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黒月白華

素敵な監禁生活2(ジーク)

「きゃあああああああ!!!」
 とマリマンネ様から悲鳴が!
 足が滑って体勢が崩れて、大変失礼な事にマリアンネ様に覆いかぶさってしまった!!

 す、直ぐに離れなきゃと思い、身体を起こそうとしたが、何と僕の髪がマリマンネ様の胸のボタンに絡まっている!!

「あ!ああ、髪が!」
 と言うとマリマンネ様は気付いたが

「やあっ!助けて!犯されるううう!」
 と言う。
 いやそんなことしませんけど!?とりあえず僕は髪を取るためにもがいた。
 いてて、と思いつつも柔らかい胸が頰に当たり必死だ。

「きゃあ!!やだ!いやっ!」
 とマリマンネ様が可愛く叫び、もはや本当に犯してる気になって困る。
 錯乱したのか、マリアンネ様が必死で僕の頭を手で押さえてくるし!
 やめてください!薄い寝巻き越しの柔らかな胸とお風呂上がりのいい匂いで苦しいのと鼻血出そうのとたくさん来て、必死でもがいた。

 僕はもう泣く泣く自分の髪を引きちぎり、ボタンには僕の髪が数本くらい絡まったままになってようやく離れた。
 僕は演技で軽く本当に力を入れないようにペチンっとマリマンネ様の頰を叩き

「おおお…大人しくしないからだよ!!」
 とゼェゼェ言った。そう言えば黒い布を巻き忘れていたのでバッチリ至近距離でマリマンネ様の燃えるような赤い目と目が合う。瞳の中には僕の顔が映りこんだいた。

 どうしようドキドキして目が離せない…。

「うう……酷い、赤ちゃんができちゃう…」
 と迫真の演技で涙を浮かべるマリマンネ様にゾクっとした!!うう、か、可愛い!好き…。
 そんな事してないのに。僕はとりあえず指で涙を拭き取ると毛布をかけ

「ふん、悪夢でもみてろ!」
 と言い急いで部屋から出て、上に駆け上がった!心臓がバクバクして、その夜は僕の方がいけない夢を見てしまい3日目の朝はもはや恥ずかしいことになった!

「ううっ、マリマンネ様の顔を見たら夢のこと思い出しちゃう!どうしよう!!?」
 落ち着くのを待ち、最終日に朝食を離れに取りに行くと何とそこにルミナ様がいた!

「あれ?来ていたのですか?」
 と聞くとシモン様が

「今朝早く、私が寝ている夜明け前に来られて私の寝顔をジーっと見ていたそうです」
 と言う。どうしよう、ルミナ様もなんかおかしくなってる。

「うふふふ、お姉様は元気かしら?」

「はい、元気です…」
 と言うと

「昨日こそ一線…」

「ここここ、超えてませんからあああ!」
 と真っ赤になるとシモン様とルミナ様は

「まぁそうですよね?ジークフリート様がお嬢様に手を出せるはずがありません。私ならそんな状況なら確実に襲ってたかも!?まぁ本当は襲われるのが理想なんですけど、二人きりだし何してもいいかなと男なら多少は思うでしょうね」
 とニヤリと言われる。ルミナ様も

「ジークフリート様…お姉様のことをお好きなら少しぐらい襲ってみたら?本気で…」
 と言ってくる!!

「な、何言ってるんですか!演技でそんな事出来ません!!何で僕があああ!」
 と頭を抱えて、恥ずかしさで死にそうになる!!

