【大賢者の弟子?相棒?】世界の為に尽くした大賢者は転生したらただの『アイアンソード』で草生えたので、とりあえず貴族令嬢を最強にする事に決めました。
7. 始まりの時
7. 始まりの時
セントレア王国の王都。そこにある冒険者ギルド。この国での活動基盤となる場所だ。中は依頼の受付を待っているもの、パーティメンバーを探しているものなど様々でいつも通り賑わっている。
そこに初めてこのギルドに来たときより、長く伸ばした美しい銀髪をなびかせて入ってくる一人の少女。彼女は今では19歳になった。
「ただいま戻りました!」
「お帰りなさいサーシャ。オーガ討伐できた?」
「はい!問題なく。襲われてた冒険者さんも無事助けましたし」
サーシャはそう受付のお姉さんに報告する。この女性はサーシャがこのギルドにきて最初に登録した時以来ずっと担当してくれているお姉さんで名前はアンナという。
「それは良かったわね。じゃあこれ報酬ね」
「はい!ありがとうございます!」
「おっサーシャ!報酬手に入ったのか?オレたちに一杯酒でもおごってくれよ!」
「今月オレたちまだ依頼成功が少なくてよ?頼む!」
「えぇ……またですか?ジェイさん、テッドさん?もう……仕方ないなぁ……今回だけですからね?」
この2人はサーシャが初めてこのギルドに来たときにいきなり絡んできた、失礼極まりないあの二人組だ。なんだかんだあれから色々あって仲良くなった。まぁ……私が魔法で少しこらしめてあげたんだけどね?
「お疲れ様サーシャ」
「あっヴェインのおじ様!」
「……そのおじ様と言うのをやめてくれないか?」
「おじ様はおじ様じゃない。私の剣術の師でもあるんだし!」
彼はヴェイン。サーシャがさっきのジェイとテッドに絡まれた時助けてくれた人。あれから何回も何回も頼み込んで剣術を教わったのよね。私は剣術はからっきしだから。
「ついにオーガも単独で倒せるようになったか……」
「はい。」
本当に4年前とは比べ物にならないくらい成長しているわね。私も嬉しい限りよね。とか思ったりもする。
「ところでサーシャ。本当に武器を新調しないのか?お前ならもっと威力のある武器を扱えると思うが?」
「変えるつもりはないです。だってこの『アイアンソード』は私の相棒だし、アイリス様が宿ってるんだから!」
「でたでた。サーシャのアイリス様話。」
「剣の精霊様だっけか?」
「もう!本当なんだから!私がここまで強くなれたのはこの『アイアンソード』の剣の精霊様のアイリス様のおかげなんだから!」
サーシャは私を強く握り締めて力強く答えている。そう……私はただの『アイアンソード』だ。
かつてこの世界を救った大賢者アイリス=フォン=アスタータ。なぜかこの変哲もない『アイアンソード』に転生してしまった。
サーシャには私の存在は今でも隠しながら、時には助言し、時には魔法で助けている。私は自分が転生した証を残したい、そのためにこのサーシャ=グレイス。元貴族令嬢を最強にすると決めている。
「まぁまぁ、そんなに熱くなるなよサーシャ。それならその相棒をキレイにしてやれな。結構使い込んでいるだろ?」
「確かに……最近刃こぼれしてきた気がします……アイリス様怒ってるかな?」
サーシャは私を見つめる。刃こぼれくらいでは怒ることはないけど、確かにキレイにはしてもらいたいわね。私も一応女性だしね。まぁ今はただの鉄の塊なんだけど……。
「明日の依頼が終わったら研ぎなおしてもらうようにしようかな」
「そうだなそれがいいだろう」
そして次の日。依頼を終えてきたサーシャは鍛冶屋に来ていた。この鍛冶屋はセントレア王国一の腕を持つ鍛冶職人がいることで有名なお店だ。
「こんにちは!」
「おぉサーシャか。今日は何をお求めだい?」
「はい!これお願いできますか?」
サーシャは昨日の討伐報酬の中からお金を取り出して店主に差し出す。店主はそれを受け取って確認する。
「ほぅ……なかなかの金額じゃないか。それで?どんな風にしたいんだ?」
「えっとですね……この私の相棒をメンテナンスお願いします!」
サーシャはそう言って私を差し出した。それをみた店主は一瞬驚いた顔をしてすぐに笑みを浮かべた。
「ふむ……なるほどねぇ……。こいつは相当使い込まれてるみたいだな。」
「はい!私の相棒ですから」
「でもよサーシャ。こんなに金額が払えるなら新しい武器を買ったほうがいいんじゃないかい?」
「ダメ!私はこの『アイアンソード』から武器を変えるつもりはないから」
「そうか。分かった。最高の仕事をさせて貰おう」
「ありがとうございます!」
それからしばらくして作業が終わる。私はピカピカの新品同様に光輝く。さすがは鍛冶職人ね。素晴らしい仕事だわ。
そして帰り道。サーシャは拠点の宿屋に戻る道中、私を握り締めながら話しかけてくる。
「ねぇアイリス様。私ね……そろそろこのセントレアを出て、旅に出ようと思っているの。まだまだ実力がないのはわかってるけど、それでも……もっと色々な場所を見てみたい」
そうサーシャは言う。私としては反対するつもりはないけれどね。サーシャが決めたことならそれでいい。というより、自分で決められるまでに成長したことが嬉しくもある。
「……やっぱり返事がないか。でも私は信じてるから。この相棒にアイリス様が宿っているって」
この頃、人々はこういう噂を聞く。このセントレア王国には、ただの『アイアンソード』で戦う元貴族令嬢がいるらしい……と。
セントレア王国の王都。そこにある冒険者ギルド。この国での活動基盤となる場所だ。中は依頼の受付を待っているもの、パーティメンバーを探しているものなど様々でいつも通り賑わっている。
そこに初めてこのギルドに来たときより、長く伸ばした美しい銀髪をなびかせて入ってくる一人の少女。彼女は今では19歳になった。
「ただいま戻りました!」
「お帰りなさいサーシャ。オーガ討伐できた?」
「はい!問題なく。襲われてた冒険者さんも無事助けましたし」
サーシャはそう受付のお姉さんに報告する。この女性はサーシャがこのギルドにきて最初に登録した時以来ずっと担当してくれているお姉さんで名前はアンナという。
「それは良かったわね。じゃあこれ報酬ね」
「はい!ありがとうございます!」
「おっサーシャ!報酬手に入ったのか?オレたちに一杯酒でもおごってくれよ!」
「今月オレたちまだ依頼成功が少なくてよ?頼む!」
「えぇ……またですか?ジェイさん、テッドさん?もう……仕方ないなぁ……今回だけですからね?」
この2人はサーシャが初めてこのギルドに来たときにいきなり絡んできた、失礼極まりないあの二人組だ。なんだかんだあれから色々あって仲良くなった。まぁ……私が魔法で少しこらしめてあげたんだけどね?
