婚約破棄して欲しいならこちらの願いを叶えてください
うちの護衛おじさん(ジーク)
山小屋で幸せなひと時を過ごしていた。正直途中から夢なのか現実なのかわからなくなり、マリアンネ様も夢だと言うし、僕は途中からきっと眠ってしまい、夢の中にいるのだと思うようになり、マリアンネ様となんかめっちゃキスをした。夢だから何回してもいいだろうと思い、調子に乗ってしまった。大人キスは夢でも出来なくて僕はヘタレだった。
お膝に乗せて食べさせ合いっこもして、これが世間で言うところのラブラブイチャイチャウルトラロマンスかと噛み締めながら楽しみ、食事が終わり、ボロボロソファーでまたキスしたり、髪をいじってまどろんでいた時に、コンコンと山小屋の扉からシモン様が現れて、帰る時間だと告げられ、一気に現実に引き戻された。
え?あれ?これやはり現実!?
ポケットに大事にしまわれた新しい僕だけの婚約契約書のヨレヨレのサインを見て…一気に恥ずかしくなる。
マリアンネ様もパニックになり、夢だとか言っていたが、シモン様に連れられ帰っていく。
ひょこっと死んだ目をした護衛のおじさんライアスさんが現れ、
「ジークフリート様…帰りますよほら。いいですねぇ、若いって。おじさんにはもうとてもそんな情熱はないですよ。でも戻れるなら戻りたかったあの頃に!くっ!」
ライアスさんの口癖は「若いっていいですねぇ」とかだ。最近は愚痴愚痴と昔のことを思い出しながらため息をついている。一応妻子持ちだけど好きで結婚したわけじゃないので若い恋人たちを見ると、どうしても愚痴っぽくなるみたい。
そんなライアスさんまで現れて、やはりあれは夢じゃなかったんだと思うと恥ずかしい。まるで前世で言うとこの溺愛系小説か何かだ!どうしよう!マリアンネ様にしつこいくらいの愛を注ぎ嫌われたら!!!
「ま、真面目に生きよう…」
「は?何言ってんですか?ジークフリート様」
とライアスさんに言われ、僕はその日は家に帰った。
*
それから学園に登校して、マリアンネ様と改めてとりあえず清い交際宣言でもしようかなと彼女を探したがいない。
クラスを除くと
「マリアンネ様?彼女は休んでおられるわ、なんでも熱が下がらないらしいの」
「えええ!?」
と僕は驚いた!
婚約者なのに一応「彼氏」として心配である。こんな時はお見舞いに行かなくちゃと思う。
グレゴールと幼馴染の女の子は相変わらず人前でもイチャイチャしていた。
「若いっていいですね」
ライアスさんはまたそうぼやいている。
とりあえずライアスさんを連れ、花屋でお見舞い用の花を見繕ってもらう。
「私…妻や子供が熱を出しても、こんなもん贈ったこともないですよ…。奴ら…冷めた目で私を見つめてくるもんで…ジークフリート様にお仕えして家に帰るの減って良かったです」
と言う。それはどうなんだろうか。
「ライアスさん…たまには奥さんと子供さんに良くしてあげなよぉ…。いくらなんでも可哀想でしょ?」
と言うとライアスさんは
「いえ、私なんて家にいても空気なので……。むしろいない者としての扱われ方なのでお気にせず…」
と死んだ魚みたいな目に戻る。うーん、このおじさん…何で僕の護衛やってんだろ。いや、仕事だろうけど。
*
そんなこんなでお見舞いに公爵家に行くとシモン様が
「大変申し訳ないことに、お嬢様はあの日から熱暴走しておりまして、落ち着くまでまだ時間がかかるかと。おかげで私の夢であるお嬢様に踏まれると言う夢が先延ばしにされました。どうしてくれるんですか!」
となんか悔しそうに言われた。
「熱ってそんなに高いのですか?大丈夫ですか?心配です。ちゃんと薬は飲んでいますか?」
と聞くとシモン様は
「大丈夫です、微熱が続いておりますが、大半は恋の病ですからね。ジークフリート様の熱烈な愛を受けられましたので」
とにっこり言うシモン様になんだかこっちまで熱が出そうだ。
「すすすみません。僕のせいでこんな事に!は、早く元気になるようにお伝えくださいね」
と花束を差し出した。
「了解しました。明日には学園に復帰できるでしょう」
とシモン様は言い、奥からまだ若いメイドさんが走ってきてバスケットに入れたジャムやクッキーを渡した。
「お嬢様にジークフリート様がお見舞いにいらしたと告げたら、お嬢様が会えないけど折角いらしたのでこれを渡すようにと。公爵家の領地で作った新しいジャム製品の試作品だから味見して後日感想をとおっしゃられていました!」
とにこりと微笑む。
「わあ、ありがとうございます!なんだかお見舞いに来たのにお土産をもらってすみません」
「いえ、まだ沢山あるので…あら?新しい護衛の方ですか?貴方も良かったらかいかがです?」
とメイドさんが言う。シモン様は
「ジェニファーさん、もしかしたら甘いもの嫌いかもしれませんし…」
「あらそうですわね?ごめ…」
と言うジェニファーと言うメイドの手をいきなりライアスさんが握りしめ、顔を赤らめていきなり
「ジェニファーさん!?とてもお美しい名前にお美しいお姿!!ここ、今度デートでも!!是非!!」
とライアスさんの死んだ目がキラキラ輝いている!!
いや、貴方妻子がいますからあー!!