「最終日ですから頑張ってくださいねー?夕方になると終わりですー」
 とシモン様に、にこにこ言われ、僕は朝食を持ち、地下室へと潜った。

 美しいマリマンネ様は昨日黒い布をつけ忘れていたから既に起きていた。昨日の絡まった僕の髪は取れて無くなっていた。そりゃそうか、気持ち悪くて、何処かに捨てたんだろう。

「食事だ」
 と言い、とりあえず今日は目隠しせず、食べさせた。相変わらず細くて柔らかい身体を支えながら片手で食べさせる。
 すると途中でマリマンネ様が

「ング!!」
 と言いむせた!!やばい!お水!お水!
 と水差しから水を入れて飲ました。ごくごくと水を飲み一安心。
 しかし…

「うっく!」
 とマリマンネ様がボウっとした。
 ん?
 なんか様子変。僕からもう一杯とねだり、僕は水を渡すとまたごくごくと飲んだ。
 ?
 僕は不審に思い、水差しの水をちょっとだけ指につけて舐めたら…

 !!!?

「ここここれっ!お酒だ!!マリアンネ様!?」
 と言ったが時はすでに遅し!マリアンネ様はまだ欲しいと強請って来た!
 慌てて酒の水差しを遠くにやる。
 シモン様ーーーー!!

「ジークフリート様の意地悪!私…お水もっと飲みたいですわ!!」

「いやダメです!水じゃないし!!」
 どうしよう酔っちゃった!するとマリマンネ様が

「暑い…ですわ…」
 と言い、服を脱ごうとしたので慌てて止めた!

「うわー!ダメです!ダメです!」
 必死で手を掴み止めると、マリマンネ様は僕の手を絡めて繋ぐ!!うっ!!

「うふふふふ!ジークフリート様……うふふふふふ!」
 と酔って笑って僕の首に腕を回してしがみつく!えええええ!
 もはや抱きつかれ、僕は心臓が再び破裂しそうになる。

「マリアンネ様…正気になって…」
 困ったようにそう言うと

「失礼な!私は正気でふわ!!この!犯人め!!このこの!」
 とポカポカされたと思ったら、トロンとしてまたしがみ付き、僕の首筋をカプリと噛んだ!!

「あああっ!」
 と声を出すと

「観念なさい!犯人!」
 とマリマンネ様が僕を引っ張りベッドに沈めて上にのしかかった!!
 ひえ!!
 長い銀髪がサラリと顔の横に落ちる。上から覗き込まれ恥ずかしい!

「マリアンネ様…あなた酔ってますよ!?」
 と説明したが、聞こえてないようだ。

「酔ってないわ!!この犯人!よくも今まで私のことを弄んでくれたわね!!えい!」
 と僕の手首を持ち、また噛みついた!!

「ぎゃっ!マリアンネ様、痛いです!」
 と涙目になるとマリマンネ様が近づきなんと可愛らしい舌で僕の涙をぺろべろと舐めた!

 ふあああああああああああ!!!
 びっくりして赤くなると、舌なめずりして

「うふふふ、この犯人は可愛らしいわね」
 と言う。ひい!!どうしよう!正気に戻さなくちゃ!!殴り倒す!?いや、そんな事できない!可哀想だ!

「憎たらしい犯人!私よりも綺麗な顔をして!髪もサラサラだし、どうなっているのかしら?」
 とペタペタと顔を触られる。ううう!恥ずかしい。綺麗なのはマリアンネ様の方だ。

 顔が段々近づきキスされそうになり、僕は思わず目を瞑ってしまった!
 ドキドキしているとポフリと体の上にマリアンネ様は倒れて…なんとすうすうと寝入ってしまった!!

 あ、あ危なかった!!
 そろそろと僕はソッと彼女から離れて毛布を再びかけた。そしてマリアンネ様は夕方までなんと起きなかった!!
 シモン様が入って来て

「終了時間ですー!…あれ?お嬢様何ともない!?あれぇ?ジークフリート様…ご忠告したのに襲わなかったとは貴方は一体男なのですか?」
 と言われる。

「ううう、シモン様…酷い!僕そんな事出来ませんから!!」
 と言うとマリマンネ様は欠伸をして起きた。

「あら、シモン。もう終わり?あーあ、クリアしましたのね。おめでとうございますジークフリート様」
 と言われて第七の条件をクリアした。全く嬉しくないけど。




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