「お疲れ様サーシャ」
「あっヴェインのおじ様!」
「……そのおじ様と言うのをやめてくれないか?」
「おじ様はおじ様じゃない。私の剣術の師でもあるんだし!」
彼はヴェイン。サーシャがさっきのジェイとテッドに絡まれた時助けてくれた人。あれから何回も何回も頼み込んで剣術を教わったのよね。私は剣術はからっきしだから。
「ついにオーガも単独で倒せるようになったか……」
「はい。」
本当に4年前とは比べ物にならないくらい成長しているわね。私も嬉しい限りよね。とか思ったりもする。
「ところでサーシャ。本当に武器を新調しないのか?お前ならもっと威力のある武器を扱えると思うが?」
「変えるつもりはないです。だってこの『アイアンソード』は私の相棒だし、アイリス様が宿ってるんだから!」
「でたでた。サーシャのアイリス様話。」
「剣の精霊様だっけか?」
「もう!本当なんだから!私がここまで強くなれたのはこの『アイアンソード』の剣の精霊様のアイリス様のおかげなんだから!」
サーシャは私を強く握り締めて力強く答えている。そう……私はただの『アイアンソード』だ。
かつてこの世界を救った大賢者アイリス=フォン=アスタータ。なぜかこの変哲もない『アイアンソード』に転生してしまった。
サーシャには私の存在は今でも隠しながら、時には助言し、時には魔法で助けている。私は自分が転生した証を残したい、そのためにこのサーシャ=グレイス。元貴族令嬢を最強にすると決めている。
「まぁまぁ、そんなに熱くなるなよサーシャ。それならその相棒をキレイにしてやれな。結構使い込んでいるだろ?」
「確かに……最近刃こぼれしてきた気がします……アイリス様怒ってるかな?」
サーシャは私を見つめる。刃こぼれくらいでは怒ることはないけど、確かにキレイにはしてもらいたいわね。私も一応女性だしね。まぁ今はただの鉄の塊なんだけど……。
「明日の依頼が終わったら研ぎなおしてもらうようにしようかな」
「そうだなそれがいいだろう」
そして次の日。依頼を終えてきたサーシャは鍛冶屋に来ていた。この鍛冶屋はセントレア王国一の腕を持つ鍛冶職人がいることで有名なお店だ。
「こんにちは!」
「おぉサーシャか。今日は何をお求めだい?」
「はい!これお願いできますか?」
サーシャは昨日の討伐報酬の中からお金を取り出して店主に差し出す。店主はそれを受け取って確認する。
「ほぅ……なかなかの金額じゃないか。それで?どんな風にしたいんだ?」
「えっとですね……この私の相棒をメンテナンスお願いします!」
サーシャはそう言って私を差し出した。それをみた店主は一瞬驚いた顔をしてすぐに笑みを浮かべた。
「ふむ……なるほどねぇ……。こいつは相当使い込まれてるみたいだな。」
「はい!私の相棒ですから」
「でもよサーシャ。こんなに金額が払えるなら新しい武器を買ったほうがいいんじゃないかい?」
「ダメ!私はこの『アイアンソード』から武器を変えるつもりはないから」
「そうか。分かった。最高の仕事をさせて貰おう」
「ありがとうございます!」
それからしばらくして作業が終わる。私はピカピカの新品同様に光輝く。さすがは鍛冶職人ね。素晴らしい仕事だわ。
そして帰り道。サーシャは拠点の宿屋に戻る道中、私を握り締めながら話しかけてくる。
「ねぇアイリス様。私ね……そろそろこのセントレアを出て、旅に出ようと思っているの。まだまだ実力がないのはわかってるけど、それでも……もっと色々な場所を見てみたい」
そうサーシャは言う。私としては反対するつもりはないけれどね。サーシャが決めたことならそれでいい。というより、自分で決められるまでに成長したことが嬉しくもある。
「……やっぱり返事がないか。でも私は信じてるから。この相棒にアイリス様が宿っているって」
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