しかし完全に恋する目になっているライアスおじさん!!
しかしメイドのジェニファーさんは顔を歪めて
「……嫌ですわ。おじ様。歳を考えてくださいね?」
と言われてライアスさんは再び死んだ魚みたいな目になり
「やっぱり…若さが…若さが足りない!!くっ!」
とフラれたのだった。
お膝に乗せて食べさせ合いっこもして、これが世間で言うところのラブラブイチャイチャウルトラロマンスかと噛み締めながら楽しみ、食事が終わり、ボロボロソファーでまたキスしたり、髪をいじってまどろんでいた時に、コンコンと山小屋の扉からシモン様が現れて、帰る時間だと告げられ、一気に現実に引き戻された。
え?あれ?これやはり現実!?
ポケットに大事にしまわれた新しい僕だけの婚約契約書のヨレヨレのサインを見て…一気に恥ずかしくなる。
マリアンネ様もパニックになり、夢だとか言っていたが、シモン様に連れられ帰っていく。
ひょこっと死んだ目をした護衛のおじさんライアスさんが現れ、
「ジークフリート様…帰りますよほら。いいですねぇ、若いって。おじさんにはもうとてもそんな情熱はないですよ。でも戻れるなら戻りたかったあの頃に!くっ!」
ライアスさんの口癖は「若いっていいですねぇ」とかだ。最近は愚痴愚痴と昔のことを思い出しながらため息をついている。一応妻子持ちだけど好きで結婚したわけじゃないので若い恋人たちを見ると、どうしても愚痴っぽくなるみたい。
そんなライアスさんまで現れて、やはりあれは夢じゃなかったんだと思うと恥ずかしい。まるで前世で言うとこの溺愛系小説か何かだ!どうしよう!マリアンネ様にしつこいくらいの愛を注ぎ嫌われたら!!!
「ま、真面目に生きよう…」
「は?何言ってんですか?ジークフリート様」
とライアスさんに言われ、僕はその日は家に帰った。
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それから学園に登校して、マリアンネ様と改めてとりあえず清い交際宣言でもしようかなと彼女を探したがいない。
クラスを除くと
「マリアンネ様?彼女は休んでおられるわ、なんでも熱が下がらないらしいの」
「えええ!?」
と僕は驚いた!
婚約者なのに一応「彼氏」として心配である。こんな時はお見舞いに行かなくちゃと思う。
グレゴールと幼馴染の女の子は相変わらず人前でもイチャイチャしていた。
「若いっていいですね」
ライアスさんはまたそうぼやいている。
とりあえずライアスさんを連れ、花屋でお見舞い用の花を見繕ってもらう。
「私…妻や子供が熱を出しても、こんなもん贈ったこともないですよ…。奴ら…冷めた目で私を見つめてくるもんで…ジークフリート様にお仕えして家に帰るの減って良かったです」
と言う。それはどうなんだろうか。
「ライアスさん…たまには奥さんと子供さんに良くしてあげなよぉ…。いくらなんでも可哀想でしょ?」
と言うとライアスさんは
「いえ、私なんて家にいても空気なので……。むしろいない者としての扱われ方なのでお気にせず…」
と死んだ魚みたいな目に戻る。うーん、このおじさん…何で僕の護衛やってんだろ。いや、仕事だろうけど。
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そんなこんなでお見舞いに公爵家に行くとシモン様が
「大変申し訳ないことに、お嬢様はあの日から熱暴走しておりまして、落ち着くまでまだ時間がかかるかと。おかげで私の夢であるお嬢様に踏まれると言う夢が先延ばしにされました。どうしてくれるんですか!」
となんか悔しそうに言われた。
「熱ってそんなに高いのですか?大丈夫ですか?心配です。ちゃんと薬は飲んでいますか?」
と聞くとシモン様は
「大丈夫です、微熱が続いておりますが、大半は恋の病ですからね。ジークフリート様の熱烈な愛を受けられましたので」
とにっこり言うシモン様になんだかこっちまで熱が出そうだ。
「すすすみません。僕のせいでこんな事に!は、早く元気になるようにお伝えくださいね」
と花束を差し出した。
「了解しました。明日には学園に復帰できるでしょう」
とシモン様は言い、奥からまだ若いメイドさんが走ってきてバスケットに入れたジャムやクッキーを渡した。
「お嬢様にジークフリート様がお見舞いにいらしたと告げたら、お嬢様が会えないけど折角いらしたのでこれを渡すようにと。公爵家の領地で作った新しいジャム製品の試作品だから味見して後日感想をとおっしゃられていました!」
とにこりと微笑む。
「わあ、ありがとうございます!なんだかお見舞いに来たのにお土産をもらってすみません」
「いえ、まだ沢山あるので…あら?新しい護衛の方ですか?貴方も良かったらかいかがです?」
とメイドさんが言う。シモン様は
「ジェニファーさん、もしかしたら甘いもの嫌いかもしれませんし…」
「あらそうですわね?ごめ…」
と言うジェニファーと言うメイドの手をいきなりライアスさんが握りしめ、顔を赤らめていきなり
「ジェニファーさん!?とてもお美しい名前にお美しいお姿!!ここ、今度デートでも!!是非!!」
とライアスさんの死んだ目がキラキラ輝いている!!
いや、貴方妻子がいますからあー!!
しかし完全に恋する目になっているライアスおじさん!!
しかしメイドのジェニファーさんは顔を歪めて
「……嫌ですわ。おじ様。歳を考えてくださいね?」
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