【最強知識の聖女様】私はただの聖女なのです。本の知識は優秀なのです! ~聖魔法?そんなの知らないのです!~

夕姫

71. 新たな旅に

71. 新たな旅に




 魔法都市ルナノワールに滞在してもう1ヶ月が立とうとしているのです。私たちは目的の「ミスリル」の発掘。そしてミルディの魔法錬金による武器の生成も無事完了したのです。みんなはどんどん成長していくのが私も見てて嬉しく思うのです。そして賢者ギルフォード様の血縁にあたるソフィア=エルヴァンド=マジカリアを仲間にして次の目的としているダンジョン攻略をするために魔法船でセントリン王国へ一度戻ることにしたのです。

 セントリン王国は私がいたカトリーナ教会がある国なのです。もちろん教会には戻らないのです。一応セントリン王国にはダンジョンと呼ばれているものが多く残っており、次の目的にピッタリな場所なのです。

「あっアリーゼ様!魔法船が来たよ!早く乗ろう!」

「はいなのです。」

「はぁ魔法都市ルナノワールともお別れか…色々勉強できて良かったよ。本当に魔法鍛冶屋として成長できた。ありがとうねみんな!」

「ミルディの頑張りがあったからなのです。気にしないのです。あくまで「賢者の石」で武器を造るのがミルディの夢なのです!」

 私たちはそのまま魔法船に乗ることにするのです。そして出航の時間になるのです。甲板にいるソフィアは名残惜しそうに魔法都市ルナノワールの町並みを見えなくなるまで見ていたのです…。そして小さく「いってきます」と呟くのでした。その顔は寂しそうな表情だったのですがすぐに笑顔になり顔をあげるのです。

「大丈夫なのです。ソフィア。旅は風のように気ままになのです!」

「そうですね。これからよろしくお願いいたしますアリーゼ様。」

 私たちを乗せた船は魔法都市ルナノワールを離れていくです。ソフィアは私に気になっていることを話してくるのです。

「あのアリーゼ様?ダンジョン攻略をすると言ってますけど、私はあまり攻撃魔法が得意ではないのですけど?大丈夫ですか?」

「問題ないのです!ロゼッタ様もフィオナもいるのです。」

 確かにソフィアの魔法属性は「土」と「風」そして戦闘技術はまだ低いので不安なのはわかるのです。しかしここで戦闘面の技術を上げるためダンジョンでなるべくソフィアにも経験させてあげようと思っているのです。

 ソフィアはまだ心配そうな顔をしているのです。するとロゼッタ様が口を開く。

「ソフィア。ダンジョン攻略は個々の戦いとは違う。各々役割があるのじゃ、基本お主の魔法属性なら魔法で援護をしてくれればよい。あまり考えるでない」

「ロゼッタ様…」

「もし心配なら、アリーゼを見習え。何も考えてないくらいが丁度良い。」

 なんかひどい言われようなのです?私のどこが何も考えていないと言われる要素があるのでしょう?不思議でしょうがないのです。

 まぁたしかに色々と突っ走り過ぎているのは事実なので言い返せないのですよ。こうして私たちはセントリン王国へ帰ることになったのです。ソフィアも新たな旅立ちをしたかのように胸を張っていたので安心したのでした。

 そしてそのあと部屋に荷物をおき、食事を済ませ各自自由行動をすることにするのです。まぁ魔法船の中なので出来ることは限られるのですけど。

 私はいつも通り何冊かの本を持ち、天気もいいので甲板に出て本を読むことにするのです。しばらく読書をしていると甲板にミルディがやってくるのです。

「あっやっぱりここにいた」

「ミルディ。やっぱりとは?」

「アリーゼは天気がいいと、いつも魔法船の甲板で本読んでるじゃん。この前もそうだったよ?」

 確かにそうかもしれないのですね。とりあえずミルディがきたので本を閉じて一緒にいることにするのです。

 私たちは2人で甲板に座って空を見上げながらゆっくりと時間が過ぎることを感じるのです。そしてお互い口を開かず時間を過ごす。こういうまったりした時間も旅の醍醐味なのです。

「ミルディ。私に用があるんじゃないのです?」

「えっ?あっ…でももういいや。こうやってアリーゼと2人でいる時間があたし好きだからさ。ほら魔法都市ルナノワールではあまり一緒にいられなかったし」

「……ミルディ。それ告白みたいなのです。」

「えっ!?いやいやあたし女だよ!?もう変なこと言わないでよ!」

 ミルディは少し顔を赤くしているのです。可愛いのです。そんな会話をしながら私たちはまた景色を見るのです。ミルディと一緒に過ごしているとやはり楽しいのです。

「あのさ。アリーゼありがとね。あたし魔法鍛冶屋として魔法都市ルナノワールで凄く成長できた。」

「お礼はいらないのです。私とミルディは仲間で親友なのです。それに私はただの聖女なのです。人の助けになるのが私の役目なのです。」

 私がそう言うとミルディはニコッとした笑顔を見せてくる。その顔はすごく嬉しそうだったので良かったと思ったのです。そしてミルディが言う。

「そうだね。ならこれからも助けてもらうからね。聖女アリーゼ様!」

「はいなのです。」

 魔法船はどこまでも青い海を目的の場所に向かって進んでいく。さぁ次はどんなことが待っているのでしょう。凄く楽しみなのです!

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