね。どう答えたものか……。とりあえず何も言わないでおくことにする。まぁ喋ってもサーシャには聞こえないけどさ……。
「……まただんまりか。じゃあ1人で話そうかな。アイリス様がずっと私を助けてくれていたこと感謝してる。だってあなたがいなければ今の私はなかったと思うから……」
そう微笑みながら私に話しかけてくれるサーシャを見て少し胸が熱くなる。
「私はあなたのおかげで今ここにいる。あなたが剣の精霊様でも、もしかしたら大賢者アイリス=フォン=アスタータだとしても。私とこれからも一緒にいて下さい。私はもっと強くなってみせるから」
……うん。やっぱり良い子だわ。私は思わず涙が出そうになるのを抑える。私が必ず強くしてあげるから、私のほうこそこれからもよろしくねサーシャ。
ふむ。私は今、サーシャの部屋の壁に立て掛けられている。あの子が私を置いて出かけるなんて珍しいわね。それにしてもどこに出掛けたのかしらね?まぁ、すぐに帰ってくるでしょうけど……
しばらくすると何かを抱えてサーシャが戻ってくる。そしてそれをテーブルの上に置く。ドンッという音が部屋に鳴り響く。あれは……本かしら?しかも大量ね?一体何を読むつもりなのかしら。
「ふぅ。えっと……まずはこれから読もうかな」
そう言うとサーシャはその本を読み始める。私がその本の背表紙を確認すると『英雄伝』と書かれている。もしかして……と私がふとあることを思い付くとサーシャはそれと同時に口に出した。
「えっと……あったわ!大賢者アイリス=フォン=アスタータ!」
……ああ。やっぱり私のことよね?でもなんでこんなに大量に……。そう思っているとサーシャは次のページをめくる。
「えーっと……なになに?」
どうやら読んでいるらしい。私は黙って待つことにする。そう言えばこの1000年後のこの時代に私ってどう語り継がれているのかしら?すごく興味はある。サーシャは読み続ける。
「この世界には英雄と呼ばれる者たちがいた。その一人、大賢者アイリス=フォン=アスタータは神聖魔法を極めし者だと言われている、そして彼女の周りでは奇跡が起こるとまで言われていた……」
へぇ~そんな風に伝わっているのね。まぁ確かに間違いではないわね。実際あの時代ではかなり上位の実力を持っていたし、神聖魔法の使い手だし。うんうん。悪くないわね。でもなんかちょっと恥ずかしいわね。
「彼女は若くして神聖魔法を極め、そこで出会った仲間たちと共に様々な偉業を成し遂げ、ついには魔王を討伐した。それが英雄と呼ばれる所以である」
……まぁ。間違ってはいないかしらね。それにしても私って仲間に恵まれたのね。当時のことはよく覚えていないけれど、みんな良い人たちだった記憶がある。きっとそのお陰もあるんでしょうね。
「その後、英雄たちは世界に平和をもたらした後、各々の道を歩むため解散したと言われている。しかしその後も英雄たちの名は語り継がれ、人々の心の中に生き続けている。彼らの名前は歴史の教科書にも載っており、誰もが知っている伝説となっている」
うーん。そうなんだ。なんか照れるわね。それにしてもよくここまで詳しく調べられたものね。まぁそれはさておきサーシャはまだ本を読んでいる。
「そして彼女は魔法の深淵を知るため、自ら禁術に手を出したのだと言う」
……ん?なんかすごいことになっている気がするんだけど気のせいかしら?禁術なんてものには縁がないんだけど。
「彼女の死後、彼女の残した手記が発見された。」
うん。書いた覚えは全くないのだけど。
「そこにはこう書かれていたそうだ。『魔法とは真理であり、全ての源である。それ故に我々は常に探究心を忘れてはならない』」
私じゃないんだけどね。すごい良い言葉じゃない!どこかの誰かさん、なんかありがとう!
「その言葉に従い、今もなお多くの者が魔法の研究をしているという……。すごい人なんだぁ、大賢者アイリス=フォン=アスタータって」
いやぁそれほどでもないわよ?今はただの『アイアンソード』だけど。まあでもちょっと嬉しいかも。こうして後世の人に伝わっているんだから。
サーシャはそのまま読み続けて、結局持ってきた本が読み終わったのは夕方を回っていた。その間ずっとサーシャは集中していたみたいで、疲れた様子はなかった。それから私は立て掛けられながら、サーシャが本を片付け終わるまで待った。
「ふぅ~。これで終わりかしら。結構面白かった~」
サーシャは満足したようで笑顔を浮かべながら伸びをする。そして壁に立て掛けられている私を持ち上げると話しかけてくる。
「うーん……確かにいつも助けてくれる時は魔法なんだよね。私は一度もアイリス様に剣術で助けてもらったことはないし」
もしかしたらバレてしまったのかしら……。サーシャは続けて話してくる。
「ねえ、アイリス様。私のこと見てるんでしょ?それなら教えて欲しいな。本当に剣の精霊様なの?それとも大賢者アイリス=フォン=アスタータ?」
うっ……これは困った質問が来たわね。どう答えたものか……。とりあえず何も言わないでおくことにする。まぁ喋ってもサーシャには聞こえないけどさ……。
「……まただんまりか。じゃあ1人で話そうかな。アイリス様がずっと私を助けてくれていたこと感謝してる。だってあなたがいなければ今の私はなかったと思うから……」
そう微笑みながら私に話しかけてくれるサーシャを見て少し胸が熱くなる。
「私はあなたのおかげで今ここにいる。あなたが剣の精霊様でも、もしかしたら大賢者アイリス=フォン=アスタータだとしても。私とこれからも一緒にいて下さい。私はもっと強くなってみせるから」
……うん。やっぱり良い子だわ。私は思わず涙が出そうになるのを抑える。私が必ず強くしてあげるから、私のほうこそこれからもよろしくねサーシャ。
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